非常識、教習所に行く①
前に書いた「非常識な新人」のビューが相変わらず高い。これはシリーズ化してもいいかもね。植木等の無責任シリーズみたいに非常識シリーズ。新入社員時代よりもっと非常識だった頃に運転免許を取りに自動車学校へ通った話。
当時無職だった私は何の目的も無く暮らしていて誰にも咎められるような事が無かった。きっかけは忘れたが免許無いしなぁみたいな逃げ腰な話を父にしたらじゃあ取ってきなさいとなって次の日には入学手続きしていた。
晴れて入学すると実技の予約を取ることになる。学生やフリーターは予定調整するの大変だろうなと他人事の様に思う。
いい教官が分かっていれば指名するが判断する情報を持っていない。最初はフリーで予約するがフリーで出てくる教官は人気無い人なんだ。全部通して最悪の人に当たった。未だに名前忘れてないよ。
社会人になっても定期的に出会うタイプだが、何をしなさいと言わない。こちらも教本の予備知識でバカなりに動くとダメ出ししだす。普通に言ってくれりゃ分かるんだけどね。お前は間違ってるって言いたいだけかと思う。それで何やってもウダウダ言うからフリーズしてね。交差点の停止線で止まってたらあなた中心に世界回ってるんじゃない、とか言う。なんじゃそりゃ?
ただね、こっちもおかしいんだよ。まず服装がアロハシャツだった。梅雨時なのでクセ毛がくるくるしててパンチパーマが伸びた感じ。そんなやつがヘラヘラしてハンドル握ってる。仕事とは言え嫌だよね一緒にクルマ乗るの。
見た目がアレでも悪いグループに属してるわけではなかった。持ってる服がたまたまチンピラ風なだけで。ハワイ土産でもらってたのを普段着にしてた。
こんな二人が地獄のような時間を過ごした。二度とこいつとは合いたくないから別の教官を指名するようにした。
学科も暇を利用してどんどん受ける。テレビとは雰囲気の違うビデオが楽しい。音楽や芝居が独特でいい。
学科もヘラヘラ受けていると注意される。まっすぐ前を向いて下さいとか言われる。ダメだね。人にものを教わる態度じゃないんだ。
指名した教官は最初のよりいいけどもう一度会いたい程の人は居ない。知らない名前を選んでとっかえひっかえする。ここであることに気付く。
違う教官に同じこと注意されてるぞ!運転のテクニックの事じゃなくて言ったら返事しなさいとかのレベル。
自分がダメ人間なのを把握していなかったが、さすがに言われた事をちゃんとしないと免許取れないかもしれないぞとようやっと思い始める。親にも注意されなくて学校で注意されることも無かった事を自動車学校に来て始めて自覚する。
まともな人ならこうしてるよという正解を教えてくれているので今思えばこんなにありがたい事はない。注意されたらまた言われないように改める。でもアロハシャツは着てたね。他に服無いしアロハシャツ着るなって言う教官は居なかったからね。
順調にハンコをもらい最初の難関があっという間に来た。仮免試験だ。筆記は問題ないとして実技だ。これねある意味路上の最終試験より格段にテクニック要るからね。おそらく日本人が一生の中で一番運転に集中する時間だ。
落ちた。クランクでリアタイヤが縁石に触れた。そのまま乗り越えたところでブレーキ踏まれアウト。これね、縁石触れてもバックしてやり直せばいい。絶対説明されてるけどそのまま行こうとした。ひき逃げする素質があるってことだからね絶対ダメ。
それで受付に行くともう一回仮免試験受けるには補習を受けないとねと言われる。まだ時間あるから今日受けてく?と。じゃあお願いします。
落ちたショックで無防備だったね。補習の教官が一番最初に当たった嫌なヤツだったのだ!
長くなったので続きは次回…