韓国伝統茶#02. ケンポナシ茶(ホッケチャ)~二日酔いには効果的らしい~
家ではお茶を煎じて飲むことが多いのですが、今回はその中からホッケ茶(헛개차)をご紹介したいと思います。
このホッケ茶は日本語で「ケンポナシ茶」と言います。
ケンポナシ
<ケンポナシ>(Wikipediaより)
ケンポナシは北海道の奥尻島から九州までの山地に自生している落葉高木で、特に東北地方に多く見られます。海外では中国、朝鮮半島、東南アジア地域にも自生しています。
<ケンポナシ果柄部>(Wikipediaより)
樹高は10~25メートルです。初夏の6~7月には小枝の先に小さな白い花を咲かせ、秋の9月には直径1cm程度の果実を付けます。
果実には果肉がなく、その代わり果柄が膨らんで肉質になり、梨のような香りを醸し出しすそうです。味も梨のように甘くて美味しいとのことで、ちょっと気になりますね。
ーーそして、ここで気づきます。
ケンポナシの「ナシ」は「梨」なんですね(笑)
◆ケンポナシ茶の煎じ方
こちらが乾燥させたケンポナシです。韓国ではスーパーや市場で購入できます。
左が乾燥した実で、右が樹皮付きの幹です。幹に関しては、参鶏湯などの料理に使うことがあります。
乾燥したケンポナシを出汁パックに入れて煮出します。ここでは幹も使っていますが、実だけでも十分です。
水から20分程度煮出します。沸騰したらお湯が溢れない程度に弱火にしてください。写真くらいの色になれば大丈夫ですが、濃い目の味が好きな方はもう少し長めに煎じても良いかも知れません。
使うケンポナシの量にもよりますが、パックは2~3回程度利用できると思います。ただし、色が出るまで1度目よりも少し長めに煎じてください。
◆独特の味はするも、比較的飲みやすい
味は独特で少し不思議な香りがします。ちょうど良い例えがあればいいのですが、紅茶のような香りでもないし、マテ茶とも違うし、ルイボスティーでもないし・・・残念ながら表現するのが難しいですね。
ケンポナシは生薬としても利用されますが、漢方独特の強い香りや苦味はありません。また、ほんのりと甘い風味がします。温かいままでも冷やしても美味しくいただけるため、比較的飲みやすいお茶かなと思います。
それでも人によっては独特の香りのせいで苦手と感じる方もいらっしゃるかも知れません。そういう場合は麦茶、烏龍茶、トウモロコシ茶などと一緒に煎じて飲むと、飲みやすくなります。ナツメや生姜を入れて煎じ、薬草を中和させて飲む人もいるそうです。
◆効能
気になる効能は以下の通りです。
ケンポナシはアルコールによる肝機能低下の改善に効果があるため、二日酔いの方にはおすすめです。また、利尿作用があり胃腸の働きも良くするため、解毒作用も優れているそうです。便秘気味の方にもおすすめです。
その他にも疲労回復、関節痛や筋肉痛の緩和、降血糖、降圧作用、抗酸化などがあり、とても万能だということが分かります。
ちなみに、ノンカフェインです。
◆注意点
ただ、色々調べていると、気をつけなければならない点もあるようです。
それは、飲み過ぎです。
ケンポナシ茶は飲み過ぎると体に毒だそうです。とはいえ、どんな飲食物も過剰摂取は良くないですからね。
韓国の食品医療品安全処では、1日の摂取量としてケンポナシ抽出物2460mgを推奨しています。韓国ヤクルトなどは、抽出粉末2460mgを含んだドリンクを発売しています。
しかし、この抽出物2460mgというのは、煎じたお茶でいうとどのくらいなのだろうという疑問が出てきますよね。よく分からないので、ほどほどに楽しみましょう。
◆コンビニで購入しよう
ケンポナシ茶は韓国では一般的によく飲まれるお茶です。ペットボトルのお茶がコンビニなどでも売られているため、簡単に購入できます。
写真中央の、「男」とどでかく書かれているお茶は印象的なので探しやすいですよね。見た目のインパクトがすごすぎて、初めて見た時はびっくりしました。
ペットボトルのお茶は家で煎じて飲むケンポナシ茶よりも香ばしく、よりお茶っぽい味がして飲みやすいです。
機会があれば、ぜひ一度お試しください。
◆◆◆
今回の記事で参考にしたサイトです。ケンポナシについてさらに知りたいという方は、ご参考にして下さい。