ACIM#17.目覚めたいのか、よりいい夢を見たいのか
私たちが存在すると信じているこの世界はどうやらすべて幻想で、つまり例えると、夢のようなものらしいのです。
奇跡のコース(ACIM)でも、世界は私たちの内面を投影したものであり、よって外側に見えるこの世界は存在しないのだといいます。
それを考えると、悟りを得ることを「目覚める」と表現することが、誠に言い得て妙だと思うのです。
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特にACIMのワークを始めてからというもの、以前は何も思わなかったことに対して違和感を持つようになりました。何に対する違和感なのかは大して重要ではないのでここでは省略しますが、その原因らしきものを、最近発見しました。
これに尽きます。
それに気づいたのは、ケネス・ワプニック博士(Kenneth Wapnick, Ph.D.)のこの言葉でした。
夢から覚めたいと思いながらも、それと同時にいい夢を見ようとするものだから、違和感が出ていたのです。それはまさに快眠のために睡眠薬に手を伸ばしながらも、目覚めたいと訴えているようなものーー。
できるわけがない。
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これに関しては、気づいて良かったと心から思います。なぜなら、いい夢を見たければ、おそらくACIMではなく、もっと適した方法があると思うからです。
もちろん、できることならいい夢を見ながら、ちょうどいいタイミングで目覚めたいと思います。両方できれば一番良い。
しかし、いい夢を見ようとすることは夢にどっぷりハマることでもあり、それは、自分が望む目覚めから遠のいてしまうのではないだろうかと感じたのです。
そうなると、よりいい夢を見たいのか、それともこの夢から覚めたいのかと問われれば、やはり結論はこうなるのです。
それは、ひょっとすると、「いい夢」「悪い夢」という世界から離れたいからなのかもしれません。言い換えると、それがいい夢なのか、悪い夢なのかをジャッジする思考から解放されたいということです。
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でも、本当に目覚めることができるかなんて分かりはしません。
そもそも目覚めた状態を体験したことが無いので、何が「目覚め」なのかよく分かっていないというのが正直なところです。
実際、今でもこうしてどんな言葉を綴ろうかと思いながらコンピュータをカチャカチャと打っている自分の世界を夢だとは感じませんし、それどころか、もう現実感たっぷりなわけです。
ただ、そんな中でも、目覚めることを目指してできることはあるはずだと思ったのです。
まず、自分はその現実感たっぷりの「夢を見る人」だということを、心に留めておきたいと思います。そうすることで、この世界が夢だということを忘れないでいられるからです。
この、「私は夢見人だ」と心に留めておくことは、目覚めるためには案外重要な鍵になると思うのです。
以前にも出した例ですが、ちょっと小石に躓いたとします。
この出来事を、同じ日に起きた不幸な出来事と結びつけて、「今日はツイていない」と決めることもできれば、最近の自分の働き方から、「忙しくて疲れていたからだ」と躓いた原因を探ることもできます。また「足元をすくわれないようにというメッセージだ」と、自分のスピリチュアルな世界観を強化する材料にすることもできますし、人生を鑑みた末、「小石までも自分に嫌がらせをしている(ぷんぷん)」という結論を導き出すこともできるのです。
つまり、夢見人だと知ることは、この、小石に躓いたという出来事には、最初から、誰にも変えられないような何かしらの意味があるのだと捉えるのではなく、そのことに関する解釈は、私たちがいかようにもできるものだと知ることにあると思うのです。
そういう意味では、自分は夢見人であると知ることは、同時に、この世界を自由に創り変えることも可能であると知ることにもなるのです。
例えば、躓いた後に「今日はツイていない」と思っても、それはただ単に心の動きであって、本当にツイていないこととは無関係であると感じることができると思います。
そして、そう感じることができれば、躓いたことに対して特別な意味付けをすることもなく、さらには、次に通る人が躓かないようにと、その小石を道の端に避けて置くこともできると思うのです。
ね、行動までもが変わっちゃう。
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とりあえず、今の自分が思う目覚めへの道は、そんなところです。
ただし、これはまだ、道半ばです。
数か月後には、全く別のことをいっているかもしれません。
ま、それはそれで、結構、結構。
それでも大事なのは、少なくとも今の自分は、いい夢を見ることよりも、目覚めることを望んでいて、だから、石に躓いたときは、感情に任せて不平不満を抱いたり、なぜ躓いたのかと原因追及するよりも、その石をより安全な場所に、そっと移動させておくような生き方をしたいということです。
最後にーー。
◆◆参考◆◆
写真はすべて以下のサイトよりダウンロードしました。
https://unsplash.com/