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【BTC】Proof of Work(PoW)とは?
はじめに
Project LUCKと書く人
Project LUCKメンバーの佐藤です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。
今回のテーマ
分散的に管理されているブロックチェーンを動かすためには、ブロックチェーンを安全に、確実に運用する必要があります。そして、ブロックチェーンにはそれらを行うための「コンセンサスアルゴリズム」というシステムがあります。
今回はビットコインのネットワークを動かすために必須のコンセンサスアルゴリズムである、「Proof of Workとは?」というテーマについて書いていきたいと思います。
↓↓↓目次↓↓↓
PoWとはどんな仕組み?
PoWはブロックチェーン上に保存される取引データを記録するための代表記録者を決定するための分散型の合意形成アルゴリズムの1つです。
具体的には、ナンス値という値を利用して直前のブロックのハッシュ値と呼ばれる数値を見つける必要があります。そしてそれらを見つけるためにPoWに参加している人々が高い処理能力を持つコンピューターを用いて計算を行います。
この数値はランダムに生成されるため、処理能力の高いコンピューターが必ず見つけられるというわけではなく、それほど処理能力の高くないコンピューターも見つけることが可能です。
しかし、処理能力の高いコンピューターのほうが値を見つける確率は上昇するため、のちの章で解説するマイニング報酬を多く獲得可能です。
PoWのメリット・デメリット
分散的なネットワークの管理ができる
悪意のある人が不当な利益を獲得しづらい
性能の高いコンピューターが必要
二酸化炭素を大量に排出している
素早い取引には向いていない
分散的なネットワークの管理ができる
PoWのシステムではトランザクションの検証をランダムな人が行えるため、分散的にネットワークの管理が行えます。
悪意のある人が不当な利益を獲得しづらい
先ほどの分散的なネットワーク管理とも関係がありますが、悪意を持って不当な利益を得ようとしている人は、分散的に管理している人よりも多くいる必要があるため多くの計算コスト=費用が必要になります。
分散的に管理している人数よりも多くの悪意のある人による攻撃のことを一般的に「51%攻撃」といいます。
性能の高いコンピューターが必要
PoWのデメリットはブロック生成の計算を行う際に、非常に高い性能のコンピューターが必要になります。
PoWを動かすためには何度も計算を行う必要があるため、高い計算能力が必要になり、PoWを行うために必要な機材を集めるための資金や運用コストが大きくなる場合があります。
二酸化炭素を大量に排出している
コンピューターを動かすために大量の電力が必要となり、地球温暖化に悪影響を与えているともいわれています。
実際に、2021年にはビットコインのマイニングが原因とされるCO2の排出が世界のCO2排出量のうち0.08%を占める結果も出されています。
素早い取引には向いていない
PoWは大量の計算量が必要となるため、数秒での取引などを行うのが難しくなってしまいます。
マイニングとは
![](https://assets.st-note.com/img/1713515956125-OYuuY4qbcP.png?width=1200)
マイニングとは上記の章で解説したPoWの作業を行い、ビットコインの取引記録(トランザクションデータ)が正しいことを検証し、それらのデータを「ブロック」と呼ばれる取引記録をまとめた場所にまとめ、ブロックチェーン上に同期させる一連の作業の流れを指します。
このマイニングを行う人を「マイナー」といい、これらの一連の作業を行うことによって報酬としてビットコインを受け取れます。
マイニングを行っている組織はMarathon Digital HoldingsやPhoenix Groupなどいくつかありますが、個人のマイナーでマイニングに成功したのは300人程度だといわれています。
マイナーには現在いくつか種類があります
ソロマイニング:自分自身でマイニング機器を集めマイニングを行います。ソロマイニングで集めた報酬はすべてマイナーの報酬になるのでこれらの方法の中で最も獲得できる報酬は多くなります。
クラウドマイニング:複数人のグループが集まり、ハッシュレートを集中させて共同でマイニングを行います。この方法ではマイニングが成功する確率は上がりますが報酬は参加者に分配されます。
プールマイニング:マイニングを行っている団体や企業に対して資産を預け、出資額に応じて報酬を獲得します。この方法は、マイニング機器やマイニングをおこなう場所が必要ないのでどんな人でも参加可能です。
ビットコインの半減期
ビットコインには、マイニングに対する報酬が減少する「半減期」が存在します。
半減期はおよそ4年に1度発生し、これまで2012年、2016年、2020年、2024年の4回発生しています。
夏季オリンピックと大体同じ年に半減期が起こるので覚えて起きやすいですね。
この半減期はビットコインのマイニングによる報酬が半減し、マイナーの報酬が大きく減少するので経済圏において重要な役割を果たしており、ビットコインが注目される一つの要因にもなっています。
おわりに
今回は、ブロックチェーンの運用には欠かせない「コンセンサスアルゴリズム」の1つである「Proof of Work」について解説を行いました。
Proof of Workは
・分散的な運用が可能
・悪意のある人による攻撃が困難
などのメリットがある反面、
・環境への負荷が高い
・取引が完了するまでに時間がかかる
などのデメリットもあります。
環境の影響もあり、現在ではあまりProof of Workを利用している暗号通貨はありませんが、最初のブロックチェーンであるビットコインに採用されたコンセンサスアルゴリズムということもあり、知っておくと面白い仕組みだと思います。
今後、Proof of Work以外のコンセンサスアルゴリズムに関する記事も書く予定ですので、違いなどの比較をしてみると面白いと思います。