【産後】「育休」と「育業」。この言葉ーー後者が正しかった
私の住む東京都では2022年に小池都知事が「『育業』とは育児休業の愛称です。東京都は、育児は『休み』ではなく『大切な仕事』と考える愛称『育業』の理念を浸透させ、多様な主体と連携して、育業を社会全体で応援する気運醸成に取り組んでいきます」と宣言してくれました。
その名の通り「家事・育児」は、私にとって〝大切な仕事〟だったんですが、会社の同僚の理解や実家や義実家など、周囲のサポートがないと「育業」という〝仕事〟はブラック化すると確信しました。
私は都内で編集関連の仕事に就いています。
仕事柄、目まぐるしい毎日なのに2カ月の育休を取得させてもらい、感謝しかありません。周囲の理解あっての育休かとは思いますが、〝産後パパ育休〟中は、育児のほかに復帰した時の不安などに襲われるパパが少なからずいると思います。
私の場合、予想以上に「復帰後の不安」がのしかかってメンタルが少々やられてしまい、職場に復帰した10月上旬から、謎の動悸がたまに起きています(笑)。
なぜ、そうなってしまったのかーー。
ふと考えると、育休中の「育業」も普段の仕事と同じく、バランスが大事なのだと思うことが多々ありました。
私の場合、「育休」ということで張り切ってしまい、2カ月ものあいだ、全力で産後の妻のケアと、上の子の面倒や生後まもない息子の面倒を見ていたら、知らず知らずのうちに、見えない負荷がかかっていたんだと思います。そこで知らず知らずのうちに、殻に閉じこもってしまった私の育休中の過ごし方を見える化してみました。
私の1日の過ごし方(幼稚園2学期開始の9月の例)
もともと私の仕事の流れは「締切」「出稿」「取材」「締切「出稿」……の繰り返し。私の手元にある社用スマホのSlackの通知は、1日見ずにいると、数十件の通知が平気でつくことがありました。
育休のすきま時間、社用スマホをふと手に取ると、同僚たちのやりとりが目に入ってきました。
見ないようにしていたものの、復帰後のことを考えると、〝話題だけでもついていかないと〟という衝動にかられ、毎日、空いた時間は、貯まっていく通知を見てしまっていました。
「●●いつ締切ですよね」
「企画書送ります」
「了解です」などなど……。
いつも気にせず目にしていたやりとりが、「育業」中に見た時に限って〝毒〟のように見えてきたのです。
〝毒〟というふうに例えていますが、その〝毒〟のせいで「置いていかれる」ような感覚に陥ってしまい、育休最終盤にもなると「不安」でいっぱいになってしまったのです。逆に見ずにいると、「このまま俺は職場復帰できないんじゃないか」と思うこともあって、誰に相談すればいいかも分からず、抱え込んでしまうことが多くなっていきました。
もちろん、「育業」自体は楽しめたのですが、育休復帰後、初めて出社した日は、家を出てから帰宅するまで動悸がなりやみませんでした。
育休に入る前は、同僚と一緒にランチをしたり、たまにおいしいものを食べに行ったり、出張先では家とは異なる環境に触れ、いろんな職種な人と会い取材する毎日だったので、意外と息抜きができていたのかもしれません。
話を戻すと、そんな不安の中、育休から復帰してしまったから、今、絶賛リハビリ中なんです。
そして考えていた通り、仕事に復帰した後、やはり、置いてけぼりになってしまい(考えすぎ?)、毎日のようにあった仕事が皆無ーーという2週間を過ごしました。
その期間がもっともつらかったです。もくもくと仕事に取り組む同僚を横目に手持ち無沙汰の私。仕事を奪いにいくも、気を使ってなのか「大丈夫です!」と言われる始末でした。
でも、これは上司の責任でもあると思うんですが……復帰する前に、オンラインで面談を設けたり、復帰後のプランを一緒に考えてもらえたら、こんな自体に陥らなくて済んだのかもとも思います。もう理由を探すのもやめました(笑)。
そんな環境がカウンターになってしまい、今となっては、カウンセリングに通いながらうまくリハビリをしている状態です。
ここまで、私の育休取得〜取得後の生活です。
この期間、やはり一番大事だと思ったのは、育休中の〝息抜き〟です。育休中だから息の抜き過ぎは妻に怒られてしまうかもしれないので、ほどほどにだと思いますが、たまーに土日のいずれかは友達と会ったり、1カ月に1度は飲みにいくことも大切なのかなと思いました。
最近、男性の育休取得率があがるも、「取るだけ育休」の男性が増えているそう。産後に女性が産後うつになるのは、献身的な夫の支えがないからなどと理由にあがっています。でも逆に献身的すぎると、支える側のパパも病んでしまうので、育休前に、しっかり妻と話し合って自分の役割を決めることが大切だと思います。
ここまで、「なんで妻が専業主婦なのにそこまで献身的にサポートするんだ?」と疑問に思った方もいると思うので、そこらへんの話は次回していきます。
次回:「妻がハイリスク妊婦に、そして生後10日の息子が髄膜炎に」の巻です。これで、献身的になった意味が少し伝わればと思います!
お読みいただき、ありがとうございました!
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