しまうまがいる動物園がないという話。
小学校の開校記念日に、息子にどこか行きたいところある?と聞いてみた。
うーん、そうだなあ。
私は、自分が上野の美術館に行きたくて、さりげなく、上野動物園はどう?!と言ってみた。
動物園かぁ。だったら〜、おれは、しまうまが見たいなあ。
え?しまうま?なんで?
小さい頃にたしか、しまうまを見に行ったら、死んでいなかったんだよね。なんかそれおぼえてるし、それから、たぶん、しまうまは見たことないんだよ。
あ〜〜〜、ありました。そんなこと。
幼稚園くらいの息子がしまうまが見たいと言ったので、それならキリンと一緒にいるよと、こども自然動物公園に行ったのだった。
そしたら、たしかに、死んでしまったというお知らせがあり、一頭もいなかったんだ。
さっそく調べました。しまうま。
こども自然動物公園/変わらずいないまま。
上野動物公園/2020年、老衰で死亡。
え。じゃあどこにいるの?
動物園、しまうまで検索。
https://doubutsuen.net/animal/zebra.html
いない訳ではないけれど、電車で行ける近場の動物園にはいなかった。
行けて、、、多摩動物公園か。ずいぶん前に、家族で行ったこともあったけどなぁ。その時はしまうまに注目してなかったもんなあ、多分。
上野には、パンダもいるよ、とか、息子に言ってみたけれど、しまうまがいないならいいかなーというので、距離的なことも説明したけれど、それも却下され。
片道、倍の時間をかけて多摩動物公園に行くことになった。
家族で出かけるとなると、たいてい車なので、息子は電車に乗れることを喜び、私もしんせんな気持ちで、ちょっと楽しみに出かけた。
京王線なんて、何年ぶりに乗ったのかなー。高幡不動で多摩動物公園行きに乗り換えるんだけど、一駅のためだけの電車なのかな、もう、それはそれは動物園に行くーっていうかわいいラッピングの電車だった。
園内に入ると、もうさっそく山道みたいな感じで、上り坂が続く。でも動物の足跡クイズなどが描かれていて、なかなか楽しいスタート。
コーヒー豆みたいなあしあとがあったり。
とにかく念願のしまうまのところまで直行すべく、通り道の動物を見ながらすすむ。
思ったよりも、老衰で亡くなりましたという看板も見られる。動物を連れてくる、そして飼育し続けるって、大変なことだよなぁと改めて思う。
そして。息子念願のしまうまはというと、
と、遠い。しかもずっとおしりしか見えない。(写真は拡大しちゃった)
グレビーシマウマ。かなり長寿のよう。
思い込みで数頭いるものと思っていたけれど、一頭だけ。さびしい。
せっかくなので、おにぎりを食べながら眺めていたが、しまうまくんは、そこから動くことなく。
また驚いたことに、14時には、小屋に入ってしまうというお知らせが!
後回しにしてたら大変!せっかくだから、それまでにもう一度見にこようと決めて、園を巡った。
ライオンを間近で見られるというライオンバス(バスの模様はシマウマ)を眺めていたら、すっかりバスに慣れてしまったライオンが、バスの進行方向で止まったり、果ては横になったり。さすがの運転手さんは慣れた様子で、多少待ちつつも、うまく避けて進んでいた。
キリンは、想像よりもずっとたくさんいた。写真を振り返ってみても、13頭以上はいる。キリンといえば、郡司芽久さん。「キリン解剖記」も楽しんで読んだけど、これはまた別の話。
それなりに動物園を満喫し、急げ〜と走って、もう一度しまうまを見に行った。
お〜っ。
変わらず近くでは見えなかったが、実物を全体を見られたということで、納得の息子。(たぶん、柵からしまうままで、25mくらい?30m?もっと?の距離)
帰り道も長いし、のんびり早めに帰ろうかと、帰るモードで立派なゾウの門に向かっていったら、そういえば、昆虫園があったではないか(行きに、こちらに進むと昆虫園という看板を見ていた)。
一瞬迷ったものの、せっかくだから少し見ていこうかと。
昆虫生態園と昆虫本館とあり、生態園の方は、さまざまな植物と色とりどりの蝶々が舞っている。本当に、ふわっふわっと舞う感じ。
蝶々の飛行の軌跡?って、なんていうか、半分浮いてる感じだからか、突然目の前に降ってくる感じがあって。時にドキッとしながらも(ちょっと虫は怖い)、落ち着いて蜜を吸う様子なども見られたりして楽しめた。
一方昆虫本館の方は、なんの施設?っていう感じで、よほど昆虫好きとかでないと、素通りしちゃいそうな見た目。
でもまあ、せっかくだからと、こちらも覗いてみた。
すぐに2階に行くと展示物的で、あー、虫の足はこうして動くよとか、そういう博物館的なのか、と思い、さらっとみて出ようとした、、、
次の瞬間、
え?!
え?!
これは!これは!
あの、『ハキリアリ』ではないか〜〜〜!
こないだテレビでやってた!!いや、昔から存在は知ってた!
ただ、まさかこの日本で本物が見られるなんてと思っていた!
でも、ハキリアリを見に、多摩動物公園まで行くのは、無理ではないけど
1人ではちょっと行けないし、なかったことにしよう!と。
記憶の片隅に追いやった、あのハキリアリが目の前に。
とはいえ、こんなことなら朝一番に来れば良かったとも。
実際のイメージするハキリアリはこちら。
本来は、こんなふうに大きな葉っぱを運ぶところが、なんともかわいく見えるので、注目していたのだが。
残念ながら、肝心の葉っぱがほぼ全部切り取られ、運び終わった状態で、もう、かけらしか残っていなかった。なので、素人目には、ただのアリ。
でも、でもでも、でも。
それでもうれしい実物!いやあ、来て良かった多摩動物公園!
もう、このために私は朝からおにぎりを準備してここまでやってきたんだなあ。
しまうまは、私をハキリアリのところまで運んでくれた!