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興味から始まったことが趣味になった話の続き… そして山屋の呟きへ

ハイキング と呼べる経験値は学校時代での社会見学のバッチリ管理行き届く丹沢近郊低山時のもの以来で、あの頃ヒーコラ、ヒーコラでダラダラ歩きの集団的徘徊は余りいい思い出では無かったと思う。
神奈川県の四分の一は山地みたいなものなので勢い社会見学はこうした処でお茶を濁す様で、学校は決して楽はさせてはくれなかったと思う。当時引率先生方もさぞ大変だったろう。
それから進学後で放課後校舎の階段を使い重いキスリングを担いで練習に励んでいたワンゲル部の同級生達を見て何が楽しいんだ?あんな事をしてなどと当時は思っていた。

そのハイキングへのお誘い。
今回は社会人のお仲間に同行させて頂いているのと初のお誘いなのでまあそれなりに気合いを入れて臨んではいたのだ。
二子山を歩き始めると谷筋の暗い登山林道の坂道はキツくてつまらない、ただし交通機関のお陰で随分と高度は傘増してきているので稜線へと届くにはさほど時間もかからずに徐々にと視界が開けていったのは何かワクワク感が満載だった。
当日時の天気はぴーかん好天で、高度をさらに上げるに連れ岩場が見えてくるときは奥秩父の山脈がぼちぼちと見え中でも正面へどーんと鎮座する両神山地のノコギリがくっきりと間近に見えたのは最高の気分だった。

これが社会人ハイキング一日目のデビュー。
二子山下山後にこの日同行させて頂いた職場の先輩方と登山口近くの民宿へ宿泊。翌日は頂上から臨んだノコギリの両神山に登ることになるのだ。
若い身体に疲れの欠片は微塵もなく二子山稜線の岩綾帯がミニスリル感も有り結構楽しめた。かつまた視界が開けたときの眺望はチョー楽しかった。小鹿野坂本村の民宿泊なので風呂付き食事付きでゆっくりと身体も休めることができた。
当然酒宴も有りでその日の夜はふけていった。

…山で呑み過ぎはいただけません。
翌朝の林道歩きは起きてはすぐに始まり、登山口間近なので楽といえば楽なのですが、ですがな、のでした。
このお山、霊験がかなり高いお山で山岳信仰の守護されたお山なのです。俗世界の穢れを決して持ち込んではいけません。
御神酒の量を超えた身体には、多少の路迷いとジグザグ路急登で全員がバテバテの罰を与えられました。一人酒を呑まない方以外。どうにかやっとの思いで峠にと辿り着き、遅れを生じている方を待ち、そこからの尾根行は稜線へと向かう鎖場が続く登りと下りの連登でなんとか山頂に至るのでした。決して神さまは楽を導きさせてはくれません。山を舐めてはならないの教訓をすっかり身体に叩き込まれる感じがしました。
最高点での景観は、どピークな遮ることがない山容でここからは富士山、アルプス方面には八ヶ岳奥秩父の山々が望め、山頂は手狭な岩綾に立派な小さな本殿が祀られおり、この本殿に手合わせ感謝の御挨拶をさせて戴きました。
そして何かこの後に続き始まる山人生への予感を下さり、祝福を戴くような感覚を持ったのでした。
下山は日向大谷登山口へ、途中清滝避難小屋で休憩を取り下界へと怪我する事なく全員無事帰還するのでした。

こちらの両神山にはその後季節を選ばず幾度も訪れることになる単独行山岳への基点になるのですが、それは別場所の『山屋の呟き』に書くことにしようと思います♪


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