アニマルカードゲーム/コントロールにおける妨害について考えてみる
アニマルカードゲームのコントロールにどんな妨害が、どういう理由で、何枚入るのかを考えてみました。
以下の大会前の考察から大会を通じての結果、公開されたデッキリストから採用する妨害を検証したいと思い記事にしています。
検討結果サマリ
妨害の採用枚数は10~12
枚数はドローカードの採用枚数と相関関係
環境不適正は脳死で4枚採用
序盤を凌ぐための妨害として、氷の反射、イルカミネーション、霧の消失から必要枚数を選定
さらに中盤を凌ぐための妨害として、海蝕腐食、ペンギンフォース、イルカミネーションを追加
メタゲーム次第で海蝕腐食、ペンギンフォース、イルカミネーションを更に追加
妨害のおさらい
改めて各妨害の効果と特徴を表にしてみました。
大会の上位デッキを見てみる
公式アカウントにてデッキリストが公開されているので、そちらを参考にしたいと思います。
各デッキ及び自分の妨害の採用状況はこちら。あわせて1コスト以下で打てる低コストドローカードの枚数を計算しています。
何を打ち消すのか
コントロールの基本的な勝ち筋は以下になります。
(早いデッキに対して)時間を稼いで序盤をしのぐ
ドローや全体除去などでアドバンテージを稼ぐ
勝ち手段を展開、妨害で守り切る
この戦略を進める上で障壁となるものを妨害するのが主な役割になります。
相手の勝ち手段や、こちらの鉄檻を排除するカードなどは妨害していくべきですが、あえて妨害しないカードもあるので少し考察してみました。
動物
基本、動物は妨害で除去するよりも鉄檻で足止めし、淘汰で一掃したり冬で足止めしたほうが効率が良いため妨害することはないかと思います。
その上で妨害するのは例えば以下のような状況なのかと。
・鉄檻を排除できる今生の獅子、獅子王、夜の使者
・今生の獅子持ってこれる状態での金獅子
・ライフが少ない、淘汰がない状況での狐火
・クロックパーミのメインアタッカーの鷲
・次殴れば勝てる状態で相手が出してきたブロッカー
バーンの本体火力
平均1枚3点を削られるとして、対策せずに7枚分通されたらアウト。
そのうえで、4点以上の火力は2~3点ダメージ2枚分と考え妨害、3点以下は残存ライフと相手の手札次第。
ライフが6以上あれば安全圏なので本体でうけ、さらに打ち消しが数枚ある、相手の手札が0枚、貯め瓶で回復できる見込みがあるなどの状態であれば4までは削られても問題ないかと思っています。ライフも貴重なリソース。
ただ相手ターンでイルカで打ち消せる場面であれば3点以下火力も打ち消していいます。
特技の火力はこちらのターンの終わりに打ち込まれるでしょうから、イルカでは止められない場合があるので特に中盤は打ち消しに言ってもよいかと。
氷の反射は相手がバーンだと腐ってしまいますが、火力平均3点と考えば損しない確率が若干高い4-5点火力に打ち込むとよいかと。
ドローソース
打ち消すべきなのかよく判断に悩むカード。
コントロール同士の戦いだとアドバンテージの奪い合いなので、数枚ドローされるカードは基本通したくありません。
ただお互いの手札枚数、こちらが妨害何枚持っているか、より通されたくないカードがないかなど判断条件が多いです。
枚数が増えない知恵やサーチなどのカードも状況次第。
例えば鷲で殴っている状態で設計図打たれた時。
持ってこられた鉄檻を妨害した方がその後鉄檻を引かれる確率が低くなりますし、コストも余計に使うので通します。
ただ、もし冬への備えで有益なカードをデッキ下に戻した後だと、シャッフルされてしまうので妨害するかもなと。
他にも以下のような妨害の打ち合い中。
・妨害したいカードが3コスト以上
・こちらの妨害に対して相手がドロー
・自分の手札にあるのがイルカ
この場合、相手が引いたのがイルカで打たれるような状況であれば、先にドロソをイルカで妨害しておかないと止められなくなってしまいます。
妨害の種類再確認
環境不適正
全員が4枚採用の1コストで確定妨害。
4ターン目までは1枚手札を捨てる必要があるものの、4ターン目までに妨害したいカードということは致命的なカードなのでアド損してでも打ち消しで問題ない事が多い。
イルカミネーション
全員2-3枚数採用。
相手ターンであれば、0~1コストで打てる機会が多くなるカード。
