"分別管理"ってなに?? - なぜ、暗号資産ビジネスは安全なのか?
はじめに
Project LUCKと書く人
Project LUCKメンバーの飯野です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。
今回のテーマ
金融業界にいないと「分別管理」という言葉に普段めったに触れることはありません。なにそれ?おいしいの?状態です。しかし、この4文字が金融機関が行なっているビジネスを安全に行うための根幹とも言えます。この制度が消費者を守ってくれるのです。そのことについて今回は「"分別管理"ってなに?? - なぜ、暗号資産ビジネスは安全なのか?」として、書いてみたいと思います。
↓↓↓目次↓↓↓
分別管理ってなに?
一言で言えば、
業者が預かる顧客の資産(有価証券や金銭、暗号資産など)を業者が保有している資産と区別して管理することで、倒産や破綻した場合であっても、顧客の資産を守れるような管理方法のこと。
と言えるでしょう。
法律で定められている!!
ちょっとお堅い話になりますが、分別管理は、資金決済に関する法律(資金決済法)の第六十三条の十一項よって、定められています。以下にその文言を貼っておきます。(見なくても大丈夫です!)
太文字の部分のように業者側の持っている暗号資産と顧客の暗号資産は別々に管理しなければならないと定められています。このように、金銭や暗号資産を扱う金融機関では、この分別管理は当たり前のものになっています。
なぜ、このような分別管理が必要なのでしょうか?
なぜ、分別管理が必要なの?
そもそも、いつから分別管理が定められた?
平成10年12月に施行された証券取引法の改正から、分別管理・分別保管が定められています。
なぜ、この改正がされたのでしょうか?これには背景がいくつかあるとされていますが、以下の3つが主なものと言えるでしょう。
金融危機
組織的な不正行為
不正行為の早期発見と予防策
2008年にリーマンショックがきっかけとなり金融危機が起こり、金融機関の倒産から顧客資産の管理や安全性について、疑問視されてきました。そこで、証拠金規制などが国際的に定められた背景などから、金融機関のリスク対策についてさらに重要視されるようになったのです。また、金融機関の中で生じた不祥事や不正行為などから顧客の資産や心理的安全性を守れるような体制がとられています。
で?結局のところ?
一言で言えば、
昔はずさんだったから、ちゃんと法律で決めて、顧客の資産を守ろう!
と国際的にも日本でも動きがあり、定められたということです。
分別管理の方法は?
前述してきたように、分別管理の目的は、「顧客の資産を守ること」です。暗号資産交換業者も、顧客の暗号資産を守る仕組みがなければなりません。
暗号資産交換業者が遵守すべき内容としては以下の項目とされています。
分別管理はウォレット(お財布)を分ける!
と書いてありますが、改めてですが、利用者のお財布と企業のお財布では別々に管理することが分別管理です。
ちなみに、マーキュリーでは、
【金銭】
お客様から預託を受けた金銭は、日証金信託銀行に信託する方法により当社の金銭と分別して管理しております。
【暗号資産】
お客様から預託を受けた暗号資産は、当社の暗号資産を管理するウォレットとは別のインターネット等の外部のネットワークに接続されていないウォレットにて管理しております。
→ インターネットに繋げていないウォレットで管理することでハッキングなどから守ることができます!保管場所に行かなければウォレットの秘密鍵などを見ることができないため、社員でもなかなかお目にはかかれないものとなっております。
参考文献
証拠金規制入門 ―中央清算されない店頭(OTC) デリバティブ規制について―
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202208/202208e.pdf.金融機関における不祥事の予防・発見の実務対応~近時の不正事例から心理的安全性を考える
https://thefinance.jp/law/220404【金融事例から読み解く】内部通報制度活用と不祥事早期発見及び予防策
https://thefinance.jp/law/210602仮想通貨の会計とブロックチェーンのしくみ
https://www.amazon.co.jp/dp/4502277517/資金決済に関する法律 - e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=421AC0000000059
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