特選街という雑誌〜買い物を間違えない為の武器〜
私の父が絶大なる信頼を寄せていた雑誌。その名も特選街。家電や趣味の物、自動車など最新の製品が紹介されていた。
毎号読んではいなくて父が自分の為、家族の為に何かを買おうという時に対象の物の特集号を貴重な情報源として買う感じ。大事なお金を無駄にしたくは無いからね。
今なら価格ドットコムで購入者の意見や故障報告まで知ることが出来る。
情報を集めて検討してこれに決めたとなればイザ馴染みの電気屋さんへ。長らくサザエさんの家にある茶色い四角い東芝のテレビだったのがバブル期の25型に入れ替りS-VHSのビデオデッキもセットで来た日には心底父を尊敬した。
ブラウン管にはリモコンで首振り機能が付いていた。でも25型を家族全員で見るって小さくなかったのかな?
MSX2をRF接続していた時は文字が見えにくかったけどコンポジットで接続できれば文字の小さいSCREEN0でリストも判読出来る!
何より良かったのはサザエさんテレビが台所へ移動されて棄てられず残った事だ。テレビ視聴に遠慮してMSXが使えないという状況が改善された。
だからテレビが壊れたから買ったのではなくて新しいテレビが欲しくて買ったってことだね。
我が身でもそうだが定期的に頑張っている自分へのご褒美というのは大事だと思う。新しい製品が来ると本当に嬉しかった。父は説明書を隅から隅まで読んで調べている。
私もマネをして読む。当時ずっと食べ過ぎで下痢をしていたのでトイレで説明書を読んだ上に置き忘れたのを父に見付かり、これはダメだと言われたのが思い出だ。
買って満足すると興味がまた別の物に。欲しい時が楽しい時。特選街ほど楽しい雑誌は無かった。
父が特選街を買ってくると何を特集しているかで欲しいものがすぐわかる。私も読みあさってこのメーカーのいいねなんて父に言うと親子だから意見が合う。
子供だから基本的に父の受け売りの思考回路だ。
カメラの号を熟読した後に父と秋葉原へ行った。若しくは上野か御徒町だったかもしれない。どこで情報を仕入れたか倉庫みたいで商品展示をしていない店。買うものが決まっている人が安く買うというすごい店だった。
欲しいのは特選街で決めてるから非常に合理的。まあ箱が積んであるこの店で買うだけに2人の往復電車賃を使っているから贅沢といえば贅沢。
今まで使っていたカメラは全部マニュアルで設定しないといけない皮のにおいのするシブいのだった。それが全部カメラが自動でやってくれる。
ミノルタの設定カードが差せるやつと言えば分かる人は分かるだろう。あれを父が買った。
いくつかのカードとデカいフラッシュ、フカフカな収納ケースの一式購入。フィルムのカメラは現像するまで失敗してるか分からないからカメラが間違いなく設定してくれるのはありがたい。
カードは使った記憶が無い。わざわざ差し替えるなら本体に設定入れといてくれよと普通は思う。それだけメモリが高価だったということだ。
特選街で研究してこれがいいなという製品を最安値の店で手に入れる。こんな幸せがずっと続くと思っていた子供時代。
ワープロも特選街で情報を仕入れた。富士通なので親指シフトがいいと父が言っていたが、ジョイスティックのボタンを世間とは左右逆に使って苦労していた私はガラパゴスな独自仕様に反対、通常のモデルの購入となった。良かった良かった。
パソコンでほ無いからMSXと違って面白かった。ちょっとしたゲームも内蔵されていた。気球でカラスを避けないと破裂して落ちるみたいな。
Windows98が来るまで年賀状で活躍した。こういうの捨てられないね。高く売れたりしないかな?
長く書いたけどここからが本題。前にnote「週刊文春はエロい」で書いた様に特選街もエロい。
なぜなら1ページだけアダルトビデオの紹介ページがあるのだ!
当時は女優さんが綺麗になったと言われた頃、小林ひとみ、桜樹ルイ、朝岡実嶺、あいだもも、星野ひかるなんて紹介されていた記憶。すごい記憶。
別に映像のシーンがキャプチャされてるわけでもなく、パッケージ写真と3行広告みたいな文章があるのみ。これは大人になったら是非見たいなと興奮していた。本当に女優さんが綺麗なんだ。さっき言ったっけ?
そんなわけで父が特選街を買って帰るとまた何か買うかな?という期待と同時にアダルトビデオの紹介ページに朝岡実嶺出てないかなと思うのでした。