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顔について。

「しょうもないことしてると、しょうもない顔になるで。」

よく母親に言われていたことである。
このしょうもないことというのは、笑いを取りに行ってスベるということではなく、意地悪いことをしたり、他人の迷惑になる行為を指している。

自分からしょうもない顔になりたい人間はまずいないだろう。例に漏れず”不満足な豚”くんも幼少期から周囲に気を配って生きてきた。

その甲斐あってか、大学生の頃から、時折容姿を褒められることがあった。バイト先のパートのおばちゃんや高校生からがほとんどだったので、お世辞もモリモリだろうが、気分は良かった。
母の言うことは、少しは当たっていたのかもしれない。(実際は、高校生までしていた矯正が8割くらいの要因な気がする。歯列矯正が大変という話はまたどこかで。)

ただ、少し問題が残った。
というのも、”不満足な豚”くんは、幼少期は背が小さく、顔もそないだったので、周囲への気配りは笑いを取りにいくことで実践していたのである。悪い空気にならないように、よく三枚目ムーブをかましていた。

するとどうだろう。おそらく容姿と発言内容に齟齬が生じ始めたのだ。
その証拠に、大学以降に出会った人に言われるようになったのが、

「”不満足な豚”くんって、喋るとなんか違うよね。」

という趣旨の言葉である。プラスもマイナスも含んでいそうなこの言葉の真意を探るのは保留にしている。

母よ。しょうもないというのは、笑いのセンスについても含んでいるのではないだろうか。

「四十歳を過ぎたら自分の顔に責任を持つべきだ」

リンカーン大統領の言葉らしいが、初めて聞いた時は驚いた。


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