相手ターンには有能ですが、自分のターンには3コストの対象限定妨害となるので採用枚数は難しい所。
氷の反射
私以外全員1-2枚数採用の中、私は3枚採用。
環境不適正同様対象を選ばない万能妨害である反面、妨害されたカードのコントローラーが1枚カードを引いてしまうため気軽には打てないカード。
序盤の鉄檻を取り除かれる、2枚以上のアドバンテージを稼がれる場合など対象を考えて使う必要あり。
海食腐食
全員1-2枚数採用。
コスト2から序盤に打てない事が大きなデメリットか。
反面後半はデメリット無しで殆どのカードを妨害できるので、妨害の必要総に応じていれる形がよいか。
ペンギンフォース
自分以外は1枚採用。
動物が妨害できないことは上記の通りさほど問題ではないと思います。
問題は水生2無1という領土条件から安定して打てるのが4~5ターン目以降である点、領土が全ムーブになるので自ターンに打ちたくないという点。
そのうえでペンギンフォースだからこそ強い点は、コントロール同士の妨害の打ち合いの時だと思います。
大会にどれだけコントロールがいるかで採用検討入るのかなと。
霧の消失
2名が1枚採用、他は0枚。
おそらくレオストなど3ターンキルが一定数いると判断し、序盤に打てるカードの水増しのために採用されたのか。
前の記事にも書いた通り、仮想で打ち消したいものが明確にあるかどうか。
緑:妖狐の巻物、鷲の卵
赤:猟犬、熱風、貰い火
白:獅子の時代、ライオンの嵐
夜:夜の使者
個人的にはレオスト相手にはレオスト自体よりも鉄檻ひっくり返されないほうが大事だと思っており、今生の獅子をサーチしてこれる手段を妨害できるカードの方を入れたいと考えています。
せめて追加効果、例えば妨害したカードを取り除くなどあれば蔵馬ループ相手に使う道もあったんですが……
悪意の波
全員不採用。
入るところが想像できない。何故なのか少しだけ考えてみた。
・動物カードがコストカーブに沿ってプレイされない
MTG用語で「マナカーブ」という考え方があります。
1ターン目に1コスト、2ターン目に2コスト、3ターン目に3コスト……
と使えるコストに応じて強いカードを出せるように構築する考え方です。
これに沿って3ターン目に3コストの動物が出てくるような環境であれば、悪意の波で妨害することで有益な時間稼ぎにもなり得たのかも。
ただ、大会などでよく使われてるカードを見てみると
2コスト:冬将軍、戦傷の勇者、戦列の鷲、スプリントチーター
3コスト:見送る若獅子
すべて、領土条件>コストか、コスト削減されるせいでプレイ時にコストを使い切っていない事が殆どという……
・動物を妨害するメリットが薄い
動物打ち消しのところに書いた通り、動物は鉄檻で時間稼いでまとめて処理したほうが楽なんですよね。
非存在カードに打てたらまだ生きる道はあったんでしょうけど……
妨害の採用枚数
序盤を凌ぐための妨害
安定して3ターンキルされるリスクがあるため、序盤に出した鉄檻などを守るよう1コストで妨害を打てる状態にすることが重要です。
該当するカードは環境不適正と氷の反射。
限定条件下において相手ターンのプレイ2枚目以降に限りイルカミネーション、0コストに限り霧の消失。
序盤に最低1枚引くためには何枚あればいいか計算してみました。
後手2ターン目に該当の妨害を80%以上の確率で引くには6枚、90%以上にするためには9枚必要です。
ただし、これはドローソースを考えない場合です。1ターン目にドローカードを打てれば確率も上がります。
例えば猿知恵4枚採用すれば、猿知恵を1ターン目に打てる確率は60.65%です。同系統カード採用し8枚体制にすれば86.32%。これを加味すると2ターン目以降に妨害を引く確率は以下のとおりになります。
ドロソ8枚、妨害7枚があれば後手2ターン目に91.63%の確率で妨害を構えられます。
後はイルカ、霧はそれぞれ限定条件がつくためこれを1枚と換算するかどうかが悩ましい所。0.5枚換算あたりにしておくと良いのか。
中盤を守り抜くための妨害
中盤は淘汰などで体制を整えつつアドバンテージを稼ぐフェーズ。
ここまでくると海蝕腐食とペンギンフォースも戦力として期待できます。
4−5ターン目にかけて2枚目以降の妨害を引ける確率も出してみました。
こちらも1ターン目にドローソースを打てる確率を考慮してみました。
後半を競り合うための妨害
