
不安の正体
無事、卒業論文が受理された。
4年次最大の関門は何とか突破することができたことは、本当に嬉しかった。
卒論が終わり、いよいよ卒業が近づいていると実感せざるえない。
先週は、卒業式以外では最後になるであろう学科の飲み会が開催された。
今日は、卒業してから住む物件の内見に行ってきた。
来週は、卒業旅行が控えている。
1カ月前までは考えられないほど、濃密な毎日を過ごしている。
私も友人も、人生最後のモラトリアムを必死になって過ごそうとしているような気がする。
しかし私は、この人生最後のモラトリアムを心から楽しめていない。
卒業が確定していないことが原因である。
怠惰すぎる私の大学生活が原因であることは間違いない。
タイだが故に単位を落としまくり、追試を受けることになってしまった。
私の就職先は東京である。
2月までに住む場所を決めていないと、希望通りの場所に住めない可能性がある。正直、東京への引っ越しをなめていた。
3月の入社までに、必要書類を揃えなければならない。
4月の入社日には、卒業証書と成績証明書が必要らしい。
今は就職に向けて準備を進めている。
だが就職できるかは直前までわからない。
周囲は卒業が確定し就職に向けて、期待と不安で胸をいっぱいにしている。
対して私は、卒業が確定していないのに、就職に向けて準備をしている。
素直に喜んで新天地に飛び立つことができない。
大学に残留か東京に飛び立つか、現状宙ぶらりんの状態が私の今の不安の原因になっているのだろう。