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平日生物観察|大きいカマキリと小さいカマキリに会いたくて

生き物を見に行くのに休日、平日は関係ありません。

上司や友達と飲みに行く機会を一日減らせば、土日祝休みで定時は18時と普通に仕事をしていても、平日に生き物を探しに遊びに行くことはできます。

ということで、今回は平日夜に、なにかと話題の大型の外来カマキリと、在来の小型のカマキリを見に行った秋のとある一日を記事にしたいと思います。
今回は昆虫を取り上げるので、苦手な方はいいねだけ押して回れ右してください。


今回のターゲット

今回は、ムネアカハラビロカマキリとヒメカマキリが主なターゲットです。
ムネアカハラビロカマキリは、最近分布が拡大している中国原産の外来生物。
大きさ60〜80mmと大型で、日本に元々いたハラビロカマキリは50〜70mmと一回り大きいのです。
輸入した竹箒に卵塊が付着して移入したと言われています。
在来のハラビロカマキリと生息環境で競争するだけでなく、ムネアカハラビロカマキリのオスがハラビロカマキリのメスと交尾しようとして、ハラビロカマキリの生殖器を破壊するという悪影響も。
倫理観どこ行った。

一方のヒメカマキリは、体長25〜32mmととても小さいカマキリ。
関西では割とよく見られるものの、関東では見られる場所は少ないそう。
個人的には圧倒的に、この子の方が見たい。
小さいカマキリ、そそります。

いざ、仕事終わりに昆虫探し


東京某所の勤務地からそそくさと退勤し、1時間半くらいかけてフィールドに到着します。
現在、19時半。
帰りもあるので、長くても2時間くらいが勝負です。

①ムネアカハラビロカマキリ

早速、ターゲットを探して、まずは昆虫好きの友達の案内でムネアカハラビロカマキリのポイントに向かいます。
ここは昆虫好きの友達から教えてもらったポイント。
持つべきものは仲間ですね…。本当に、感謝しかない!

さて、ポイントに着きました。
カマキリは草むらにいるイメージがあるかもしれませんが、ムネアカハラビロカマキリは木の上にいることがほとんどで、ライト片手に見上げながら探します。
見上げ始めてすぐに、反射で光る昆虫の姿が!
そう!目当てのムネアカハラビロカマキリです!


こんな感じで木の上についています。
別日の写真。
光沢でカマキリの場所が分かりますか?

いや、なんともあっけない。
それだけ、ムネアカハラビロカマキリの数は増えているわけです。
見ると、羽根には光沢があり、通常のハラビロカマキリと比べてシュッとした見た目をしています。
釣竿を駆使して手元に寄せると、しっかりと観察できました。

ムネアカハラビロカマキリの名のとおり、赤っぽくなった胸部を見て、個人的にご満悦。

赤みがかったクリーム色の胸部が特徴的。

見たかった生き物を見れた実感が湧いてくると、なんとも言えない感動があるんですよね。
他にも胸部の長さやその大きさに驚いたり、前足に挟まれてその力強さにまた驚いたり、ひと通り楽しませてもらってから、収納ケースに入れました。


ハラビロカマキリとは思えないスリムな体型。


参考に、実家で見つけたハラビロカマキリ。
胸部の長さが明らかに違います。


その後、木を見上げては何匹か捕獲しているうちに、メスの個体も見つけることができました。

メスの羽根には光沢がなく、胴部がぷっくりと膨れてオスよりも力が強い。
メスにも挟まれましたが、本当に痛いんですよね…。なんなら流血しました。
なお、明らかにメスの方が見つかる個体は少なく、探していてもオスばかりが見つかります。


別日に取ったメスの個体。
腹部がふっくらしています。

詳しくは分かりませんが、メスの方が手の届かない木の上の方にいる傾向があるようです。同じ生き物でも習性に性差があるのは非常に興味深いですね。

ちなみに、これまでザリガニやらカメやら、何かと食べてきましたが、今回は食べずに家で飼うことにしました。
昆虫食愛好家の友達は、20匹くらい持ち帰って食べると言っていたので、そのうち挑戦してもいいかもしれません。

②ヒメカマキリ

さて、幸先よくムネアカハラビロカマキリを見つけたので、次はヒメカマキリを求めて徘徊します。
ヒメカマキリも樹上にいることが多いようですが、体が小さく見つけにくいため、街灯に集まる個体を探します。
しかし、ムネアカハラビロカマキリほど簡単には見つかりません。
ついでに他の昆虫を探しながら同じエリアを巡っていると、ようやく、手すりの上に小さなシルエットを見つけました…!

念願のヒメカマキリ。
流石にテンションぶち上がりました。


お目当てのヒメカマキリです!
いやぁ、めちゃくちゃカワイイ…!
指を並べてみると、その大きさが分かります。

小さい……!
可愛い……!

小さくても、カマキリはカマキリなんですよね。ちゃんとカマがついています。

光に照らされ佇む姿。
ふつくしい…!


他にも、触覚が体と比較して長いな…、羽が心なしか長い…?
などと観察していると、警戒して飛び去ってしまいました。
やはり他のカマキリと比べて飛翔能力が高いのか、軽やかに闇に消えていきました。

観察終了!

その後、時間の許す限り昆虫探しをして、帰路につきました。
目当ての生き物にしっかり出会えて、大満足の成果と言えるでしょう。
その日の他にも何回か平日観察に向かったので、その時に見つけた昆虫たちも、そのうち記事にするかもしれません。

持ち帰ったムネアカハラビロカマキリは家で飼っていて、投稿日現在も元気に生きています。
オスは餌を与えても臆病ですぐには食いつかず、メスは投入後すぐに捉えて食べ始める等、色々な行動が観察して楽しませてもらっています。

餌に近所のショウリョウバッタを与えます。
メスは入れるや否やバッタを捉えて食べ始めます。

皆さんも是非、生き物観察に出かけてみてはいかがでしょうか?意外と身近に楽しい世界が広がっていますよ。
では、また!

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