韓国水安堡旅行#05.はじめてのサウナ
忠清北道(충청북도)忠州市(충주시)に位置する水安堡(수안보)は、古くは高麗王や朝鮮王にも愛された韓国最初の天然温泉地です。
温泉サウナ(온천사우나)
今回お邪魔したホテルには、温泉サウナ(온천사우나)がありました。
(日本の)巷では数年前からサウナが流行っているらしいと耳にしていたので、今までは興味が無かったわたしも、今回ばかりはサウナに入るぞと決意して臨みました。
雰囲気は、昔ながらの銭湯です。
温泉サウナと呼ぶくらいなのでサウナ設備が充実しているのだろうと期待していましたが、実際は大浴場に小さなサウナ室が2つあるだけで、どこか物足りない気がしました。まあ、本来こういうものなのかもしれませんね。よく分かりませんが。
◆初サウナは50度の宝石ミストサウナ
さあ、準備は整いました。
目の前には50度の宝石ミストサウナと90度のドライサウナがありますが、勿論迷うことなく、50度の部屋に進みます。
ドアを開けた瞬間に感じるモワッと感。思った以上の熱気で、しかも床とベンチは大理石のような石でできていたため、足とおしりが火傷するのではと気が引けてしまいました。一歩入って心配するほど熱くないことを確認した後も、ちゃんと息ができるのか不安になり、いつでも逃げられるようにと入り口に最も近い場所に座りました。
浴場にはそれなりに人がいましたが、サウナには誰もいません。
辺りを見回してみると、天井には様々な種類の宝石が散りばめられていました。まあまあ綺麗です。しかしそれを楽しむ余裕はなく、ミストのせいもあってか、息苦しさは否めませんでした。
がまん、がまん。
身体の表面が熱くなるほど、内部の冷えを感じる気がしました。芯が温まるまでは居たい。でも、居過ぎて倒れたらどうしよう。裸で倒れるとか恥ずかしいったらありゃしない。そんなことをぐるぐる考えていると、そういえば、この部屋には時計がないのに気が付きました。
がーん。
いや、砂時計があるはず! ときょろきょろ探していると、出窓の柱に隠れた砂時計を見つけました。近づいてびっくりの巨大砂時計です。
この砂が全部落ちるまで居る人っているのかな?
果たしてそれは愚問だったようです。そもそも、何分の砂時計か書かれていません。分かるのは Made in China だけ。見た目から推測するに、15分か20分な気がしますが、サウナにしては長くないか?
ということで、時間は分からないし、息苦しいし、不安感が拭えないので一旦退室することにしました。
◆ふたたびミストサウナへ
シャワーで身体を冷まし、温泉に浸かりながら次の作戦を練ります。問題は時間です。せめて何分入ったかを確認したい。
砂時計は使えないので、浴場に掛かっている時計で確認することにしました。欠点はサウナ中に確認できないことと、分単位で刻む時計ではないためおおよその時間しか分からないという点です。1分1秒が重要なサウナには適していませんが、仕方ありません。
さあ、時間を確認し、ふたたび50度のミストサウナに挑戦です。
感覚としては10分程度。先程よりは、サウナたるものは何ぞやを感じたと思い、出ることにしました。
そして、さっきは心臓がびっくりしそうで入らなかった水風呂にも挑戦です。これが意外にも気持ちが良くて、小学生の時のプール開きで冷たい水に心踊った想い出が蘇りました。
「整う」まではいかないけれど、これはこれで悪くないなあ。
そんなことを考えながら、時間を確認しようとしたとき、驚くべき事実に気が付きました。まず浴場には時計が3,4個掛かっていたのですが、どれも時間が違うのです。最大で5分以上も差があります。まさかそんなことがあるとは予想していなかったため、自分が見た時計がどれだったのかも曖昧で、結局、何分入っていたのか分かりませんでした。
ち~ん。
◆最後は90度のドライサウナ
ここまで来ると時間を確認するのも面倒くさく、気にしないことにしました。
心を入れ替えて、最後は90度のドライサウナに挑戦です。
こちらの部屋は床もベンチも木材を使用していたため、木の香りに包まれていました。ミストではないぶん息苦しさは軽減されたような気がしますが、それでも90度は、当たり前ですが、暑かったです。
ここでも座るのは、やはりドアから一番近い場所です。その隣には、前に入っていた人が使っていただろう巨大砂時計が、主人が立ち去った後もなお、さらさらと、砂を落とし続けていました。
ね。この砂時計をさ、最後まで使える人なんていないのよ。
(つづく)