【ETH】イーサリアムの未来:イーサリアム2.0とは
Project LUCKと書く人
Project LUCKメンバーの佐藤です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。
今回のテーマ
今回はイーサリアムの長期にわたる大型のアップデートであるイーサリアム2.0について解説を行っていきたいと思います。
これまでPoWだったことにより多くの問題を抱えていましたが、先日の「The Marge」によってPoSに移行し様々なシステムが新しくなりました。
今後それだけでなくイーサリアム2.0の実現を目指し多くの取り組みや目標が公開されていましたのでそれらについて解説を行っていきたいと思います。
イーサリアム2.0とは何か
イーサリアム2.0は、イーサリアムネットワークの大規模なアップグレードです。このアップグレードにより、イーサリアムはより速く、安全で、環境に優しいものになります。
イーサリアム2.0では、以下の主要な変更が行われています:
新しいコンセンサスアルゴリズム(ネットワークの参加者が取引を検証する方法)の導入※PoSへの導入は完了済み
ネットワークの処理能力の向上
エネルギー消費の大幅な削減
なぜイーサリアム2.0が必要なのか
イーサリアム2.0の必要性には、いくつかの理由があります:
スケーラビリティの向上:現在のイーサリアムネットワークは、高い需要時に遅くなることがあります。
セキュリティの強化:新しいシステムは、攻撃に対してより強固になります。
環境への配慮:エネルギー消費を大幅に削減し、より持続可能なネットワークを実現します。
イーサリアムの概要についてはこちらをご確認ください
イーサリアム2.0の主要な特徴
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)は、イーサリアム2.0で採用される新しい合意アルゴリズムです。
PoSの特徴:
取引の検証に大量の計算力を必要としない
ネットワークの参加者(バリデーター)は、イーサリアムを預けることで取引を検証する権利を得る
エネルギー消費を大幅に削減し、環境にやさしい
ステーキング(PoS)についてはこちらも参考にしてみてください
シャーディング
シャーディングは、イーサリアムネットワークの処理能力を向上させる技術です。
シャーディングの利点:
ネットワークを複数の「シャード」と呼ばれる部分に分割
各シャードが並行して取引を処理することで、全体の処理能力が向上
ネットワークの混雑を緩和し、取引手数料の削減につながる可能性がある
イーサリアム2.0の影響
暗号資産市場への影響
イーサリアム2.0は、暗号資産市場に大きな影響を与える可能性があります:
イーサリアムの価値上昇:性能向上により、需要が高まる可能性
新しいアプリケーションの登場:より高速で安価なネットワークにより、新たな可能性が開ける
他の暗号資産への影響:イーサリアムの成功は、業界全体に波及効果をもたらす可能性がある
環境への影響
イーサリアム2.0の環境への影響は非常に大きいと予想されます:
エネルギー消費の大幅削減:PoSへの移行により、99.95%のエネルギー削減が見込まれる
カーボンフットプリントの低減:暗号資産業界全体の環境負荷を大きく軽減
持続可能な技術としての評価向上:環境に配慮したブロックチェーン技術の先駆けとなる
イーサリアム2.0の詳細ロードマップ
イーサリアム2.0への移行は複雑で多面的なプロセスです。現在公開されているイーサリアム2.0実現に向けたロードマップでは「The Merge」「The Surge」「The Scourge」「The Verge」「The Purge」「The Splurge」の6つの主要フェーズに分られています。
引用元はこちらをご確認ください
The Merge(マージ)
目標:理想的で、シンプル、堅牢かつ分散化されたプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスを実現する
主な特徴:
ビーコンチェーンの立ち上げ
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からの完全な移行
分散型バリデーターの導入
秘密リーダー選出システムの実装
この段階では、イーサリアムがPoWからPoSへと移行し、エネルギー効率と安全性が大幅に向上します。
また、バリデーターについてはこちらも参考にしてみてください
The Surge(サージ)
目標:1秒あたり10万トランザクション以上を処理する(ロールアップを含む)
主な特徴:
EIP-4844の実装(データ可用性の向上)
基本的なロールアップスケーリングの導入
ZK-EVMs(ゼロ知識証明を用いたイーサリアム仮想マシン)の開発
この段階では、イーサリアムのスケーラビリティが大幅に向上し、より多くのトランザクションを処理できるようになります。
The Scourge(スカージ)
目標:イーサリアムのPoS設計における中央集権化の懸念を軽減する
主な特徴:
MEV(Miner Extractable Value)の最小化
分散型ブロック構築の実装
ステーキング経済の改善
この段階では、ネットワークの分散化をさらに進め、特定の参加者が不当な利益を得ることを防ぎます。
The Verge(バージ)
目標:ブロックの検証を簡素化し、効率化する
主な特徴:
Verkle Trees(データ構造の最適化)の導入
SNARKs(簡潔で非対話型のゼロ知識証明)の実装
軽量クライアントのサポート強化
この段階では、ノードの運用がより容易になり、ネットワークの参加障壁が低くなります。
The Purge(パージ)
目標:プロトコルを簡素化し、技術的負債を削減する
主な特徴:
EVM(イーサリアム仮想マシン)の簡素化
古いデータの削除(ステート有効期限の導入)
ガス料金の最適化
この段階では、ネットワークの効率性が向上し、長期的な持続可能性が確保されます。
The Splurge(スプラージ)
目標:その他全ての改善を行う
主な特徴:
EVMのさらなる改善
アカウント抽象化の実装
暗号技術の高度化(量子耐性の向上)
この最終段階では、イーサリアムの機能と性能を極限まで高め、次世代のブロックチェーンプラットフォームとしての地位を確立します。
結論:イーサリアム2.0の可能性
ブロックチェーン技術の未来
イーサリアム2.0は、ブロックチェーン技術の未来を示す重要な一歩です:
スケーラビリティの問題解決:大規模な採用に向けた障壁を取り除く
環境に優しい暗号資産:持続可能な技術としての地位を確立
イノベーションの促進:新しいアプリケーションや使用例の開発を加速
私たちの生活への影響
イーサリアム2.0は、私たちの日常生活にも影響を与える可能性があります:
金融サービスの革新:より安全で効率的な金融システムの構築
デジタルアイデンティティ:自己主権型のアイデンティティ管理の実現
分散型アプリケーション(dApps)の普及:より使いやすく効率的なdAppsの登場
イーサリアム2.0は、暗号資産の世界に革命をもたらす可能性を秘めています。
技術の進化とともに、私たちの生活がどのように変化していくのか、
今後の展開に注目が集まっています。
最後に
今回は、現在進められているイーサリアムの大きな改善であるイーサリアム2.0について解説を行いました。
この野心的なビジョンの実現には時間がかかりますが、完了すれば、イーサリアムは真にグローバルなスケールで運用可能な、次世代のブロックチェーンインフラストラクチャとなることが予想されています。
米国でETFが承認されさらなる注目を集めていることもあり、今後イーサリアム2.0へのアップデートは期待感が高まっています。
The Margeに続き今後もアップデートが続々と用意されており、非常に楽しみですね!