後半の妨害の主な目的は自分の価値手段を守ること、同じコントロールなどの長期戦デッキとドローやお互いの勝ち手段の攻防となります。
特にコントロール同士の戦いでは相手の妨害枚数を上回るのが大事になるので、メタゲーム次第で枚数を増やすとよいのかと。
ただ後半であれば浮いたコストでドローソースが打てるため、あまり妨害を詰むよりもドローソースを摘んだほうが良いかと思います。
妨害の採用枚数を検討してみた
前回デッキをベースに、妨害を採用枚数を改めて検討してみました。
環境不適正は4枚
序盤から終盤まで幅広く活躍する環境不適正は脳死で4枚採用。
低コストドローソースは何枚か
大会では亀知恵4枚だけでしたが、手札に不要カードを抱えるシーンが多かったため猿知恵4枚を追加した8枚採用に変更すると仮定。
序盤を凌ぐための妨害から考える
後手2ターン目に91%の確率で引ける7枚で検討
環境不適正4枚
氷の反射2枚
イルカミネーション2枚(*0.5想定)
中盤を凌ぐための妨害を追加してみる
後手4ターン目に90.82%の確率で引ける10枚で検討
環境不適正4枚
氷の反射2枚
イルカミネーション2枚
海蝕腐食1枚
ペンギンフォース1枚
想定よりも冬使いが多いため、メインからペンギンフォースを1枚採用。
後はメタゲームを考えつつ、ドローソース含め枚数調整
上記10枚をベースに、ドローソースを増やすのか、妨害を増やすのかを調整していきます。
ペンギンフォースだと対コントロールによりすぎる為、増やす場合はイルカミネーションか海蝕腐食のどちらかになると想定。
サイドボードはどうするか
コントロール相手にペンギンフォースを1枚。
後はイルカミネーションと海蝕腐食もいれるかは他のサイドボードとの兼ね合いで今後検討
(おまけ)イルカミネーションと海蝕腐食はどちらを採用するべき?
2~3枚採用されているイルカと1~2枚採用されている海蝕腐食。
主な違いを比較してみました。
妨害できないカードはどれか
イルカで妨害できず、海蝕腐食で妨害できるカードはコスト3~4のカードになります。
この中で採用されていて妨害したいカードは、イルカ、今生の獅子、淘汰、デッキ次第で冬。
これらを打ち消せるのは海蝕腐食の大きなアドバンテージです。
一方、赤や緑のビート系のカードが全くない為、それらデッキに対しては差は出ません。
強いタイミングはいつか
序盤2~3ターン目までに鉄檻出して2コスト構えるのが難しいため、序盤に打つのであればイルカとなるかと思います。
中盤以降、特に自分のターンに出すキーカードを守るためや、自分のターン終了時の特技に対して打つのであれば2コストで打てる海蝕腐食が有利です。
相手ターンについては1枚目であればどちらも同等、2枚目以降はイルカ有利となります。
イルカは2枚目以降コストが3増えるデメリットがありますが、打ち消し後に効果が発動するため、タイミングさえ注意すればあまり気になることはないです。
結局どちらを採用すべきか
結局は役割が違うため、両方採用しましょう。
序盤から終盤まで幅広く活躍するイルカを厚めに、中盤以降の信頼度が高い海蝕腐食を数枚という全員が取っている方針に落ち着くのかと。
最後に
振り返ってみると、氷の反射3枚はやりすぎだったなと反省しました。
あと前回以下記事を書きおえて割とすぐこの記事を書き始めたのですが、仕事がべらぼうに忙しくなり中々進まずに10日もかかってしまいました。
その間11月4日の大会結果が公開されており、優勝デッキの冬コンのリストも公開されています。
妨害11枚、低コストドロー7枚と概ね検討の内容には合致していますが、特徴なのはイルカミネーション4枚ですね。
こちらは四つ子を勝ち手段にするためだと思いますが、それだけ冬が多いと踏んだのでしょうか。
一度試してみたい構成です。
こういう形で振り返りと再検討の記事を書き溜めていこうは思っているのですが、次何を書くか悩み中。
ドローソースについて書くか、鷲について書くか、巻物鉄檻貯め瓶設計図セットについて書くか……
気が向いたら次の記事を上げるので、また読んでいただければ幸いです。
もし読んだ感想や要望などありましたら、コメントなり以下Xなりに頂けると励みになりますのでお気軽にいただければと。
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