ホ◯ダのディーラーで追い出された話〜失礼しちゃうわ〜

 昔クルマの鍵を失くした。DC2丸目インテ。こんな時のために街の鍵屋さんでスペアキーを作ってあった。備えあれば憂いなし。だけど精度が良くなくて回りが悪い。また失くすとアウトなのでもう1本作らなきゃ。シリンダー側が壊れたら嫌だしね。

 ネットで調べるとキーシリンダーに番号が書いてあってディーラーでそれを伝えれば純正キーを作ってもらえると!これはいい。やっぱりホ◯ダマークの入った黒いプラスチックが付いてないとね。たいして値段も高くないらしい。

 早速仕事帰りにディーラーへ寄る。インテグラだからベ◯ノ店だな帰り道にある。ちょうどDC5が後期になった頃かなヘッドライトの涙目が普通になってシビックみたいになっちゃったなとか思ってた。置いてあったのはオレンジ色だった記憶なのでType-RじゃなくてType-Sだろう。見た目ほとんど一緒でカッコ良くてエンジン型式も同じなのにType-Rに華を持たせる為にデチューンされてて160ps。オートマとサンルーフ選べるのはいいね。

 遅い時間なので人気が無い。事務所の方に人いるかな?

「すいませーん」
「あ、いらっしゃいませ」
「鍵を失くしてしまったのでスペアキーを作って欲しいです。あのクルマの」
「あー、そうですねクーペのクルマですとスターターと左右のドアとハッチにキーシリンダーがあります。全部交換して鍵が2本付いて5万円ちょっとといったところですね」
「え!そんなにするんですか?番号見て1本作ってとか出来ないんですか?」
「防犯は大事ですからねぇ」
「ちょっと考えます」

 うん、ネットの情報はあてにならないな。天下のホ◯ダベ◯ノ店が出来ないと言っている。どうしたものか。

 この話を私が信頼する会社の先輩に聞いてもらった。ものすごいキレ者で私の話し始め数秒で何が起きていたか理解し当ててアドバイスまでくれる人。まあアル中だったけどね。

「というわけでスペアキー作ってもらえなかったんですよ」
「そういうことか。服装は何着て行った?」
「いつも通り仕事終わったまま作業着ですよ」
「古い丸目インテに乗ってる作業着の男が来店しても新車ディーラーからしたら買ってもらえる見込みは無い。ましてや鍵1本作るのに応対なんでしていたらセールスマンが課長に何やってんだと怒られる。それで適当な理由で全とっかえを提案して追い返したってワケだ」
「えー!クソホ◯ダベ◯ノめ!ムカついてきた」

 これはもう当時の私が世間知らずということで片付けるしかない。ベ◯ノがクソなのは事実だが。
 なんとか見返す方法無いか考えたけどね。また作業着で乗り込んで現金叩きつけてオレンジ色のType-S買ってやろうかとか、中途半端なType-S買うならもっと金出してType-R買うわとか。あ、それだとベ◯ノの思うツボか。

 さて鍵をどうするか。今持ってるのは鍵屋で作ったスペアキーだしスペアからスペア作ったらイザというとき開かないなんて起きるだろう。
 そんなある日オ◯トテラスのチラシが家に入っていた。中古のホ◯ダ車をいっぱい売っている素晴らしいお店。何やらホ◯ダ車に限り激安でオイル交換をしてくれると書いてある。

 電話してから行くと本当に激安でオイル交換してくれた。クルマを買えだの売れだの言われる事もない。ア◯スコーヒーまで出してくれた。支払いをしている時に鍵の事を思い出して聞いてみた。

「スペアキーを番号から作る事って出来るんですか?」
「出来ますよ!」

おう、ホ◯ダベ◯ノめ…また怒りが沸いてくる。それにしてもオ◯トテラスさんは素晴らしい。チャッチャと番号控えてくれた。後日取りに行くと新品の鍵が。クルマより新しく見えてバランスが悪い。これも激安で本当に5万円ベ◯ノに払わなくて良かった。

 ただベ◯ノの言う通り4つのキーシリンダー交換をお願いしたとして、部品代、鍵代、工賃、応対するセールスの人件費、事務手続きその他考えると5万も実は安いんじゃないのとも思える。だからお願いしますと言ったとしても何かしらの次の壁が用意してあって結局ベ◯ノには断わられたんだろうと思う。

 新しい鍵はスペアキーとは違ってすんなり回る。エンジンの調子も良くなったようだ。

 この件があってから何か用がある時は店にいきなり行かずに1回電話して聞いてみるクセが付いた。行って断られるのは時間の無駄だし電話で確認出来るに越したことはない。行って無駄足に比べれば電話の面倒くささなんて微々たるもの。何より面と向かって断られるのは傷つくからね。店側の立場になっても然り。

 鍵を通じてホ◯ダベ◯ノのおかげでいい社会勉強が出来ましたという話でした。


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