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週末遠征|特定外来生物ウチダザリガニを求めて①

9月の三連休にて、水路に潜むウチダザリガニを求めて遠征しました。
ウチダザリガニは食用としても有名で、観察と食べることが目標です。
また、特定外来生物に指定され、生態系への影響も大きいため、小型の個体も駆除目的で回収します。

今回は、1泊2日の短期決戦で福島まで訪れました。

◯ウチダザリガニについて

ウチダザリガニとは、ザリガニ科の生物。
東京でもよく目にするアメリカザリガニとは別の種類の生き物で、体長は最大15cmを超えます。
北米原産で、主に食用を目的に持ち込まれました。
在来の生物を捕食し、伝染病を広めてしまうなどの生態系への影響、穴を掘って田んぼの畦を壊してしまう農業被害を主な理由として、特定外来生物に指定されています。
一方で、強靭なハサミ(第一胸脚と言います。)と艶やかな見た目がロブスターのようでかっこよく、観察対象として素敵な生物だと個人的に感じます。
日本の環境に悪影響を及ぼす生物であるため駆除しますが、生物自体に罪はないため、外来生物の魅力にも向き合っていきたいと個人的に思っています。
ちなみに、ハサミに根元に白い模様があり、それが英名シグナルクレイフィッシュの由来となっています。

<参考>


◯1日目朝〜夕方

東京近郊から車で約3時間、福島の猪苗代湖に到着しました。
早速、事前に調べておいたポイントを中心にザリガニを探します。
開始早々、早速素敵な出会いが。

ガムシ

個人的に初観測のガムシ。水田のため池等にいる生物ですが、最近は農薬の影響などで数を減らしており、あまり見られなくなっています。採集地周辺は農薬の使用が少なく、生き物に優しい環境なのでしょう。

幸先は良い…!と思われましたが、なかなかウチダザリガニと出会えません。
次のポイントでは、水生昆虫をはじめ、様々な生物と出会えました。

ヤマトンボの仲間のヤゴ
カムルチー。外来種。
コガムシ
カネヒラ。国内移入種ではあるが、婚姻色が美しい。
ミズカマキリ

しかし、ウチダザリガニには中々出会えず、取れるのはアメリカザリガニばかり。
結局、ウチダザリガニと出会えず、宿に入りました。

◯1日目夜

調べていたポイントでは見つけられなかったので、確実にウチダザリガニと出会える、とあるNPOが駆除イベントを開催している付近に足を運びました。

↓2024年のイベントページはこちらです(9/20時点で残りわずか)
https://eco-urabandai.com/preserve_nature/10930/

エリアに足を運ぶと、あれだけ探したウチダザリガニがわらわらと…!

水中にいるウチダザリガニ

早速、網を伸ばして無事キャッチ!

網で掬い上げたウチダザリガニ

個体数は本当に多く、次から次へと捕獲していきます。
慣れてくると、ハサミに気をつけながら、背後から素手で捕獲できます。(なんならそれが一番効率的)
気づけばバケツいっぱいにザリガニを捕獲できました。

この4倍以上は捕獲しました。

周辺ではヤマアカガエルをはじめ、たくさんのカエルが飛び回っていました。一方で、水中で見られる生き物はほとんどがウチダザリガニ。本来ならば水生昆虫や、他の甲殻類が見られる環境だと推測されます。特に、沢の中にサワガニが1匹も見られなかったことに違和感を感じましたり
ウチダザリガニがこれだけ増えてしまっている現状に改めて考えさせられました。

ヤマアカガエル。なぜかタモ網に飛び込んできた。
おそらくアズマヒキガエル。


特定外来生物のため、今回捕獲した個体は全て締めて持ち帰ります。
目的の生物を見られ、そのかっこよさに心躍る反面、環境への影響を考えざるを得ず、少し複雑な心境で宿への帰路につきました。

翌日の道程と実食はまた次回。

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