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風とともに、土煙へ消えゆく
中国農村生活で一番貧しい人々の生活を忠実に再現した映画作品で、
制作完成の当初は国内で物議を呼び、上映が危うく禁じられるところでした。
しかし、2022年7月に上映してから60日間で興行収入が1億元(約20億円)に達し、ベルリン国際映画祭とエディンバラ国際映画祭にも上映しました。
それは『土煙へ消えさる』です。
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段ボールと電球を使ってひよこを孵化する箱
この作品は、中国農村で、非常に貧しくて社会的地位が極めて低い二人が出会って、お互いに支え合う結婚生活と現実的な畑仕事の風景を描き、溢れ出る癒しと、抑えられない悲しみを兼ね合うものです。
最初から最後までのセリフはとても少ないわりに、農村できれいな風景と、二人が黙々と農作業に励んだ姿のシーンが多かった。その表現の仕方にによって、まるで自らその場に臨んで、そのシーンに入り込んだようになりました。
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あらすじ
兄弟同士が結婚できていない限り一緒に住まなければならないため、40歳でも結婚できていなくて兄に嫌われた有鉄は、同じく結婚できていない貴英が両者の家族の紹介で結婚した。有鉄は貧困のゆえ、貴英は小さい頃から家族の虐待で体に障害が残したゆえにずっと結婚できなかったのです。つまり、村で見捨ててられた弱者の二人でした。
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無理やりに結婚されたとしても、有鉄は貴英に優しかった。貴英は病気の体での重い仕事もできなければ、妊娠もできなかった。それにしても有鉄は貴英を大事にし、隣人の前で足の不自由な貴英を抱いてキャリッジに載せたり、彼女に毎日ご飯を作ってあげたり、僅かなお金でも振り絞っていい服を買ってあげたりしました。一番印象に残ったのは、二人の間でよくある遊びとして、有鉄は貴英の手に小麦の粒を押して花の印を付けて、
「こうしたら、迷子になっても俺があんたを見つけられるね」
と言ったシーンでした。
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こうして夫婦となって家を作った二人は、畑に小麦やトウモロコシを播いて、隣人から借りた卵からひよこを孵化して、稼いだわずかなお金で豚を飼いました。また、住宅が古くてもう住めないと、有鉄は土を使ってレンガを手で一つ一つ作り、貴英と唯一のロバの助けで新しい部屋を一から築き上げた。とても想像できない苦労な日々が続いたが、二人の生活がよい方向へ向かっているようでした。
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しかし、運命は二人に残酷でした。HR型血液を持つ有鉄は、その善良さがお金持ちに利用されて何回も献血したが、報酬を一切もらえなかった。また、国の低収入層援助政策で、不動産を本来の5%の価格で買える権利も兄に利用されました。それどころか、病気になった妻の貴英は畑で作業している有鉄に晩ご飯を送っていく途中でうっかりと川にこぼれて、静かに死んだ。
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有鉄は貴英の死で絶望になりました。貴英が生前に草で編んだロバをずっと眺めていました。それが有鉄の最後のシーンでした。
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映画の最後、有鉄の行方について、シーンが暗黙に示したものと人物のセリフが矛盾しています。それがわざとしたものです。そうしないと、この映画は事前審議さえ通れなくて、上映することができません。
また、こうした矛盾がなければ、この作品は悲しみ過ぎます。
作品の魅力
映画全体ではシーンが淡々と続くが、人を吸い込むような感情移入の効果があります。そして、映画を見終わて何日経っても、胸に染みたその悲しみがなかなか消えません。
非常に貧しくて、日用品の80%まで手作りしなければならなくても、二人は些細なことから喜びと幸せを感じられます。そして、お互いに愛情がある二人の間に、どれだけ窮屈な生活の中でも甘みがあります。幸せを得ようと、日々頑張っている二人の姿に感動しました。何倍も豊かな生活を送っているが自分を恥ずかしく思います。
また、もし周りの人が有鉄と貴英にもっと助けの手を差し伸べたら、二人の結局はこんなに悲しくならないんじゃないかなと、深く思いました。