デアゴスティーニ
パートワーク大手のデアゴスティーニ。これで8分の1のスケールモデルを作るのが人気だ。映画やテレビの劇中車だと豆知識の冊子を読みつつクルマが完成していく。楽しい大人の趣味だ。
さて、世の中なんでも理想と現実があってまさかこんなことになるとは思ってなかったということが起こる。書きたいから書く。
ネジ関係の苦労
CMで「ドライバー1本で組み立てできます」と言う売り文句がおなじみ。接着剤でベタベタにならなくていいのは助かるねと好意的にとらえるよね。ところがこのネジをダイキャスト製の部品にねじ込むのにものすごい力を必要とする。見た目が目立たない小さいネジを多用されるが小さい先端に力をこめているときにガタっと手元が狂うとドライバーが指に刺さり怪我をする。SNSで指傷めた写真が投稿されまくったこともある。このドライバーは最初の号に付属するけど大きな力に耐えられない安物なので早々に使えなくなる。信頼性のあるメーカーのドライバーをネジの大きさぶん本数を買うことになる。1本1000円程度のもの。
それでネジが締めにくい、固いのはメーカーも分かっているので2号に「大変だったでしょ?実はコツがあるんだ」みたいなコラムが載る。そう、タップを切れと。その方法と言うのが余分に1本入ってるネジを使ってネジ溝をぐりぐり掘ってから本番のネジを締めましょうというもの。で結局うまくいかないし怪我しそうだしで途方にくれていると4号くらいのタイミングで「タップ切りの工具今回使うネジサイズ対応セット」というのが通販で買えるよと案内が入る。最初から必要なの分かってたよね?と不信感を抱く。タップ切りの相場なんて分からないし間違ったの買うよりいいかとの思考から安くない金額の工具をまんまと買わされる。使ってみると楽。でも面倒。決してドライバー1本でカンタン組立ではないなと序盤で思い知らされる。
作っている最中から壊れていく
基本的にダイキャスト製だが細かいディテールはプラスチック製で出来ている。ドアミラーなんか最たる例で。これをドアに付けたはいいが重たくなっていくボディーをひっくり返したり横に向けたりの作業時にうっかり力をかけるとポキポキ割れていく。これは悲しい。いろんなプラ部品が付くようなモデルだと割っては接着剤で修復を繰り返すうちに、このクルマはどこが弱いかを本能的に覚えるようになり、あげく触るのが嫌になってくる。こうなると工程を進めていくのが苦痛になる。完成したあとも色んなギミックで遊びたいが触るほど壊れていく。正にアンタッチャブルとなる。
配線が複雑
ライトが光ったり音が出たりのギミックは大きな魅力だ。使用する配線は両端にコネクタが付いていてハンダ付けの必要はない。ただこれはギミックがあればあるほどごちゃごちゃになり組み立てを難しくしている。説明書の絵を良く見て同じようにするも実物の配線はクセがありすんなりと収まらない。コネクタが付いていて長さが決まっているから設計者が意図した通りに納めないと届かなかったり余りが邪魔になったりする。部品で挟んで断線とか最悪の事態も起こりうる。配線が付いてから他の作業も難しくなっていく。辛い。
走らない
これは意外と忘れがちだが結構重要。山ほどギミックがあって配線や電池を付けても走らない。クルマなのに。それでは子供心に帰って「ブーン」と言いながら手で押せばと思うが、どうやらコロコロ走らせるように想定されていないようでプラスチックのパーツに力がかかって壊れる。重たいから。
梱包ゴミ
毎号毎号ちょっとの部品しか来ないのに丁寧にブリスターパックされている。形が毎回違うから重ねて捨てることが出来ない。忙しくて積んでるときも場所をとる。几帳面に片付けが出来る人向けだ。
買った人のスキル
今まで書いたような制作する上での問題はある程度スケールモデル作りの経験があったり壁にぶつかってもネットで解決策を探ろうとか出来れば趣味として楽しめる範囲だと思う。ところがそのテーマのクルマやテレビが好きで、例えばナイトライダーが大好きでこれをグッズとして欲しい、書籍として読みたいという人が気軽に完成すると思ったが挫折するのは不幸だ。テレビの裏話やらを知りたいのに高い金額を払って部品がどんどん送られてくる。そんな人向けに組み立てサービスがあるけど全部買った値段近くする。あーあ。
ヒント
これはどう組み立てたら分からないという壁にぶつかってもたいがい他の人が同じ思いをして解決法を見つけている。組み立て動画配信もあるから今作業してる工程を人はどうやってるか後で見るのも楽しいし先に見てヒントにするのもいい。掲示板は…こんなのに金使うならどうのこうのとか買えない人のやっかみが目障りなので見ない方がいいかも。ブログは丁寧に書いてあっていいなと思ってると急に辞める人が多いね。大変なんだ。
デアゴスティーニ
もう1社あるパートワークよりも扱っている製品がいいしサポートもしっかりしている。結構欠品が多いがすぐに送ってもらえる。組み立てがある商品が大変そうならコレクションするだけのを始めるのもいいかも知れない。好きなテーマがあれば。
さあ、あなたも部品がどんどん来て追われる生活をしてみないか?