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【2020年4月】各機関発表のフィリピン2020年GDP予測。約6%から下方修正へ
フィリピンのGWであるイースター祝日が明け、今週もスタートしました。
株価の動向も読みにくい一週間になりますが、フィリピン総合指数(PSEi)は、現状5,550ペソ以上と前日終値を上回っています。
依然フィリピンは4月30日まで外出規制中になりますが、4月末に解除されるのか、または5月まで延長されるかの判断に注目が集まっています。
やはり、今回のウイルスによる経済へ与えるダメージはかなり大きいもので、フィリピンの2020年GDP(国内総生産)成長率についての下降修正を各機関が発表しています。
1.世界銀行(World Bank Group)の修正予測
世界銀行は当初、フィリピンの2020年GDP成長率を6.1%と予測をしていましたが、3月30日発行「東アジア・大洋州地域半期経済報告書」の2020年4月版におけるベースライン予想において、GDP成長率は3.0%になると、大幅な下方修正を発表しました。
また、2021年予想については、変わらず6.2%としています。
ただし、このベースライン予想は、2020年第3四半期すなわち7月頃から感染拡大の影響が弱まり、経済が回復に向かうという想定に基づいたものになっています。
もしウイルスの感染拡大スピードがさらに高まり、ルソン島などでの封鎖や外出禁止措置などが長引く場合、2020年の成長率はマイナス0.5と1998年以来22年ぶりのマイナス成長に陥ると予想されています。
そして、その場合は2021年も6.2%ではなく4.1%の成長に留まると述べています。
2.アジア開発銀行(Asian Development Bank)の修正予測
アジア開発銀行(ADB)は、4月3日「アジア経済見通し2020年版」(ADO2020)を発表し、それによると、2020年は昨年9月時点の予想の6.0%から2.0%へと急減速すると記載されています。
GDPの約70%を占めるルソン島全域の隔離措置などが響いていることが、急減速の原因となっているようです。
ただ、経済活動の正常化が前提にはなりますが、2021年は6.5%へ回復すると予想しています。
3.野村證券の修正予測
野村證券は、フィリピンの2020年GDP成長率予想を、これまでの5.6%から1.6%へと大幅下方修正しています。
その上、1.6%の成長予想というは、ルソン島全域におけるコミュニティー隔離措置が予定通り4月中旬で解除されることが前提となっており、各銀行や調査機関の中で一番厳しい見方になります。
既に政府は4月末までの延長を発表していますが、さらに隔離措置が5月まで続く場合、経済活動の混乱が広範囲に及び、大規模な失業、中小企業を中心とした倒産、銀行の融資縮小などにつながるため、1.9%程度のマイナス成長に陥るとのことです。
4.まとめ
フィリピンに限らず、各国の経済状況に影響を与えているウイルス。
早く終息することを願っていますが、新しい動きなどがあれば随時お伝えできればと思っています。
何かご質問などありましたら、お気軽にTwitterのDMよりご連絡ください。
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