鉄道模型のススメ②
…続き
お金が無くて新しい機関車が買えないという状況の中、転機がおとずれる。お年玉袋を勉強机に雑に放り込んでいて、使いたい時に引き出していたのだがブルートレイン2両の増備で早々に使いきった。空のお年玉袋は絵柄がかわいいし12年後、24年後に使えるとの思いで机に戻していた。ある日なにげなく見返していたら袋の中になんと5000円札が!当時5000円=電気機関車という発想になっていたのでこれはもう買うしかないなと。
しかしながらいきなり5000円見付けたんで電気機関車買うというのもお金の管理が雑、無計画なのは否めない。
そこで、5000円が見付かった、電気機関車を買おうと思っている、というのを1週間かけて夕飯の場で両親に小出しにして伝えた。別に買ってきたらいいんじゃないのとなった。まあ買ってもらう訳じゃないから。また父と模型店行こうと考えてたら大きいから一人で大丈夫だろ?と。
模型店は大きい街の商店街に有って当時はカツアゲブームで危険だった。ビーバップ世代終わってるはずなのに学生服が不良に見える。5000円は靴下に入れてきたけど歩きにくいし落としそうだ。とりあえず無事に来れた。
久しぶりに着きましたよ夢の国。チューチュートレインがずっと流れてる。ZOOでもEXILEでもないオールディーズのやつね。ということは他のプラモデルも扱ってるけどこの店は鉄道がメインなんだな。
いきなりカウンターには行かず様々な商品の棚を見回す。カタログに載ってたものがいっぱいある。駅やビルのストラクチャーは写真で見るより実物は小さい印象を受ける。これらが車両の横に置いてあるとスケール感が増すんだよなぁ。
さて、カウンターのショーケースに来ましたよ。ここ何ヵ月かずっと欲しかった九州の赤い機関車ED76がそこにある!うちにあるEF66より屋根上がごちゃごちゃしていて精密でリアル。これはまたセーター引っかけないようにしないとな。かれこれ10分くらい眺めていたけどなぜか店員さんはそっとしておいてくれている。じゃあ買うか!
すいません、これください。展示品でなくて棚から同じものを出してくれる。カウンターにレールが敷いてあって走行、ライトのチェックをされる。
早くウチの客車を牽引させたい!支払いを済ますと店員さんが前に客車買ってたねと。憶えられてた!すごいね。
それでEF66を持ってるけど九州の再現をしたかったとかA寝台と食堂車を増結したら編成にバラエティが出て良くなったとか早口でまくしたててた。
すると店員さんが言う、次は銀色のEF81だねと。そう…ブルートレインの本読んでたから知らない訳がない。ブルートレインが関門トンネルを走るときにステンレス製の銀色のEF81-300が牽引する。模型でも売っていて当然欲しい。でも電気機関車なので約5000円するしひとつのブルートレインの機関車3両で15000円かけるコストはいかがなものかと。実物が走る距離の短いEF81は見送ろうと考えてた。
在庫あるよというと店員さんはカウンターのレールに銀色の機関車を乗せて走らせた。うーん、まぶしい。
別に押し売りしてた感じでもなくてね、見せてくれたってだけなんだけど欲しくなるに決まってる。赤い機関車欲しい欲が消えた瞬間だからね!
また来ますと言い店を出た。来たときより寒いのはお金が無いからだね。学生服見ても怖くないのもお金が無いからか。
家に帰ったらまだ夕食の前で、台所のテーブルに買ってきたED76を置いて父に見せた。すごいの買ってきたなとなかなかの反応に間違いなかったと確信する。
③に続く!