MSX2が性能を発揮するのに時間がかかった

 MSX2が登場したのが1985年。グラフィックがかなり強化されてファミコンに見劣りしなくなった。雑誌で写真をみるぶんには。
 画像が綺麗になった分プログラムで扱うデータは大きくなる。重くなるのにCPUはMSX1と一緒、静止画メインの紙芝居ゲームならいいけどアクションはキツかった。

 イースシリーズなんて画面が綺麗ですごいなって思ってたけど動きがガタガタ。フレームレート?何それ?てなもんだ。多重スクロールがすごいと雑誌に書いてあるけど現物を見たらガクガクの動き。多重スクロール以前にやることあるだろ。

 ヴァリスIIなんかも他機種と遜色ない画像だが動きが粗くてひどい。やっぱりファミコンはアクション得意なんだなと思われてしまう。

 縦のみハードウエアの機能でスクロール出来るようになった。1942は元々地味な画面だからMSX1時代でもそれなりに見えた。
 進化して格段に綺麗な画面が滑らかにスクロールするからいいんだけどいかんせん動きが無いから飽きる。

 スプライト機能が強化されて2枚のキャラを重ねるとドットが重なる部分は3色めが使える。ただこれを使うと限りあるスプライトの枚数を消費してしまうから多くのゲームでは結局単色のショボいスプライトを使ってた。

 ダーウィン4078がMSX2のダメなところを象徴するようなものだった。やっぱりコナミ以外買うとこんなクオリティなんだと思ったね。

 魔界島で画面位置補正のBASICでいうset adjustを使って横スクロールが実現された。これは画期的な発明で雑誌で大々的に紹介された。
 でもこれが使われてるのはアクションシーンではなくて船でマップを単純に移動するときだけ。アクションシーンでは画面切り替えだ。
 画面切り替えもファミコンはなめらかにスクロールして次の場面に行くのにMSX2ではガタガタとぎこちない。おいset adjustどうした話が違うぞ。

 我らがコナミが激突ペナントレース2でset adjustのスクロールを採用した。だが前作はscreen5で綺麗に書き込まれた球場が本作では動かすためにscreen4になってしまい画面がMSX1レベルに落ちた。投球の高低投げ分けがなくなり結局激ペナ1の方が良かったという評価に。

 そしてMSX2+が発売された後の1989年にコナミが傑作スペースマンボウを発売。
 激ペナ2と同じくscreen4とset adjustでの全方向スムーズスクロールの実現。野球場の絵はヘタクソだったがマンボウはそんなことない。MSX1のグラディウスシリーズで綺麗な背景描いてきたコナミだ。

 MSX1のデフォルトのカラーパレット使わないだけでも綺麗に見えるから不思議だ。これはファミコンに勝ってるぜとプレイしまくった。

 後にネットで調べるとフレームレートが15fpsだからヌルヌル感がないとかスムーズスクロールとは謳っているけど実は1ドットスクロールではないらしいとか苦労のあとが見られる資料が。本当かな?

 コナミがMSX1のソフトをずっと作り続けたのは普及台数を考えれば当然だと思うが、コナミをもってしてもMSX2のソフトは作りにくいというのがあったのでは?アクションゲームが最高なコナミだったからね。

 コナミのMSX2ソフトといえば火の鳥、キングコング2、メタルギア、悪魔城ドラキュラ、スナッチャーとか。渋い世界観の地味な作品が多い。夢大陸やグラ2、F1スピのような華やかさが無い。

 エルギーザの封印やクォースみたいなパズルもあったか。あと魂斗羅、ウシャス、ゴエモン…結構あるな。

 グラディウス2、F1スピリットでMSX1の技術力を見せつけたのが1987年。翌年にはもうMSX2+が出る年だ。1988年にコナミ史上最大の駄作F1スピリット3Dスペシャルが出て翌1989年にはスペースマンボウ。すごいな。この時期に沙羅曼陀やゴーファーも出てる。

 このスペースマンボウで確立したスクロールやスプライトの技術がもっと使われて面白いアクションゲームが出なかったのがもったいない。screen4なんてせっかくMSX2なのにMSX1レベルの描画性能誰が使うの?と長年思われてた。

 それで世の中的にはMSXだけじゃないからどんなにコナミがすごい技を出しても時代が流れてる。スペースマンボウ発売の頃がスーパーファミコン登場と同時期。MSXというオーパーツにしがみつくよりかスーファミ買ってグラディウスIIIやろうぜが素直な考え。

 ターボRなんて出た瞬間から時代おくれ感があってこれを更に何年か使いたいとは思わなかった。高い割に中途半端だ。コナミがこの新規格に特化したソフトを出してくれるわけでもない。2+の時の3Dスペシャルという悪しき前例があるから期待出来ない。

 流れをまとまると1985年にMSX1から諸々強化されて登場したMSX2だったが、MSX1向けのROMカセットを挿され遊ばれ続け1988年にMSX2+の登場を横目で見た後に1989年末にスペースマンボウというとんでもないソフトが出て極まったら終了。

 今は歴史をYouTubeで簡単に振り返る事ができる。
 MSXマガジンで読んでたイース、ヴァリス、魔界島…このへんのMSX2版がどんな動きをしていたか、ファミコンなど他機種がどれだけスムーズに動いていたかを見てみよう。
 百年の恋も冷めるとは正にこのこと…。

 
 

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