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ビンタ研究レポートNo.42【進撃のすらいむ③】

【大人女子二人組ビンタ:その壱】

某アミューズメントセンター。

以前、女子高生とヤンキーギャルにビンタを頂いた休憩所。

すらいむ、再び降臨──

フッフッフッ……ドMと罵られようとも構わない。それが一般的な捉え方なのは重々承知している。

それでも、私は研究者であり、追求者だ。

ビンタという、手のひらを頬に打ちつけてもらうだけの、極めてシンプルな動作を、何十年も研究しているんだ。

だからこそ、私は自分自身を誇る!

さて、自己満に陶酔しながら打ち手を待っていると、二人組の女子が休憩所に入ってきた。

一人は茶髪のセミロング、背が高く、骨太な体型。もう一人は黒髪ロング、背は低めで華奢な体型。

二人共、大人な雰囲気を醸し出していい感じだ。

大人女子二人は、UFOキャッチャーを楽しんできたらしく。ゲットした景品の品評会を始めた。

その様子を暫し傍観しつつ、BCのタイミングを図る。

そして、彼女達が品評会を終えた時、私は動いた──

「すみません、ちょっとよろしいですか?」

「はい?」

交渉開始。いつもの調子で饒舌に内容を説明すると、「えー、面白そう」と、二人共興味津々。

ノリよし!

交渉の結果、二人共ビンタを承諾してくれた。

これは大いなるビンタ権を獲得した。

ずっと、体験してみたかった『夢のビンタ』を頼める、またとないチャンスだ。

まずは長身女子からビンタを頂く。

ビンタのレクチャーを終え、いざ実践!

パシッ!

ピシッ!

「どうですか?」

う~ん……イマイチ。かなり躊躇している。

私は躊躇ビンタの流れを変えるため、高身長女子に「5発ぐらい連続でお願いできますか?」と、連発ビンタを注文した。

クリティカルビンタを得るにはこれが一番だ。

高身長女子は連発ビンタを開始。

パシッ!

パン!

パン!

パァン!

パァン!

ほらね、段々良い音になってきた。

よし、馴れてきたこのタイミングがクリティカルの大チャンス!

「じゃあ最後に思いっきりのヤツ、お願いします」

「はい!」

バチィン!

重き一発が左頬に炸裂!

「ありがとうございました! じゃあ、次いいっすか?」

「はい」

続いて華奢女子のビンタ。     

パチン!

パチン!

パチィン

軽めだが良い音を奏でる華奢女子。

しかし、これはどちらと言えば『指打ち』に近い。

「もっとこう、手のひらで、パぁーンって抜けてもらえますか?」

パン!

修正を促すと、華奢女子の手のひらは左頬をミート出来るようになってきた。

パン!

「もっとですか?」

「はい、全然大丈夫です」

ビチ!

お、段々強打になってきた。

華奢女子のビンタは、高身長女子と比べるとパワー不足は否めない。
しかし、高身長女子よりも硬質な手のひらなので、打たれ心地は負けていない。

すると、ここで高身長女子が会心のグッドフレーズを言い放つ──

「もっと心を込めてやらなきゃ!」

ナイス煽り!

パァン!

その煽りを受けて華奢女子のビンタはパワーが増した。

パァン!

まだまだ。

パン! 

まだまだ。

バチィン! 

よし、これぐらいが限界か。

華奢女子のビンタは、私が求めるビンタの基準に達してはいない(何を偉そうに)。

不器用でも、ちゃんと頬っぺたを張らなきゃ!という、その気持ちが大切なのだ(お前何様だ?)。 

二人からビンタを頂きこれで実践終了……否。否、否否ぁあああ!

まだだ。

まだ終わっていない。いいや!

まだ始まっていない。

これは二人をビンタに馴らすウォームアップに過ぎない。

真の目的、『夢のビンタ』は、ここからなのだ。 

続く。

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