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架空鉄道の魅せ方を考える

note初投稿ながら、「架空鉄道」というジャンルに関するお話です。
以前、架空鉄道を嗜む人々の前で発表したスライドを、是非他の方にも共有したいと思ったので記事化しました。
スライド資料として発表したものを、概ねそのまま転記します。
有識者(?)向けなので、架空鉄道のサイトを作ってみようとか、既に架空鉄道サイトを運営しているけれど行き詰まっているとか、そういった方たちへの参考となったら幸いです。

そもそも、架空鉄道とは何なのか?ということに関しては、機会があれば別のタイミングでお話ししたいと思います。
次に私のサイトへのリンクがありますので、どんなものなのか是非覗いてみてください。

常武電鉄ダイヤ研究会 TOP - 常武電鉄ダイヤ研究会

それでは、発表内容をどうぞ!


架空鉄道の魅せ方を考える

こんにちは、HKと申します。
本日はこちら、「架空鉄道の魅せ方を考える」というテーマでお話をしてまいります。
どうぞ宜しくお願いいたします。
尚、スライドの全ページにサイトのQRコードを表示しておりますので、私のトークに飽きてきたら、是非よそ見程度に見ていただけると幸いです。
それでは始めます。

本日はこちらの順に則ってお話ししてまいります。

1. 常武電鉄ダイヤ研究会とは

まずは1番目、常武電鉄ダイヤ研究会とはどんなサイトなのかということを簡単にご説明します。

常武電鉄ダイヤ研究会 TOP - 常武電鉄ダイヤ研究会

こちらは、管理人のHKが運営する、架空の鉄道会社「常武電鉄」のファンサイトです。
独自に収集した時刻表データを公開し、その変遷を追っていくというのが本サイトのメインコンテンツです。
あくまで管理人はこの会社とは無関係の外部の人間で、鉄道現業の経験もありません。

2023年10月に開設してから、まだ10ヶ月程度(2024年8月当時)とかなり若いサイトなんですが、実はありがたいことに開設から5日ほどでプチバズりしまして、その勢いに任せて何とか続けているという感じです。

ではなぜプチバズったのかというと、恐らくこちらですかね。
独自に入手した46年分の時刻表を研究し、ダイヤ史を作った」、ここがプチバズポイントかなと思います。
私が知る限りでは、確かに20回もダイヤ改正の記録を書いたサイトは他にありませんので、その点はかなり注目を浴びたんだと思います。

ここで、簡単に常武電鉄の路線網をご説明します。
東京都、埼玉県、千葉県、茨城県に跨る私鉄路線で、新宿から電鉄龍ケ崎までを結ぶちばらき線と、電鉄秋葉原からつくばまでを結ぶつくば線の2路線を有しています。
このうち、私がダイヤ史を書いたのはちばらき線の方です。
開業が1978年で、路線の最終延長は2023年です。
京王電気鉄道(※現実の鉄道会社とは無関係!)と直通運転を始めたのがこの2023年で、それまで都心のターミナルだった電鉄池袋と京王線の新宿を結ぶ区間を新たに開業しています。
実は2025年に末端で新規開業することが決まっていて、それに合わせて恐らくダイヤ改正が行われるだろうと言われています。
一方、つくば線は2005年に開業した比較的新しい路線で、途中の八潮から電鉄平和台までの区間をちばらき線と方向別複々線で並走しています。
現状こちらは開業時からダイヤに大きな変化が無いので、ダイヤ史を作る予定はありません。

2. サイト内で展開しているコンテンツ

次に、簡単にサイト内で展開しているコンテンツを説明します。

まずはメインコンテンツです。
ちばらき線とつくば線でこれまでに行われた全てのダイヤ改正の時刻表とダイヤグラム、そして簡易的な運用表を公開しています。
また、一部のページにはダイヤ改正のポイントや考察などを記載しています。
こちらはまだ作成途中で、徐々に充実させているところです。
そして、ちばらき線のダイヤパターンの変遷からダイヤ史を考察するページですね。
短期的なダイヤ変更ではなく、開業からの変遷を研究しているのが特徴です。
以上が本サイトの目玉コンテンツです。

そしておまけのコンテンツとしては、常武電鉄所有車両の形式ごとの説明ページや、常武電鉄公式からの発表や管理人の独自研究を公開する「コラム・新着情報」のページがあります。
車両に関しては、形式ごとの説明に加え編成表を公開しています。
管理人は「音鉄」でもあるので、車両説明のページではVVVFメーカーの情報なんかも記載しています。
「コラム・新着情報」では、例えばダイヤ改正の告知を始め、車両更新や新型車両の告知、設備改良情報など、常武電鉄公式からの発表に「私見」を付記して公開しています。
また、LED表示や終夜運転の研究成果なども記載しています。

3. 架空鉄道の「魅せ方」とは

ここまでご清聴いただいてもうお気付きかと思いますが、ここまではサイトの管理人HKとしての目線でお話ししてきました。
ですが、実際にダイヤを作っているのは当然私自身です。
即ち、鉄道会社の中の人としてふるまう私と、私の成果物を客観的に分析して新たなコンテンツを作る私がいる訳です。
なので、恐らく最初に注目されたのはダイヤコンテンツの方だと思うんですが、本サイトは構成もかなり革新的なんですね。
ということで、ここからは架空鉄道の「魅せ方」というテーマでお話ししたいと思います。

