USDM 果てしなきアメリカ憧れ
クルマ趣味には様々な楽しみ方があって面白いね。今日はUnited States domestic market、アメリカ風クルマカスタム趣味をテーマにするよ。もともとアメリカ文化が好きだったり旅行で海外を走ってる日本車を見てなんかカッコいいな所有したいぞと思った人とかがハマり始める。
日本でもアメリカでも売ってる車種をベースにこのパーツ現地仕様に変えたらアメリカっぽいなという部分をひたすら変えていく。代表的なのはテールランプでUSDM趣味としてはウインカーのオレンジ色が許せなくて赤一色がたまらないと。日本でも昔のハコスカとか赤一色だったよね。渋い。灯火類ではサイドマーカーもアメリカっぽい。ただね、日本で現地仕様のランプは違反になるので注意が必要。
黒い樹脂製のサイドモールがアメリカ向けでは付いてることが多い。せっかくスッキリしたデザインの日本車なのにモール付けて野暮ったくするというマニアックな世界。そう、こうなるとカッコいいことよりアメリカっぽいことが優先されるのだ。
アメリカのディーラーの名前が入ったナンバープレートフレームなんてのもいかにもそれっぽい。ただこれを日本のナンバープレートに付けると小さすぎて合わない。これも違反になる。そもそも日本のナンバープレート付いてるんだからどう見ても日本走ってるクルマなのが痛いところ。
アメリカのブランド名、車名に合わせたエンブレムを付けるのはかなり効果があって満足度が高い。アキュラとかインフィニティとか。
お国柄というか特徴的なのはアメリカは訴訟社会なのでメーカーは落ち度が無いように注意書きがやたら書いてある。クルマの隅々に貼られているこれらのコーションラベルを英語の現地モノにする。かなりマニアックな世界だ。
さて、手をかけられるところひととおりやりきった、あるいはやっている途中にふと思う。輸出仕様の左ハンドル逆輸入で買った方が早くね?という考え。これは非常に合理的だ。細々取っ替えてたパーツがもう全部アメリカ仕様なのだ。そして左ハンドルというのは何よりもアメリカっぽいポイント。
さあ、これは左ハンドルのホンダ車を買うぞとなった彼はアメリカ文化大好きな割に英語が出来ないので個人でクルマを輸入なんて出来るわけもない。でもあるんだよね、逆輸入車を扱っている中古車店が。12万キロ走った10年オチのアコードが200万~で売ってる。冷静になればそんなクルマに大金払うのどうかしてるが本物の左ハンドル、本物のテールランプ、本物のコーションラベルに舞い上がってる。諸費用とウインカー用でオレンジのランプ取り付けやらヘッドライトの光軸改造やら計上されて総額300万くらいでお買い上げ。
これ中古車屋さんにはかなりおいしい商売。本業のジープとかの買い付けのついでに古い日本車を安く買っておいて店に出すとUSDMマニアが大金出して喜んで買っていくのだ。
さて意気揚々と走り出したアコードだがやはり古さが目立つ。そして左ハンドルのデメリットが次々と襲いかかる。料金所が面倒、右折出来ねえ、クルマ寄せたら降車出来ねえ等々。こういった不便を強いられながら見た目は日本車。
そしてまた気付いてしまう。アメ車がいちばんアメリカっぽいぞ!当たり前の事に今さら気付く。輸出仕様日本車はどう転んでも日本車。クルマに詳しくない普通の人からしたら古いクルマ綺麗に乗ってるね以上のものではないのだ。もう気持ちはシボレーの購入に移っている。300万あれば買えたのに。さてこの左ハンドルアコードをどうするか?買ったクルマ屋に電話したらおもいっきり足元見られた。なんというか買い取り値段を言わない。処分費がどうたらとか言ってる。また200万で売るくせに詐欺師が!そこで考える。自分の様なUSDM愛好家に売り付けるしかないなと。ちょうどイベントがあるのでエントリーする。マニアで人だかりが出来る。おもむろにfor saleの貼り紙をすると来たね。100万でいいよと言ったら喜んでる、何よりだ。200万でも売れたかな?
晴れてアコードとお別れしたら本物のアメ車を買いにいく。カマロだ。これぞアメ車。大排気量だ。税金すごいけどUSDMで車検のとき灯火類戻したりとか違法でくだらないことに金かけてたのに比べたら何でもない。そういえば正規代理店が販売してた個体だから注意書きが日本語でいいね。あれ?今までと逆の事やってるわ。
ということで、USDM趣味は無い物ねだりなだけなんだよね。アメリカではJDM言って角目インテうらやましがってるし。日米お互いでクルマ交換したらいいじゃんって話になる。
人生短いのでいずれアメ車欲しいなんて思ってる人はアメリカ風日本車なんて遠回りせずにアメリカ車さっさと買いましょう。