韓国語#03.韓国語の「恥ずかしい」という表現(부끄럽다/창피하다/민망하다/쑥스럽다/겸연쩍다)
前回記事の関連になりますが、外国語を勉強していると他の単語に比べて特に理解しにくい単語に出会うことがあります。辞書で確認しても、いまいち腑に落ちない、そんな言葉です。
韓国語の勉強を始めてしばらくして、韓国語は日本語よりも形容詞の数が多いのではないかと感じるようになりました。言語学の文献を漁っていると実際にそのようで、「朝鮮語の形容詞語彙数は日本語の形容詞語彙数をはるかに上回る(尹、2009)」とのことです。そして、個人的にはこれが「単語が覚えにくい」原因の一つになっているのではないかと感じています。
形容詞とは物事の状態を表す言葉ですが、ある状態をどのように認識し、定義付けするかは文化によって異なります。そもそも、その状態が存在すると認識するかどうかも文化によって異なります。そのため、外国語を学ぶ上で、動詞や名詞よりも覚えるのが難しいのが形容詞なのではないかと思うのです。
その例の一つが、韓国語の「恥ずかしい」という表現です。日本語では「恥ずかしい」と表現されるであろう場面で使われる言葉が、韓国語にはいくつもあるため使い分けが難しいのです。
Naver 日本語辞書で「恥ずかしい」を調べると、1&2と「면목 없다」の3つしか出てきませんが、実際に韓国で生活をしていると3~5の単語にもしばしば出会います。
ちなみに「면목 없다」ですが、「면목=面目」、「없다=ない」という意味で、これは日本語の「面目無い」に当たるためここでは省きます。
ということで、前置きが長くなってしまいましたが、今回はこれら5つの単語について説明したいと思います。最初に標準国語辞典を使ってそれぞれの単語の意味を紹介し、その後、使い分けについて解説していきたいと思います。単語の意味をすでにご存じの方は、直接 単語の使い分け に飛んでいただければと思います。
1.부끄럽다(プクロプタ)
日本語の「恥ずかしい」に最も近い意味として使われるのが「부끄럽다」です。恥ずかしいと感じる大体の場面で使えるため、この5つの中でも最も使いやすい単語といえます。
例えば、このように使います。
2.창피하다(チャンピハダ)
창피하다を漢字で書くと「 猖披 하다 」になります。
このように使います。
3.민망하다(ミンマンハダ)
このように使います。
4.쑥스럽다(スクスロプタ)
このように使います。
例文から見て分かる通り、こちらは「失敗して恥ずかしい」というよりは、「気恥ずかしくて照れる」に近い意味でよく使われます。
5.겸연쩍다
このように使います。
こちらも4.쑥스럽다と同じように「気恥ずかしくて照れる」という意味で使われることが多い言葉です。
単語の使い分け
単語の違いを確認するために辞書の説明を見てきましたが、これで使い方を理解するのは難しいですよね。
ここからは、実際に韓国の人が使っている場面を見て、また、実際に韓国の人に聞きながらまとめた使い分けをご紹介します。個人的な経験をもとに作成しているため、あくまでも参考程度にしていただければと思います。
◆よく使う単語
まず、この5つの単語ですが、普段の会話でよく使う、または耳にする頻度が多い単語はこの3つです。
特に韓国語を習いたてで単語を覚えるのが大変な場合は、この順番で覚えていくと良いと思います。
◆3つのグループ
この5つの単語は、以下の3つのグループに分けると理解がしやすくなります。
(1)부끄럽다 の特徴
부끄럽다 は、一般的に「恥ずかしい」と表現する様々な場面で使うことができます。そのため、どの単語を使えばいいか分からない場合はとりあえず 부끄럽다 を使うと間違いが少ないかと思います。
また、恥ずかしがり屋など人の性格について言うときも、부끄럽다 を使うことが多いです。
(2)창피하다/민망하다の特徴
この二つの単語は似ているので、正直私は使い分けていません。両方とも「人前で失敗をして恥ずかしい」「決まりの悪い思いをして恥ずかしい」という時によく使います。英語の ”Embarrassed” に近い言葉です。
부끄럽다 との違いとしては、 창피하다/민망하다 の方が恥ずかしい度合が大きいと言えると思います。
例えば、私はこのような感覚で使っています。
ただ正直な話、何が、どれだけ、どのように恥ずかしいかというのは本人にしか分からないので、この中のどの単語を使ってたとしても、「いや、それは 창피하다 よりも 민망하다 の方が正しいよ」とか、「そこは부끄럽다 でしょ」なんて言われることはまずないと思います。ためらうことなく使っていきましょう。
(3)쑥스럽다/겸연쩍다の特徴
창피하다/민망하다 とは異なり、「気恥ずかしくて照れる」という意味でよく使われるのが 쑥스럽다/겸연쩍다 です。
2つの違いは、
ということです。
そのため、読書家の方は別として 겸연쩍다 はあまり出会わない言葉かもしれません。
◆◆◆
このように「恥ずかしい」という一言を取っても、照れて恥ずかしいのか、それとも恥をかいて恥ずかしいのか、または、その恥ずかしさの程度によって使う単語が変わってきます。
ちなみに、「恥をかく」という単語は「쪽팔리다(チョッパリダ)」、「恥ずかしそうな様子」を表現する際は「수줍다(スジュプタ)」や「스스럽다(ススロプタ)」を使います。
しかし、ここまで来ると何が何やら。先に紹介した5つとはまた違う言葉が出てくるため、どれだけ「恥ずかしい」を表現したいんだ、とか思ったりして・・・。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました😊
少しでも韓国語学習のお役に立てれば幸いです。
ではでは、どろん。