スマブラSP競技シーンにおける立役者

はじめに 

 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALも6年目。7年目も近づいてきているなか、ここにきて競技シーンは過去最高ともいえる盛り上がりを見せている。
 その要因とは何か。選手の活躍は第一に、それを支える立役者がもちろん存在する。大会主催者、通訳、モデレーター…今回はそんなスマブラSPの競技シーンで選手がそのパフォーマンスを最大限に発揮するうえで必要不可欠な立役者たちを紹介する。

1.のちょう氏

 ご存じ非公式レーティング対戦サイト、「スマメイト」の運営者。スマ4においてはKEN選手やT選手、しゅーとん選手らを生み出し、SPではあcola選手やミーヤー選手をはじめ、Hurt選手やたまPだいふく選手など数多くの最上位プレイヤーがこのスマメイトで日々精進している。
 最上位勢の練習方法としてこれまではオフラインが中心であった中、スマメイトの登場により自宅で上位勢と対戦できるようになった。
 またスマメイトの機能を利用したオンライン大会も賑わいを見せており、後に紹介するタミスマやマエスマ、チノスマなどもこの機能により開催されている。

↑スマメイト公式サイト

2.鮫木氏

 前述したオンライン大会、タミスマの主催者。この大会はスマ4の頃から開催されており、かつオンライン大会の先駆け的な存在だった。それまでオフラインが主戦場であったプレイヤー達にとって、オンライン大会は衝撃的なものであった。当時多くて1か月に1回ペースだったオフライン大会に比べ、タミスマは週1回以上のペースで開催されていた。
 SPにおいても2023年6月16日に終了するまで数日間に1回行われていた。また、後述するマエスマの元主催・まえだくん氏もタミスマに影響を受けたと語っており、2人がコラボした「マエタミ夏祭り」も開催された。

↑タミスマ公式サイト

3.まえだくん氏

 スマブラSPにおいてのオンライン大会の二大巨頭の一角、マエスマ1on1を運営していたのが同氏である。主に関西で活動する彼はオンライン大会に留まらず、平日大会「マエスマHIT(現:マエスマ'HIT 枚方/梅田)」や大規模オフライン大会「マエスマTOP」の主催も務めていた。
 また実況者としての一面も見せ、彼の実況を楽しみにマエスマを観戦する視聴者も少なくない。特にマエスマHITで実力をつけ日本トップクラス、果ては世界トップクラスとなった選手も多い。(あcola選手、スノー選手、からあげ選手、ドラ右選手、らる選手etc…)

↑「まえだくん」Youtubeチャンネル。マエスマの配信のほか、Ultcoreやイツクシマ等他大会の配信協力も行っている。

 現在は関西で実況者として活躍するMerCy氏が「マエスマ'1on1」、「マエスマ'HIT」、「マエスマ'LANDMARK」、「マエスマ'U-22」の主催を務め、まえだくん氏は実況や運営、企画などを行っている。

4.VGBC Watch/わっち氏

選手が海外大会でその名を轟かせる上で欠かせない存在がわっち氏だ。彼は元々スマブラDXのトッププレイヤーとして活躍していた。現代スマブラにおいては最古参勢といっても過言ではない。関東最大の平日大会「Weekly Smash Party -スマパ!-」をはじめ数多くの大会主催を務めている。
 また2018年からは海外最大手の配信クルー"VGBootCamp"の日本支部代表となり、海外大会のミラー配信や国内大会のVGBCでの配信などを積極的に行っている。
 2022年6月17日~20日にアメリカで行われた招待制大会「Gimvitational」において招待されたあcola選手に対し、「若い選手が初めて行く大会は心配であり、貴重な招待制大会をより良いものにしたい」との理由から自費で同行。通訳などを務めた。
 その後、あcola選手が所属する「ZETA DIVISION」とパートナー契約を結び、海外大会でのインタビューの通訳などを行っている。

Ultimate Summit6にて。優勝したあcola選手へのインタビューの通訳を行うわっち氏。

5.EGS John Dew(旧:John Due)氏

 日本最大手の配信団体、"East Geek Smash"通称EGSのモデレーター。EGSが配信している篝火やウメブラSPといった大型大会からスマパなどの平日大会において、大会の進捗状況をチャット欄にて視聴者に伝達している。
 現時点で残っている選手、順位やシード、チャット欄によく書き込まれる質問への回答も教えてくれる。(「今日どこまでやる?」「海外勢は誰がいる?」「ザクレイいますか?」等)
 また観戦者として普通にマエスマのチャット欄やしゅーとん配信等に顔を出している。
 ※Twitterアカウントもあるが、M0tsunabE氏が偽物だと主張している。

6.ケイロンチーノ氏

2023年6月16日に「タミスマ」が終了、同年12月26日に「マエスマ1on1」も一度終了し、スマブラSP発売後から賑わいを見せ続けた二大オンライン大会が共に終了。その中で台頭してきたオンライン大会、「チノスマ」の主催・実況を彼が務めている。
 前述したマエタミ同様数日に1回間隔で開催されており、回数を重ねるごとに参加者も増え、次第に強豪プレイヤーも次々参加。へろー選手はほぼ毎回参加し、あcola選手やミーヤー選手らも参加。更なる盛り上がりを見せている。
 またまえだくん氏と同様に実況にも定評があり、絶妙なワードセンスと臨場感ある実況で視聴者を沸かせている。その結果、ウメブラSP11の実況など、オフ大会でもその声を響かせている。

↑ケイロンチーノ氏のYoutubeチャンネル。

7.syd/シド氏

もとは海外の大手運営団体、2GGに所属。
 2023年からは1年日本に留学しており、その間日本に来た海外選手のサポートや後述するnaru/なる氏のチャンネルでchibi tvを企画している。
 関西に留学していたため、じょうぎぶ選手やヨシドラ選手など関西勢との交流が深い。特にヨシドラ選手のファンボのようで、ウメブラSP10では青ヨッシーのステッカーが貼られたペンライトを持参。Supernova2024でもインタビュー中にヨッシーの巨大パネルを見せるなどのファンボっぷりである。

ヨシドラ選手へのインタビュー中に巨大ヨッシーを掲げるsyd氏。

篝火12の際に来日した数多くの海外選手、日本人選手へのインタビュー動画は言語が堪能な彼女ならでは。
 また2GG時代からデザイナーとしても活躍しており、"APEX2022"や"2GG Kongo Saga"などの大会ロゴをデザインしている。2024年10月現在はアメリカに戻り、海外大会での日本人選手のサポート等を行っている。

8.naru/なる氏

 10年以上前にアメリカに移住。パートナーの影響でスマブラに興味を持ち、以降海外大会で通訳などを務めている。2024年10月に行われた"Luminosity Invitational#2"では参加した日本勢の通訳として運営のLuminosity Gamingより招待を受けた。
 Youtubeでの活動も積極的に行っており、Tweek氏の手がける"Tweek Talks"や、Light氏の"Lights Out"など、海外の最上位勢が日本人選手について話す動画の切り抜き・翻訳を主に行っている。
 また篝火やRiptide、Supernova2024など多くの大型大会で海外選手へのインタビューを行い、海外選手の日本への関心などを動画化している。

↑naru / なる氏のYoutubeチャンネル。

おわりに

 以上、今回は8名の方々を紹介した。今回紹介した方々はほんの一部で、スマブラSPの競技シーンは、選手をはじめ運営団体や大会主催者、実況解説、ボランティアスタッフに観戦者と、すべての人々で作り上げてきたものだといえる。
 これからのスマブラ界隈のさらなる発展を願って今回は締めようと思う。

最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
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