危険なライフハック

 あんまり今はライフハックって言わないか。もっと古いと伊東家の食卓とか。最近だとyoutubeのショート動画とかでこうするとスパナが無くてもボルトが回せるよみたいなのをやたら見る。
 あることをしたいけどそれ用の工具が無い。ならば今あるこれをこうやって使えば簡単に出来ちゃうよというもの。ポイントは「え!そんなもので出来ちゃうの!?」という部分が重要。
 ただね、「え!そんなもので」と言ってる時点でその工具は本来使われる工具ではない。作業が終わればいいがちゃんと出来るか、無事に怪我なく物を壊さずに出来るのか。ネットの記事や動画を作った人に責任をとらすことは不可。
 ネットの人たちはページビュー、再生数稼ぎ、あわよくばバズるのが目的なので、こんなものを使って…の意外性が重要。ちゃんと作業出来るかは二の次三の次。そんなヤツの言ってること鵜呑みにして怪我したくないよね?
 具体的な例がポンポン出なくてアレなんだが今日見たのは平ザルにティファールの取っ手を付けると便利というもの。まあね、それ用に設計されてないから壊れたり外れたりしてヤケドのリスクがあるからやらない方がいいなと考えるのが安全よりの思考。コメントを見るとすごいすごいの大絶賛で私もやろうとか言うヤツばっかり。くだらない、だいたいティファールの取っ手に合うザル持ってるのか?そんなに取っ手が便利なら取っ手付きのザル買えよって。収納が便利って宇宙船並みの空間効率追及してんのかよバカ。
 そんなの別にいいじゃないと思われるかも知れないけどその発想が危険。世界中で起きている大事故はそんなのいいじゃないが原因で起きているのがほとんどなのだ。
 建築現場だと工具の適正使用は常識。日報の危険予知欄に書くことなかったら書く。工具の適正使用が常識だと思ってないヤツがヤバい。職人さんは腕もさることながら持っている工具の豊富さもその人の価値を高める。あいつたいがいの工具いつでも持ってると知られ過ぎてあてにされても鬱陶しいことになるので自分の工具を使いたそうなヤツにはどこでいくらで売ってたかを教えてあげる。これが親切というもの。
 横着すると失敗する。想定してない工具の使い方をすると力をかけたときに思わぬ方向へ逃げて壁や床にぶつけて傷付けてしまい、お前何でこんなことやったんだ?と怒られる。怪我をすることだってある。ちょっとしたものなら何日か黙ってばいいけど一生痕や障害が残るような事態になったら後悔してもしきれない。労災にするとか隠そうとか嫌な思いをする。
 無責任な提案は本当に危険。日食の太陽観察には黒い○○が使えるよ、なんて危険すぎる。失明するって。それ用で売ってる✕✕や△△を使っても危ないくらいなんだから。直接見るのがNG。影を投影する方法があるからそれをみんなで見ればいい。たった一瞬を見たいために一生目が悪い人生になるなんて。
 常識でありえないことをさも素晴らしいアイディアのように言ってくるから怖い。鍵に○○すると開くよ、電子レンジで○○が出来るよ、虫歯のとき○○すると痛くなくなるよ、ダメダメダメ…。
 工具が無くて困ったときネットで検索する。こういうのにyahoo知恵袋はおすすめ。変なアイディアをすすめられることが無い。だいたいその作業すると分かっててなんで工具もってないんだ、情報が少なくて答えられないですね、ネットやってる暇あるならホームセンター行け、などの正論を上から目線でぶつけてこられるから結果として怪我や損傷を回避出来る。ムカツクけど。
 ひどいライフハックはモラル面でもヤバいのがある。最近また捕まった芸能人が生ゴミを全部トイレに流していたと。生活の知恵。
 そのうち駅の改札は飛び越えれば無料でお得、セルフレジは全部通さなければ割安とか、給食費払わなくても給食食えるよとかライフハックで紹介されるかも。
 それでは、手元確認ヨシ!


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