マロン日記特別編【不意打ちビンタ】ビンタ資料動画14発☆1ファイル☆
マロンさんは身を乗り出してデジカメの映りを確認する。
「めっちゃ綺麗だよ」
「大丈夫です」
「それで?」
「で、こう避けるじゃないですか、こうやって──」
私はマロンさんにビンタを張られた体(てい)で、顔を背けて避けて見せた。
「……ふんふん」
「その時にグイって(顔を)やられるじゃないですか。だから、パンってやられて避けるから、グイってやって、またパンって繰り返してほしいんだって」
「ふ~ん……」
「うん、だからそれが──」
パンッ!
マロンさんは急に私のホペタを張った。
「あははは!」
「ちょ、ちょっと! 今のはナニ?」
「ふふっ、なにが?」
マロンさんはニヤケ顔で私を見ている。
「え~!」
と──
驚きつつも、内心は踊り狂いたいぐらい滅茶苦茶嬉しい。
何故ならば、マロンさんは頼んでもいないのにビンタを張ってくれたからだ。
不意打ちビンタ──
自らの意思とは無関係に張られる受動的なこのビンタは、全BMの浪漫であり、全BMが切望する、正に理想的なビンタなのだ。
「いいから早くして」
「……はい、ん、ん?」
不意打ちビンタの余韻に浸る間も無くビンタレシピの確認……我、幸せなり。
「右だけ?」
「右でパンってやるじゃん。で、避けるから──」
「だから避けてそれを戻してパンって? ってことは右だけだよね」
「はい」
「は~い」
パンッ!
「で?」
マロンさんは私の顔をグイっと持ち上げて、
パンッ!
「え? どういうこと?」
パンッ!
何だか私との呼吸が合わない。
「えっと、何ていうか──」
「タイミングが分かんない」
「だから、パンってやるじゃん。で、パンってやったら」
「次のパンで避けるの? 違うの?」
「パンってやるじゃん、パンってやったら左でグイって戻してパン……みたいな」
「ふ~ん」
「はい」
「ちゃんと避けてね」
「うん」
「じゃあ、いきます」
パンッ! グイッ! パンッ! グイッ! パンッ! グイッ! パンッ! グイッ!
「ストップです。今のでいいかな、多分」
こうしてコンビネーションビンタは生まれた──
続く
【マロンビンタ資料動画】
1ファイル14発
打ち手の姿 : アリ
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