我孫子の夜

認識を超えた出来事だったのだが超常現象ではなかった
超常現象とはそういった認識も起こらない事だろう
しかしそれでもないとするとさらに奇妙だと言えそうだった

淡いままに諦めるみさきにてのものがたりを脇に置くとハイオクのようなタールにまみれた煙草に火をつけて少年の顔をした非常に背は高い男は、席を立った

ふたつの事を諦めたひとの様にわりきった勇気を出して犬たちを連れていた彼の両親は、生活とペットの人生訓を、あみだそうとしていた
勇気と同じ結果
勇気に少したりない
こたえあわせによるとそれは正しかった

なにかものたりないように少年グループは麦色のウイスキーに目をやる
ネガティブじゃないのは色だけ
麦色をしていた
疲れたような不完全燃焼の様でもあるどっちつかずの複数個の顔
かっこいい行動を考えて陳腐な結論におちついた少年たち
敢えてこらえたのはニヒルな子だった
無感情は無関心の様に愛の正反対だった
坂を今、くだってゆく.