マロン日記#31【それでも彼女は、頬を張る】ビンタ動画資料26発☆有料☆
12月中旬、アパレル倉庫の作業がなくなった。
三ヶ月の短期バイトだったが、想定以上に作業がスムーズに行われたらしく、半月早く打ち切りとなったのだ。
もう、マロンさんとアパレル倉庫で一緒に働くことはない。しかし──
「おはよ」
「おは~」
私達はとある食品倉庫に居た。
「打ち切り厳しいね~」
「そうっすね、でもとりあえず年末までの繋ぎが見つかって良かったっすね」
アパレル倉庫打ち切りの報告を受けてから、私とマロンさんは連絡を取り合い(公衆電話とか諸々)、二人で行ける単発バイトへ応募していた。
その結果、残り二週間週末のバイトをゲットしたのだった。
食品倉庫はアパレル倉庫からほど近い位置にあった。
なので、聖地コンビニ裏にて待ち合わせをして、マロンさんの車で一緒に食品倉庫へ行くことになった。
「他のバイト連中、僕らのことカップルか夫婦だと思いますよね」
「だろうね。でもそう思われた方が、男避けになるし気楽。あたし結構モテるからさ」
マロンさんは自信に満ちた表情で語ると、ブラックコーヒーを一口飲んだ。
「ちょっと僕、一服してきます」
「あーい」
車外に出た私は、喫煙場所にて朝のウマウマタイムに興じた。
どんな状況でも物怖じしないマロンさんはやっぱりカッコいい。そして、優しい。
先週、平手打ちの宴を終えてラ○ホを出た後も、マロンさんは車内で暫く熱が引かないホペタを撫でてくれた。
とても気持ち良かったし、恒例の『別れ際ビンタ』も軽く張ってくれた。
500発……全力のビンタをあの子から貰ったんだ。
そして今、また一緒に働ける。また、ビンタを張って貰える。
ビンタに彩られたあの一日によって、私は心底、彼女に魅了された。
恋愛感情でもなく、友情でもなく、主従関係的なものでもない、不思議な感情が私の中に芽生えていた。
昼休憩──
簡単なピッキング作業を終えて聖地コンビニへ。
昼食を摂って、車内にてサブスクビンタ開始。
「じゃあ、お願いします」
「あんなにもビンタ張られたのに、まだ張られたいんだね。どんだけビンタ好きなのよ?」
「マロンさんのビンタは特別ですよ」
そう告げると、マロンは右の手のひらをジ~ッと見つめた。
「つまり、すらいむさんは、あたしが好きなんじゃなくて、あたしの手……手のひらが好きなんだね」
「そうっすね」
「ふーん……変な奴。ま、その方が気楽だし、それでいい。すらいむさんは、それがいいよ」
マロンさんは、カメラ位置を確認して、
「……よし、はいOK」
「じゃあ、一発ずつお願いします」
「右左?」
「右……」
「右だけ?」
「はい」
すりすり……パン!すりすり……パァン!すりすり……パン!
一週間ぶりのマロンビンタが炸裂。
瞬く間にドーパミンが脳内を駆け巡った。しかし──
「……う~ん、この間とは重さが違うっすね」
「そう?」
すりすり……パン!
「コレ、結構強めですか? 」
「……う~ん」
マロンさんは、考えながら更にパン!と、一発。
「どうだろう……」
すりすり……パンッ!
私は今回のビンタを吟味しつつ「う~ん……」と唸った。
やはり、座っているとマロンビンタの威力は半減するみたいだ。でも、これぐらいの強さが丁度いいかも。
適度な刺激、爽快感はラ○ホで受けた超強烈ビンタよりも心地が良い。
シーンによってビンタの強さを調整した方が旨味を楽しめる。
ビンタが数発続く間に、カーオーディオからGLAYの曲が流れ始めた。
TERUのボーカルを聴きながらのビンタはテンションが上がる。
その時ふと、二人同時に車の後方を注視した。その状態にマロンさんは、「ふふっ」と笑う。
「ん? 誰か居る?」
「居ない」
やはり、車内だと人の気配が気になる。この間の環境が良すぎたか。それに──
すりすり……パン!すりすり……パン!すりすり……パァン!
「やっぱ、立ってないから威力は半減ですね」
「……ふんっ!」
すりすり……パァン!
「全然、効かないっすよ? あははっ」
そう煽ると、マロンさんは少し視線を外して──
すりすり……パァン!すりすり……パァン!すりすり……パァン!
無言でビンタを数発。気持ち強めにはなった……かな?
「ストップで~す」
マロンさんに合図を告げ、一旦デジカメを停めた。
適度な刺激のビンタは確かに気持ちいい。
でも、やっぱりこの間の超強烈ビンタがシナプスにメモリーされている以上、もう少し威力は欲しいな。
よし……もう少しマロンさんを煽るか。
続く。
【マロンビンタ資料動画】
1ファイル 26発(右)
打ち手の姿 : アリ
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