【BTC】ハッシュレートとセキュリティ
はじめに
Project LUCKと書く人
Project LUCKメンバーの佐藤です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。
今回のテーマ
今回はビットコインのマイニングを行う際にマイニングの速度を表す「ハッシュレート」とそのセキュリティについて書いていきたいと思います。
ビットコインのマイニングってなんだっけ?
以前、「Proof of Work(PoW)とは?」の記事でも解説しているので詳しくはそちらをご覧ください。
ビットコインのマイニングとは、ナンス値という値を利用して直前のブロックのハッシュ値と呼ばれる数値を見つける作業です。
この数値はランダムに生成されるため、処理能力の高いコンピューターが必ず見つけられるというわけではなく、それほど処理能力の高くないコンピューターも運が良ければ見つけることが可能です。
ハッシュレートとは
ハッシュレートとは、ビットコインのマイニングを行う際の演算速度を表しています。
つまり、ハッシュレートが上昇するとマイニングを行う際の計算スピードが上昇し、より短い時間で適切なハッシュ値を求められるようになります。
しかしながら、ビットコインのマイニングはおよそ10分間隔で生成されるように設計されているため、ハッシュレートの上昇に合わせてハッシュ値を導き出すための難易度が上昇し、ブロック生成時間が調節されています。
ハッシュレートが上昇する理由
上の章でも解説したように、ビットコインでは新しいブロックの生成は前のブロックからおよそ10分程度で生成できるように調節されています。
しかし、新たなマイニング参加者が増えるとハッシュレートが上がり、すぐにハッシュ値が見つけられてしまいます。
ビットコインのマイニングではその問題に対処するために、ハッシュレートが上がるとハッシュ値を見つける難易度を上昇させます。
このような仕組みがあるので、下記の画像のようにビットコインのハッシュレートは指数関数的に上昇しているのです。
ハッシュレートの上昇と発生するデメリット
ハッシュレートが上昇するということは、ビットコインにかかわるコンピューターがたくさん動いていることと同義になります。そのため、主に環境に関連するデメリットが増えてきてしまします。
より多くの電力が消費される
ハッシュレートの上昇はマイニングをおこなうコンピューターによる大量の電力消費を招きます。その結果、二酸化炭素が排出され、環境への悪影響が懸念されています。
単一のマイナーではマイニングの成功率が大きく減少する
ハッシュレートの上昇はつまり、マイニング参加者の増加とほぼ同じ意味を持ちます。そのため、ハッシュレートが上昇すると、単純なマイニングの難易度だけでなくマイニングを行ったときにそのマイナーがマイニングを成功させる難易度も上昇してしまいます。
ハッシュレートとビットコインのセキュリティ
前の章ではビットコインのハッシュレートの調整によるデメリットについて紹介しましたが、ハッシュレートの上昇によるメリットも多く存在します。
データの改ざんが困難になる
ビットコインのハッシュレートの上昇による一番のメリットとして考えられるのは、ビットコインの過去の取引データの改ざんが非常に困難になることです。
セキュリティの強化
単一の悪意のあるマイナーだけではビットコインのマイニングを悪用できなくなるため、より安全にビットコインの運用が可能になります。
終わりに
今回は、ビットコインのマイニングにおけるハッシュレートとハッシュレートが与えるセキュリティについて解説を行いました。
ほかの記事に比べマニアックな内容になってきましたが、ハッシュレートの問題は環境問題ともかかわるところで上昇し続けるハッシュレートはいずれ世界的にも問題になるかもしれませんね。
ビットコインはほかの暗号通貨にも多大な影響を与えているため、この問題が大きくなった時に暗号通貨全体にどのような影響があるのか個人的にすごく怖くもあり、少し興味もありとても複雑な気持ちです。