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アメリカ合衆国大統領選挙で見る暗号資産関連の動き

はじめに

Project LUCKと書く人

Project LUCKメンバーの松永です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。

今回のテーマ

きたる<2024年11月5日>は、4年に1度の【アメリカ合衆国大統領選挙投票日】となります。このイベントは、アメリカだけでなく世界が大注目しており、これからの世界の情勢が大きく変化する運命の日とも言えます。それは暗号資産を取り巻く環境も例に漏れず、業界の対応や動向が大きく影響を受けるでしょう。そこで今回の記事では、アメリカ合衆国大統領選挙に焦点を当て、その影響と行く末を推論していこうと思います!

(※)この記事は、アメリカ合衆国大統領選挙当日前後にまたがり記事を執筆しています。

目次


各大統領候補の暗号資産に関する考えと立ち位置

まずここでは、それぞれの大統領候補が暗号資産およびそれを取り巻く環境に対し、どのような考えをもち、政策を考えているのか見てみましょう。

共和党:トランプ大統領候補

共和党のドナルド・トランプ大統領候補は、一言でいえば『暗号資産積極支持』と言え、政策や人事の面において暗号資産を取り巻く環境を重視するスタンスをとっており、かつ具体的な目標も掲げています。

元々トランプ大統領候補は1期目の任期中、「暗号資産は詐欺のようだ」と発言し、反仮想通貨派として認識されていました。ですが実際は、自身のトレーディングカードをシリーズものとしてNFTでの販売をするなど(完売で6億円超の売り上げがあった)、当時から完全に否定的な立場であったとは言い難いです。積極支持が明確になったのは、<2024年5月>【マー・ア・ラゴ】(※1)で開催された、後援者やNFT購入者が参加したイベントではないでしょうか。このイベントの際にトランプ大統領候補は、「仮想通貨が好きなら自分に投票するべきだ」、「民主党は仮想通貨やNFTに反対している」と発言し、自身が親仮想通貨派であることをアピールしていました。

※1 アメリカ合衆国フロリダ州パームビーチにあるアメリカ合衆国国定歴史建造物で、第45代アメリカ合衆国大統領であるドナルド・トランプの別荘

また、<同年7月末>にテネシー州ナッシュビルで行われた世界最大級のビットコイン関連イベント【Bitcoin 2024】に登壇した際、米国政府が所有するビットコイン(BTC発行量のうち1%:<およそ21万BTC>)を保持し続け、さらにそれらを戦略的準備金と位置づけ売却は行わないと宣言し、米国を世界の仮想通貨大国にすると述べました。加えて、その際に大統領として再選された暁には米証券取引委員会(SEC)の委員長を解任し、仮想通貨に好意的な人物を選ぶといった発言を行っていました。

加えて、Defiプロトコルを活用し、トランプファミリーにて運営を行う金融プロジェクト【ワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)】を企画し、KYC verification(本人確認手続き)が完了した人にサービスの提供を始めるなど、暗号資産そのものだけでなく、それらを取り巻く業界でも活動を始めました。

民主党:ハリス大統領候補

一方、民主党のカマラ・ハリス大統領候補は、暗号資産に対して現状ハッキリとした立場を表明していません。

ハリス氏は、ニューヨークでの資金調達ディナーで初めて暗号資産(仮想通貨)に言及し、「オポチュニティ・エコノミー(成長機会の提供を重視する経済)を構築するために、(中略)アメリカの競争力に投資し、アメリカの未来に投資する」との発言がありました。また、最近ではハリス氏が暗号資産の規制枠組みを支持すると表明、それがバイデン政権より否定的ではないと市場では受け止められ、10月14日にビットコインレートは一時最大5.6%もの上昇を見せました。

ここまで見るとハリス氏もトランプ氏同様、暗号資産業界へは良い眼差しを向けているように思えますが、そもそもハリス氏の本分野に対する発言は最近になってやっと見られるようになり、それは単純に選挙運動の一環であるとの見方もできます。加えて、もし仮にハリス氏が大統領となった場合、暗号資産に対し厳しい見方をするゲイリー・ゲンスラーSEC委員長を留任するなど、業界にとっては逆風となる可能性があります。

このように、トランプ大統領候補とは違い顕著な動向は見られなかったハリス大統領候補ですが、ビットコインやイーサリアムといった比較的規模感が大きく、安定性を持つ銘柄については支持を表明しています。

今後の予想

暗号資産市場は、11月5日のアメリカ合衆国大統領選挙の前後、ボラティリティが激しい状態が続いていました。しかしあくまでこれは短期的なものであり、実際に状況が落ち着き、過去同様、ビットコインをはじめとする暗号資産のレートは上昇の兆しを見せ始めました。2009年に誕生したビットコインは、これまでも過去3回アメリカ大統領選挙を迎え、ビットコインを筆頭に暗号資産は常に選挙後に上昇しており、かつ元の価格に戻ることはありませんでした。この傾向が再び起これば、データ上ではビットコインの価格は今から1年後(2025年)にピークを迎える可能性が高いとのことです。

補足:11月5日、その結果は・・・

大統領選挙の結果、トランプ大統領が誕生しました!これにより、早速『共和党の上院議員が、BTCの総供給量の5%にあたる100万枚のBTC(20万BTCを5年間で取得)を購入にする旨の法案が提出されています』という暗号資産業界にとってはポジティブなニュースが出るなど、動き始めています。

そして、肝心のトランプ大統領就任について、これからの【選挙人投票から新大統領就任】までのスケジュールは以下となります。

・538人の選挙人による形式的な投票(同年12月17日)
・議会(上下合同会議)で選挙人投票が開票され、上院議長(=副大統領)  が結果を公式発表(翌年1月6日)
・新しい正副大統領が宣誓して正式に就任(翌年1月20日)

引用

・勝者が誰でも米統領選挙後にビットコインが上昇する可能性が高いと歴史が示唆(CoinDesk Japan, James Van Straten, 2024年11月5日)

・トランプの暗号資産をめぐる公約は、ビットコインに危機をもたらすかもしれない(WIRED, Steven Levy, 2024年8月11日)

・米大統領選挙をも動かす「ビットコインマネー」(東洋経済ONLINE, 長谷川 友哉 : ビットバンク マーケット・アナリスト, 2024年10月7日)

トランプ一族のDeFi「WLF」の独自トークン「WLFI」が一般販売開始。初日売上は約13億円にとどまる(あたらしい経済, 2024年10月16日)

ハリス氏、暗号資産に初めて言及──ホワイトハウスは「アメリカの未来に投資する」(CoinDesk Japan, Sam Reynolds, 2024年9月24日)

ビットコインが上昇、ハリス副大統領が規制枠組みの支持を表明(Bloomberg, Sidhartha Shukla, Teresa Xie, 2024年10月15日)

カマラ・ハリス氏ではビットコインとイーサリアム以外の暗号資産ETFは認可されない可能性が高い(CoinDesk Japan, Helene Braun, 2024年10月22日)

米大統領選ハリス氏勝利で「ビットコインに限り」強気か(Coinpost, A.Yamada, 2024年9月21日)

・トランプ氏、自身のNFTトレカを発売--完売で6億円超の売り上げ(CNET Japan, Daniel Van Boom(翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫), 2024年12月19日)

・トランプ氏、自身のNFTトレカを発売--完売で6億円超の売り上げ(X, Bitcoin Archive, 2024年11月12日)


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