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暗号資産における取引や送金の可能性 Vol.2

はじめに

Project LUCKと書く人

Project LUCKメンバーの松永です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。

今回のテーマ

今回は【暗号資産における取引や送金の可能性】と題しまして、その可能性と将来性について書いていければと思います!元は【仮想通貨】という名称であったことからも、多くの人々は重要な役割として取引や送金の便利性向上を期待しておりました。WEB3.0を取り巻く環境が大きく変動する中で、世界中の人々の生活がどうかわるのか、その可能性や将来性について概要をご説明できればと思います。


暗号資産の取引上の特性(続き)

暗号資産取引や送金におけるブロックチェーンの特徴と役割

ブロックチェーンは皆さんが日々関わる金融システムに大きな変革をもたらしています。例えば、現在、全世界でショッピングや投資などにおいて膨大な数の取引がオンラインで行われており、それらの取引の1つ1つに銀行やクレジットカード会社、またPaypalのような支払い処理業者が間に入っています。それを、ビットコインをはじめとする暗号資産の基盤技術であるブロックチェーンは、仲介者なしで、加えてそれに伴う追加コストや複雑さなしで、そういった取引を可能にするのです。

こういった金融システムの世界において、【ブロックチェーン技術】は暗号資産の台頭とともにその存在感を示し始めましたが、今となっては同じ技術を使用して多数のグローバル決済システムを構築するようになりました。(これらは所謂ブロックチェーン決済と呼ばれています)この決済システムは、ブロックチェーン技術を活用して支払いを処理されており、ブロックチェーンを使用することにより支払いは低コストで安全かつ迅速に処理され、送信者と受信者の距離に関係なく(いわゆるグローバルな環境下において)送金が容易になります。

また、金融に分散型台帳技術を使用するという基本的な考え方により、銀行などの中央集権的な機関(そしてその考え)の廃止を促すとともに、相互監視による監査目的で記録できるため、市場の流動性と操作速度が向上します。さらに、ブロックチェーンのスマートコントラクトの機能を活用することで、合意されなかった場合、その該当支払いを停止することができるのです。

このようにブロックチェーンは、複雑化、そしてグローバル化が急速に進む支払い処理に対して非常に有望な技術であり、銀行口座を持つことができない人々にお金(ある種、資本そのもの)へのアクセスが出来るようにし、国境を越えた支払いを行うことを可能にするとともに、スマートコントラクトを使用してより迅速で安全な支払い処理の手段としての機能を促進させるのです。

暗号資産取引や送金の考察と将来性

ここまで暗号資産を活用した取引を取り巻く現在の状況について説明してきました。それではこれからの行く末はどのようになる可能性が高いでしょうか。

まず、暗号資産取引や送金において重要なのは、その追跡性と匿名性であると<暗号資産における取引や送金の可能性 Vol.1>で説明しました。

それは取引の流れがブロックチェーン上の情報からどれだけ追跡し、一方で、各取引を特定できるかということになります。

そのような取引の追跡性や匿名性を考えるうえで、各暗号資産の技術的側面に注目するだけでなく、それらの取引がどのように利用されているかを考慮することが重要といえます。例えば、用途がインターネット上での商品の購入等の支払いや寄付活動における送金に利用される場合、暗号資産のシステムの外側でやりとりされる情報によって、暗号資産取引対象ユーザーに関する個人情報が悪意ある第三者に特定される可能性があるためです。

今後は、暗号資産のアプリケーションや利用環境を今一度見直し、第三者がどのような情報を得ることができるかを明確にすることが大切です。その上で、暗号資産のエコシステム全体を俯瞰しつつ、個々の暗号資産の追跡性や匿名性を議論することが必要になる可能性が高いと見られています。主に暗号資産を取引や送金の手段として活用していきたいと考えるユーザーが、の視点からは、様々な手法によって取引の追跡性や匿名性がどの程度確保できるのか、この理解が重要になっていくでしょう。

引用

暗号資産における取引の追跡困難性 と匿名性:研究動向と課題 (日本銀行金融研究所企画役 宇根正志, 日本銀行金融研究所/金融研究/2019.7)https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk38-3-4.pdf

暗号資産(仮想通貨)に関連する制度整備について(金融庁, 2021/4/7)https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/20210407_seidogaiyou.pdf

What Are Consensus Mechanisms in Blockchain and Cryptocurrency? (THE INVESTOPEDIA TEAM, Updated May 18, 2024, Reviewed by JULIUS MANSA

暗号資産のしくみと 相談対応に必要なポイント(山本国際コンサルタンツ代表 山本正行, 特集 暗号資産の最新動向)https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202205_03.pdf

近年の資金決済制度の動きについて(金融庁, 2023年5月24日)https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_cbdc/20230524siryou1.pdf

What is a blockchain?(coinbase)
https://www.coinbase.com/learn/crypto-basics/what-is-a-blockchain

11 Companies Using Blockchain Payments to Send Your Money(UPDATED BY Brennan Whitfield | REVIEWED BY Chris Liquin, Apr 24, 2024)

世界が注目する暗号資産(仮想通貨)と金融機関の関係は?(Coincheck, 2023年3月14日, 暗号資産の基礎知識)

仮想通貨は経済・金融システムをどのように変えるのか(特集 金融イノベーション 大和総研調査季報 金融調査部 矢作 大祐)https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/securities/20160901_011186.pdf


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