MATICからPOLへの移行、何が変わる?
はじめに
Project LUCKと書く人
Project LUCKメンバーの松永です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。
今回のテーマ
先日、<Project LUCKの暗号資産探索>と題して、【MATIC(マティック)】についてご紹介させていただきましたが、今回その【MATIC】が9月4日に【POL】へと移行になりました!それに伴い、その性質が変わったところもありますので、今回の記事でその内容について触れていければと思います!
★MATICの記事についてはこちらをご覧ください!★
【MATIC(マティック)】って何?
まずここで【MATIC(マティック)】の概要説明を復習します。
【MATIC(マティック)】トークンは【Polygon(ポリゴン)】の基軸通貨を指し、DApps内での決済やネットワーク手数料の支払いなどに用いられています。
そもそも、【Polygon(ポリゴン)】は、Web3.0向けのScalableで、安価な
手数料制度をもち、安全かつ持続可能なブロックチェーンを提供する主要な開発プラットフォームとなります。さらに、イーサリアムのセカンドレイヤーの1つであり、L2 (「ZK ロールアップ」と「オプティミスティックロールアップ」)、サイドチェーン、ハイブリッド、スタンドアロン、エンタープライズ チェーン、データ可用性などの主要なスケーリングソリューションに簡単にアクセスできると同時に、イーサリアムとの相互運用性を持ちながら、同様にDApps(分散型アプリ)などの開発ができるブロックチェーンとなります。
そのような特性を持つ【Polygon(ポリゴン)】は、Web3.0エコシステムをカーボンニュートラルに導くことを目標を掲げています。
発行上限の緩和
次に、【POL】に移行し変わった点を2点ご紹介したいと思います。
まず初めに【発行上限の緩和】というのがあります。
【MATIC】はこれまで主に、Polygonネットワークのネイティブトークンとしてガス代やコミュニティへの参加、ネットワーク維持貢献に利用されてきました。そして、【MATIC】は発行時に決められた100億枚の発行上限があり、そのほとんどがこれまでに既に流通されている状態でした。
そもそも暗号資産に発行上限がある理由は、該当通貨が市場に出回り過ぎて希少価値が薄れるのを防ぐためであり、法定通貨のように発行量を調整してくれる中央銀行や政府がない場合が多い暗号資産にとって、価値を維持するための重要な仕組みとなります。
【MATIC】でもそのような背景により発行上限を設けていたのですが、新規発行により流通の新陳代謝を上げ、コミュニティ発展を狙った資金流入を活性化させるために、【POL】では【発行上限の緩和】という形となりました。
アップグレード可能
【MATIC】の場合、何かしらの機能追加(アップグレード)を行う場合、<アップグレードキー>が必要であったのですが、これまでポリゴン(MATIC)の開発企業である<Polygon Labs>がそれを意図的に焼却しており、トークン設計の変更がなかなか叶わず大幅な対応ができませんでした。しかし、【POL】への移行が行われた今では、Polygonエコシステムの変更に合わせてアップグレードが可能となりました。
今後の計画
【発行上限の緩和】【アップグレード可能】の2点が、【POL】に移行することでアップグレードする要点となります。そして、これに関連してすでにいくつかの計画が発表されています。
Polygon2.0(※)では、Polygonエコシステムに接続されたブロックチェーンを【AggLayer】と呼ばれる技術を用いて接続することで、シームレスに利用可能(別個の機能やサービスが統合化され、利用者側でその違いを意識せずに使えるようになること)にするという計画が進められています。
続いて、Polygon PoS上に保有しているMATICは自動的にPOLに変換されるため、現在MATICを保持するユーザーは何も操作をする必要はないとのことです。他のブロックチェーンで保有している場合などは手動で変換する必要が出てくる場合もありますが、猶予期間自体は4年ほどあるため、自身の都合の良いタイミングで変換できる点もメリットと言えるでしょう。
引用
・polygon.technology(Web3, Aggregated)
・Coinpost(『ポリゴン大型アップグレード、MATICからPOLのトークン移行は9月上旬実施へ』, A.Yamada, 2024/07/22 14:39)
・polygon.technology(『Save the Date: MATIC → POL Migration Coming September 4th. Everything You Need to Know』, Polygon Labs, July 18th 2024)
・polygon.technology(『Polygon Announces The World’s First Zero-Knowledge (ZK) Scaling Solution Fully Compatible with Ethereum』, Polygon Labs, July 20th 2022)
・ポリゴンのトークン「MATIC」から「POL」への移行、何が変わる?(手塚康夫, 2024-09-19)