書く大喜利

 今、大喜利と呼ばれているものは昔から笑点で行われている落語家が座布団に座りお題に答えるものと、IPPONグランプリのようなフリップに書いて答えるものが混在している。今日はダウンタウンが始めた書く大喜利の話だ。
 書く大喜利がテレビ番組で始まったのは1993年TBSの深夜番組「ダウンタウン汁」のコーナー「お笑い頭脳バトル」が一番古い記憶だ。これ以前に関西などでやっていたかは知らない。浜ちゃんの進行で松ちゃんや130R(板尾、蔵野)、今田、東野、TEAM0(山崎、軌保)、島田珠代らがお題にフリップに書いて答える。これだけのメンバーで伝説の番組、さぞかしドッカンドッカンの大笑いな番組かと思いきやこれが全く違った。深夜なので時間がたっぷりあってあまり編集がされていないのだ。浜ちゃんがお題を発表するとストレイ・キャッツの陽気なロカビリーが少し流れてシンキングタイム終了だがポンポン回答が出てはこず、皆が宙を見上げて回答を考えている様子がしばらく流れる。松ちゃんは漢字が書けないので辞書をめくったりしている。あまりにも回答が出ない場合は浜ちゃんが終わりにして次のお題となる。とにかくお笑い番組とは思えないくらい静かで緊張感がえげつない。島田珠代はどうみてもこの空気に合わず、「女の子が下ネタ言うたらアカンのか!」とぶちまけ途中から出演がなくなった。軌保もこの番組でお笑いの限界が見えてしまった気がする。
 フリップなので答えが絵で書かれるのも面白かった。幼少期漫画家になりたかった松ちゃんの才能が垣間見られた。ただこれは大喜利というよりもお笑いマンガ道場だなとは思った。
 この番組が放送されている頃に板尾が淫行で捕まりお笑い頭脳バトルの画面からものすごい編集で消されたのが有名。フワちゃんのはしりやね。
 番組が終了した後、テレビ朝日のかざあなダウンタウンでリットン調査団が加わったほぼ同じメンバーで大喜利コーナーが単発で行われる事があった。ダウンタウン汁の時の時間たっぷり感はなくて他の体を張った企画が面白かったのでわざわざ大喜利やらなくてもなという印象を持っていた。
 その後はごっつええ感じが終わった後に松ちゃんが一人ごっつでひとり大喜利をしたり、ケータイ大喜利やIPPONグランプリが始まり、関西ではバッファロー吾郎Aが東京でダウンタウンが書く大喜利をしている!と感化されイベント、ダイナマイト関西を始めた。
 お題に答えフリップに書くお笑いを大喜利と呼ぶのがすっかり定着している。ダウンタウン汁のときは大喜利とは言ってなかったぞ。お笑い頭脳バトルという名前が良かったから頭脳バトルで定着して欲しかったな。30年以上の歴史。
 wiki見ると寄席や歌舞伎から進化してきた上での笑点のようなスタイルの大喜利らしいから時代の流れなんだろう。逆に笑点がフリップに書くのを始める可能性だってある。
 今日は書く大喜利の話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?