突然ですが、皆さんに質問です。

本サイトと既存の他社様のサイトで、根本的に異なるところは何だと思いますか?
少しだけ是非考えてみていただきたいです。

~Thinking Time~

はい、ということで答えは恐らくこうじゃないかなと思っています。

第三者目線で語り、作者の原案を一切公開せず、二次情報だけを公開している」ことです。
二次情報というと、例えば駅や本屋で情報が得られる時刻表がそうです。
本当のダイヤって、実際には5秒とか10秒とかの単位で作られているんですが、基本的には分単位の情報しか得られませんよね。
私はあまり器用じゃないので、自分自身が考えていることを素直に書き表すことがあんまり得意じゃないんです。
なので、常武電鉄の世界観を他の方に共有する上で、敢えて客観視をして第三者目線でサイト構築した訳です。
そうすると、鉄道会社の公式サイトには絶対に載っていない情報を書いても違和感が無いんですよね。
鉄道マニアが作るサイトってこうなるよね」というのを表現できたかなと思っています。

因みに、テーマとしてダイヤの変遷にスポットを当てて良かったなと思うことがいくつかあります。
まず1つ目は、車両保有数や新形式登場のタイミングなど、ダイヤをいくつも作ったことで厳密な設定ができたという点ですね。
何とか系が何本いてとか、いついつに新型車両が出てとかっていうのは、ダイヤを作ると設定を考えやすいんですね。
実際にはその本数だとめちゃめちゃ車が余るとか、逆に足りないなんてことが無く、適正な車両数が確保できます。

次に2点目、サイトのページ数がある程度確保できたという点です。
現時点で各ダイヤの解説ページだけで20ぐらいあって、それに加えて車両形式や運用表、コラムといったコンテンツ展開で合わせて50ページ以上あります。
時刻表は別ページなので、それも含めると相当数ですね。
ページ数だけが重要という訳ではありませんけれども、コンテンツが充実することで見応えのあるサイトになったかなと思います。

そして3点目、ダイヤ改正の時期が近付くとモチベーション全開になるという点です。
実はダイヤは2~3年後ぐらいまで作ってはあるんですが、それを公開できる状態にするにはそれなりの準備期間が必要です。
なので、ちょっと今の時期(2024年8月当時)はモチベーションそんなに高くないんですけれども、10月、11月とダイヤ改正の告知が近付くに連れどんどん高まっていくんですね。
もちろん、そのためには毎年ダイヤ改正をしないといけない訳ですが、幸いなことに私の場合は2路線運営していますので、片方だけ対応するということも最悪可能なんですね。
微修正でも立派なダイヤ改正ですので、その辺り力の入れ具合を調整できるというのもメリットです。

4. 本サイトが秘めている可能性

では4番目、本サイトが秘めている可能性に関して少し私の見解をお話ししたいと思います。
先ほどお伝えした通り、本サイトでは二次情報ばかりを公開している訳ですが、このことには新たな可能性があると思っています。
ということで……

もう一つ皆さんにお聞きしてみたいと思います。

二次情報のみを扱うサイトの新たな可能性とは、何だと思いますか。
こちらも是非考えてみていただきたいです。

~Thinking Time~

はい、答えを申し上げるとこうです。

一次情報の販売」です。
あくまで可能性の話になりますけれども、例えば秒単位で作ったダイヤなどの未公開情報や、これから発表する情報の事前共有などですね。

サイト上には無料コンテンツが一応それなりに充実していますが、このようなサイトの構成上、絶対に表に出てこない情報がある訳です。
そういった情報は、当然私の脳内かPCの中にしか無いんです。
ということは、ファン化に成功して、そういった未公開情報を知りたい方がもし出てきたとしたら、ビジネスとして成立する可能性があります。
このサイトであれば、
課金してくださった方に「社員」という資格を与えて、「社内情報の共有」という名目のビジネスができる
かもしれないですよね。
私自身はこのサイトを使って商売をする気が現時点で無いんですけれども、そのような個人の架空世界なんかを何らかの形で有料コンテンツ化できるかもという可能性を作ったのではないかと思います。

5. 最後に

では最後に。

自分語りが苦手な私としては、自らの架空世界を語る上で、その視点を変えるだけでできることが広がったなと思いました。
同様の思いを抱えている架空鉄道作者の方に、このお話が届くと良いなと思います。
個人的には、もっとダイヤに興味を持つ方が増えることを期待しています。
もしダイヤを作るとなった時のことを考えて、線路設備や両数などの制約は最小限にしておくと良いでしょう。
急行は8両、各駅停車は6両
とか、
他の鉄道会社と相互直通
といったことは、私の経験上やりすぎると運用調整で地獄を見ます
作り手が長く楽しく続けられる程度に、展開範囲を限定した方が良い気がします。

そして、作者の内に秘めているものを表に出し過ぎない、そうすることで新たな架空鉄道の世界が広がるんじゃないかなと、そういう風に思います。

ということで以上、「架空鉄道の魅せ方を考える」というお話でした。
ご清聴ありがとうございました!
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