キミは幽霊失格
アプリで知り合った男性がいた。
メッセージや電話でやり取りをしていて、ある日夜にドライブに連れてってもらうことになった。
初対面だけど、なんだか落ち着く人だった。
彼の車の中で流れていたのがクリープハイプだった。
ただお話ししながら夜の街を走らせるだけのドライブがとっても楽しく、時間はあっという間に過ぎてお別れをした。
その日初めて聞いた"キケンナアソビ"、歌詞とか内容とかは全く知らなかったけどイントロがすごく印象的でプレイリストに入れた。
彼と遊ぶ度にワタシのプレイリストにはクリープハイプの曲が増えていった。
彼が好きだと言っていた曲はワタシも好きになったし、どんどんクリープハイプ自体も好きになっていった。
お散歩してるときは2人で一緒に歌ったり、新曲がでたら車で何回もリピートさせて一生懸命覚えたり、クリープハイプの曲には彼との思い出がたくさんつまっている。
そんな彼が突然亡くなった。
現実を受け止められなかったし受け止めたくなかった。
でも一生返ってこない連絡が、既読のつかないメッセージが嫌でも現実を突きつけてくる。
目の前が真っ暗になり無気力な状態で一日中布団の中で過ごす日々が続いた。
何度彼の後を追おうかと考えた。
楽な死に方をたくさん検索した。
首吊り、飛び降り、人身事故、、、
団地の手すりに足をかけ、身を乗り出し飛び降りようとする。
地面を見下ろす。
飛び降りは飛び降りている最中に気絶してしまうケースが殆どだから苦しまずに死ねる。
でもふと、家族のことが頭をよぎる。
ワタシが死んだら今度は家族が辛い思いをする、もしかしたらそのショックで、今度は家族が、、、
そんなのは嫌だ。家族にこんな苦しい思いはして欲しくない。
家に帰って泣きながらクリープハイプ聴いて彼との思い出に浸る。
彼の好きだった"四季"
きっと彼も年中無休で生きてたから疲れてどっかへ行ってしまったのかな、
家族に、友達に支えられて取り戻した日常。
通勤の時に聴く"幽霊失格"
彼が化けて怖がらせてくることも後ろをついてくることもないけど、
些細な思い出もたくさん詰まった彼と歩いた道や行ったお店、布団に入って横を向けば彼がいて腕の中で寝た夜を思い出すし、
そんなことばっか思い出させてばかりの彼は幽霊失格だと思う。
彼はクリープハイプのライブに一回は行ってみたいと言っていた。
尾崎さんが、
'生まれ変わってもクリープハイプになりたい'
と言ってくれたように、
ワタシも生まれ変わってもまたワタシになってまた彼と出逢って今度は2人でクリープハイプのライブに行きたいな。
彼が大好きだった、ワタシに生きる希望を見せてくれたクリープハイプを死ぬまで一生愛します。
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