ノワール試し読み
全て奪われ尽くした廃虚と化したある被災地。
目を異様な程、輝かせて、少年の物色は、始まった。
JKも誘った、それは、相当すれていた。
金品を狙うのは、良心というより効率は、わるい。
辞めた。
それにしても、採算を少年たちは、考えたのは、早熟とは言ってやっても合っている。
驚く程はやく安全を捨てたふたりは、達観した様に破壊自体は理解した。
壊すものを壊さないと、破壊しないと、破壊をしないと、破壊は、なくならない。
憎悪に満ちた苦笑をして、運命をのろった。
もしかしたら、問題は、イニシアチブという物なのかもしれない。
起きる事に対する主導権なのかもしれない。
濃い絆は、ふたりの間には、なかった。
奪い返してやるという程の真情と、無力なら壁を破壊してやるというあきらめと、妥協して数うちゃ友達は、出来る、となにやら思っていた。
「あたらしいものも支配される前に支配してやる」
そんなうすい連帯は、あった。もぬけのからに成った町への物色という物色をくりかえし、困ったら更に攻めた。
カネはもちろん、水に濡れない種類のものは、いくつもいくつもいくつもいくつも見つかった。こう壊れてしまっては、今ある物も、死の存在くらいむなしい。
年頃からして、自然をちょっとは、信用して裏切られた怒りは、激怒を越えていた。
そしてムリも無いか、年なりに自然を擬人化していた。
「復讐してやりたい」と想ったのも、その為かも知れない。
(所有権についてもあまり知らなかった)
おもわぬものを手にいれたとき、墓場荒らしの様なキモチには、成った。
そうして加速していく。
全て死ぬうえに自分も、とはおもえない。
新たな怒りもわいた。
さてつの売却より、あまりにも、かんたんに、高額の収入を手にし、そして商売人の金銭感覚を身に付けた。
爆発もしそうな強烈な誇りを、持っていた為、むなしさを軽蔑すると同時に怒りに変えた。
その行為は、復興と、ともにこの世からは葬られ、15年程の短い期間を経て、ふたりの名は、長者番付に載った。
その頃に台湾に拠点を移動してしまい、日本人離れした経済的成功を手にした。
一生に、一度も、子供らしく、笑わなかった。