先入観で人を見る

 転勤や転職などで環境が変わりこの人たちどんな人なんだろうと一から学習するときがある。そんなときに自分が前に接していた人と似てる人というのが居るものだ。見た目だったり話し方だったり。これがプラスに働くことも多い。お世話になって慕っていた上司と新しい環境の課長が似ていたら、その人にも心を開きやすくなり、結果新しい環境でも上司に可愛がってもらえる。

 ただこれはあくまでも他人と他人が似ていたという事実だけに留めておかないとおかしなことが起こり始める。マイナスな評価での先入観だ。自分の経験を元にこういう人はこういう事をするんだよな、と予想を立ててしまう。現在接点のある人を過去一緒だった人と同じと勘違いしてしまうんだよね。色んな人に会って来たから人を見る目があるという根拠のあやしい自信を持ってしまう。

 ある課長の元に部下が転勤してきた。ちょっと前まで若い社員がいたがそいつが社会人としてどうしようもないやつで報告しない、嘘をつく、遅刻するとひどい有り様で結局辞めてしまった。その補充で転勤君が来たが雰囲気や見た目や話し方が辞めたダメなやつと同じタイプ。前任者で痛い思いをしている課長は転勤君がへまをしないように細かく指示をした。最初は面倒見がいい上司で良かったととらえていた転勤君だが日々課長を小うるさく感じてきて嫌になってしまい参ってしまった。

 転勤君は遅刻をしたことが無いのに課長は前任者がやらかしたことはこいつもやるとの先入観でお前明日遅刻するから出発の1時間前に来いよと。これ課長が思うだけならいいが本人に言うとなると転勤君はなんでしてもいない未来のミスに対してまで小言言われる?となり信頼関係が崩壊する。自分は経験を元に人を見る目があり的確な指示を出していると勘違いしている課長。想定の未来に対する勝手な小言を言われるどうしようもない毎日に限界をこえた転勤君はある日出社せずに本社へ行き課長にパワハラされていると話を盛りに盛って告発し診断書をとり1年休んだ後に転勤することになった。

 ここまで行かなくても先入観やキメツケ偏見はやられた方に落ち度がなく恨みを買うのでこじれて危険だ。

 というわけで人生に似た人が現れても安易にこいつあのタイプやな…はダメよという話でした。

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