#6 英語勉強法④ 長文編
皆さんこんにちは。
今日は受験英語の長文の攻略法について書いていきたいと思います。長文に入る前提条件としては単語(熟語)、文法、英文解釈の基礎が固まっていることですので、まだの方はそちらを先に優先してください。
さて、英語長文とは今まで集めてきた武器を手に、実際に問題に立ち向かう学習フェーズとなります。今までの勉強の集大成ともいえるわけです。
一口に英語長文といっても、その問題形式は様々です。共通テストのように速読して必要な情報を抽出する問題もあれば、国立二次試験のように下線部の内容を説明する問題もあります。
ここで一度確認していただきたいのは、自分の志望校の過去問の出題形式です。
記述力を要するのに選択問題ばかり解いていては一向に力は尽きません。もちろん広範な意味での英語力向上をするのであれば有効な学習であるといえますが、やはりゴールから逆算して自分に何の能力が足りなくてどう伸ばしていけばいいのかを学習の初期段階において認識しておく必要があります。
「自分の志望校の過去問の出題形式を実際に確認したら、今の自分には難しそうだった…」
そうおもった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そのようにしてゴールを認識して自分の現在の立ち位置との差に気づくことは素晴らしいことです。ゴールが明確になれば、自分のこれからの学習にもある程度の方針は立ちますからね。
しかし、どんな形式の問題であれ、その長文の内容や意味を明確にとらえることが必要です。
長文とは言わずもがな、文と文が積み重なってできているものですから、一文を完全に理解すれば、全体の文章としても意味を理解することができます。
慣れるまでは、まずは一文を正確に理解していく、「精読」をしていきましょう。よく英語は多読か精読かという議論もありますが、一文を理解できないものに文章は理解できません。精読の精度を高めると同時に読解速度を向上させていくことにより初めて「多読」の意味が見いだされることでしょう。
自分は速読や多読に意識が行き過ぎて精読の必要性を軽視し、失敗した経験があります(笑)
では、「精読」を行うための学習方法についてみていきます。
[用意するもの」
長文の参考書(自分はポラリス、ハイパートレーニングなどを利用)
[学習ステップ]
①まずは長文を読み、問題を解く。
ここでの問題の正答率は気にしなくて大丈夫です。
②もう一度長文を読み直し、自分が日本語訳して理解できた部分とそうでない部分に分け、理解できない部分に下線を引いておく。
・何の知識が足りずに理解ができないのかを分析(単語がわからないのか?文法がわからないのか? などなど)
・今までの教材をもとに疑問点を解消。解消した場合、長文参考書に、理解を助けた教材のページ数や内容をメモ(知識のリンキング)
③解答の日本語訳を見て自分の解釈があっているのかを確認。あっていなかった場合は解説を読み込む。
④すべての文章が理解できるようになったら、復習として音読を5回程度行う。(五感の刺激は勉強に役立ちます)
・ここで漫然と行ってはいけません。自分が理解できなかったところの単語、文法などを意識して頭の中で英語を英語のまま理解できるように訓練していきます。
このステップを繰り返せば英語を英語のままに理解できるようになるかと思います。音読に関しては私自身は80回程度行っていたため、本文の文章を口ずさめていましたが、皆さんにもそのレベルを目指していただきたいです。
というのも、十数個の英語長文を自分の血肉とする経験はほかの英語長文を読む際にとてつもない威力を発揮するからです。似たような構文、単語、論理展開などが頭の中で自動化され、処理速度に格段の違いが出てくるのです。
勉強は既存の知識を素早く出せるようになる訓練であるともいえます。皆さんは九九の勉強をし始めたばかりのころを覚えていますでしょうか。はじめは6×7はなんだろうか、と少しの間をおいて考えていたことも今では自動的にこたえられるようになっている。不思議だとは思いませんか。これは知識が何十、何百という「想起」のプロセスを通じて脳内ネットワークが強固に確立されているからだといえます。
人間最初は誰でも学んだばかりの知識をすぐに出せるようにはなりません。必ず「これなんだっけ」と考え思い出す「間」が生じます。しかしその「間」をコンマ何秒かに縮めることが可能です。あたかも九九の答えが自動的に出てくるように。この時僕らは思考というプロセスをほとんどまたぎません。半自動的に出てくるからです。このことを「既習概念の半自動化」と呼びたいと思います。
周りの頭のいい人にとてつもなく処理速度が速い人を見たことはありませんか、そうした人はこの既習概念の半自動化を膨大な量の復習で実現している可能性があります。これには「チャンク化」という学習方法がありますが、それについては後ほど記事を挙げたいと思います。
最後は勉強の本質的な話をしました。長文の話についての話は以上になります。以上の勉強法を参考に長文にどんどん挑んでいきましょう。
次はリスニングについて書いていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。