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ダムコンクリートと建築(ビル)のコンクリートの違い

土木・建築において重要な要素のひとつであるコンクリートについてご説明します。

コンクリートは、建物の基礎や柱、梁などの構造物を作る上で欠かせない素材です。単にコンクリートといっても実は結構な種類のコンクリートがあります。その中でも今回はダムコンクリートと建築で使うビルのコンクリートの大きな違いがあるのはご存じでしょうか?

ダムのコンクリートの特徴はとにかく骨材がでかい!
骨材っていうのは別名粗骨材、下の写真にあるような大玉の石のことを言います。ダムでは最大150mmの大きさの骨材を使うのが普通です。

一方、建築(ビルやマンションなど)の粗骨材の最大寸法は20mm~40mmの大きさのものが多く使用されています。建築では壁や梁、スラブといった細かいところにコンクリートを流し込む必要があるため、小さめの粗骨材を使っています。

ダムって大きいから大きい骨材を使った方がいいんじゃないか?とは直感的に思うものの、なぜ建築と同じものを使わないのでしょうか?

コンクリートは水+セメント+骨材で構成されている材料で、水とセメントが反応して、発熱する化学的な材料なんですよね。単純に骨材を大きくすると水とセメントの量を抑えることができるんです。そうすると何がいいかというと、水和反応という化学反応が起きた時に生じる熱を小さくすることができるんです。

地球上の生き物や物は急激な温度変化には弱いもの。コンクリートはひび割れを起こし、上流貯めた水が漏れ出たり、最悪ダムが決壊するということも考えられるわけです。工事はできるだけ温度変化を小さくするような工夫を色々なところで行っているんですね。

サムネの素敵な絵はkei02さんに描いて頂いております。
kei02さん https://twitter.com/kei02_02

ダムコンクリート 骨材150mm

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溝口洋輔(ルーキス株式会社)
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