いまが青春【パートナーへ】

寒波で大雪が降りますと3日に1回は言われているような気がします。
車に乗るようになって雪はすっかり嫌いになりました。冬は気持ちも落ち込みがちなので苦手ですね。本日も読んでいただきありがとうございます。


青春ドラマとか、青春小説とかの主人公は中高生や大学生であることが多いので、一般的に「青春」とは学生時代を指すのでしょうか。同じ学校の中で誰かと誰かが出会い、友情を育んだり恋をしたり時には衝突したり…そういう物語ってどの時代も普遍的なので、青春とはある程度そういうものなのかもしれません。

ただ、自分のことについて言えば、おそらく青春はいまです。
もっと言うとパートナーと出会ってからのこれまで。ここは僕の人生で間違いなく一番青春である(現在進行形)いえます。以前の記事でパートナーについて一度書いたのですが、交際して4年半経つ現在の気持ちについて、改めて書き残してみたいなと思いました。



学生時代に抱く恋心だったり、人間関係の葛藤だったりをひとつの青春と呼ぶなら、こんな僕にもそれっぽいものはありました。その時期の思い出として最初に思い出すのは、やはり以前記事にしたサークルの同級生への恋愛感情です。

ただそれは、自分自身のセクシャリティを認識すると同時に報われなくなるものになるという、なんとも残酷なものでした。僕は男で好きになる相手も男。そしてその相手は女の子を好きになる。その時点で恋が実る確率はほぼ無いので、僕から誰かを好きになる気持ちというのは、そこにあるべきものではないタブーだと思ってきました。毎日毎日同じことを考えてはゲイである自分を呪ったり、向こうは普通の友達と思ってくれているかもしれないのに、自分は下心をもって接しているのだと思うと申し訳なく、自分が心底嫌いになったりもしました。そんなこんなで、学生時代は好きな同級生に引け目を感じ続けており、好きという気持ちを伝えることはおろか、自分と彼が男友達として対等だと思うことすらもできなかったという、少し寂しい思い出が多いです。



社会人になってからは、マッチングアプリやSNSなど、自分もゲイとして、初めからゲイの人と出会う目的でツールを使っていました。住んでいるところは田舎なのでゲイ人口はさほど多くないのですが、出来る限りたくさんの人と会いました。1回で終わってしまう人、何度か会って今現在まで友達を続けられている人、体の関係だけになってしまった人、さまざまでした。幸い危険な目に遭うようなこともなく、皆いい人だったので、誰かと会うということについてはかなり積極的だったと思います。

そして、社会人4年目の夏ごろに、現在のパートナーと初めて会いました。
そんなことあるかよ、という話かもしれませんが、出会ってすぐ、この人とは付き合いが長くなるなと感じました。具体的にどこがどう相性が良かったのかは説明しにくいですが、すごく直感的なもので、知り合って日が浅いにも関わらず一緒にいて本当に居心地がよかったことを覚えています。文字通り、そこに彼が居ること自体が心地よく、安心感をもたらしてくれました。それは今現在も同じで、ひとりでいるよりもふたりでいる方が僕にとってはずっと心が休まります。

学生時代は、男が男を好きになるというタブーを自分が犯しているという意識から、
なるべく恋愛感情を表に出さず、あくまでかっこいい友人への「憧れ」なんだと変換して、自分で自分を納得させようとしていました。(全然解決になってませんが)ただ、ゲイとしてゲイの相手と関係を持つようになってからは、セクシャリティの面で自分を卑下することは、相手も同じである時点で無意味になったので、すごくまっすぐに相手への好意を伝えられるようになったと思います。僕にとってはここはすごく大きい変化でした。
好きという感情を好きという言葉で伝えられる。好きという態度で示せる。今まで表に出しちゃいけないと勝手に思っていた「誰かを好きという気持ち」は、自分が思っていたよりもずっと生活の活力になっていきました。美味しいものはふたりで食べたらもっと美味しくなったし、綺麗な景色はふたりで観ればもっと美しくなりました。僕が見たものを伝えたいから、ふたりでいたことを残したいから、写真を撮る意味ができました。

色々変わってきている世の中とはいえ、僕たちの関係は社会的な契約に基づいてないぶん、男女間の結婚や交際よりもつながりが弱いとされています。ルールのもとでは、僕たちの関係に正しい名前はないのかもしれません。ただ、だからこそ自分たちで初めから定義することも出来るのではないかと最近は思います。
僕にとってパートナーは希望であり戦友です。誰よりも幸せであって欲しいと思います。偶然に交わった我々はとても細い糸のような縁だったかもしれないけれど、力を合わせてより合わせて今後ずっとほどけることのない結び目を作っていけたらいいなと、僕はそんな気持ちでいます。


先日、パートナーと一緒に、特に用事もないのにホテルに泊まってきました。大きい風呂に浸かって、少しだけお酒を飲んで、いつの間にか寝落ちしていました。
だらだらとした、いい意味で無意味な時間。僕が学生時代に憧れていた青春にちょっと近いような気がします。派手じゃなくても、学生には戻れなくても、僕にとってはいまが大事な大事な青春です。きっと。

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