韓国で登山#04.白沙室渓谷を行く②~文化史跡の白石洞天~
前回の続きです。
ソウル市鐘路区(종로구)付岩洞(부암동)の白沙室渓谷(백사실계곡)は、自然と文化史跡が美しく混在するエリアです。
前回記事では自然の様子をお伝えしましたが、今回は朝鮮時代の文化史跡の白石洞天(백석동천)を中心にお届けします。
白沙室渓谷(백사실계곡)
ソウル付岩洞白石洞天(서울 부암동 백석동천)
ソウル付岩洞白石洞天(서울 부암동 백석동천)は、北岳山(북악산)の北斜面に位置する朝鮮時代の別荘があった場所です。1800年代に、当時の都の漢陽都城(한양 도성)近くに建てられました。
別荘の主人に関しては不明な点が多いものの、文化財庁によると歴代主人の1人には朝鮮後期の代表的な書道家・金石学者・考証学者・画家・実学者であるキム・ジョンヒ(金正喜、1786~1856)がいたといわれています(한겨레21より)。
先ほどの巨大岩にも刻まれた「白石洞天」は、「白岳(北岳山のこと)の美しい山河に取り囲まれた景勝地」という意味です。この他にも、近くには「月巖(月岩)」と刻字された岩もあるそうです。
現在この場所には池と六角亭の礎石がそのまま残されているほか、後方の高台にはサランチェ(사랑채)と呼ばれる主人の住居棟の石段と礎石を確認できます。
都市部からひっそりと離れた場所にある白石洞天は、明媚な自然の景色と建物が見事に調和しているだけでなく、古庭園の構成要素をすべて備えた格調高い別荘庭園の様相を有していると評価されています。
白石洞天は2005年に史跡第462号に指定、その後2008年には名勝第36号に再分類されました。
◆池(연못)
◆六角亭(육각정)
◆サランチェ(사랑채)
この後は、近くにある玄通寺(현통사)という仏教寺院に行きました。
次回に続きます。