台湾のボポモフォとは!?
台湾で漢字が使われていることは、台湾に詳しくなくても大体の方がご存知かと思います。現代においても漢字を使用している国は他に日本や中国がありますが、漢字の音を表記する方法は国によって異なります。
日本では漢字の他にひらがなとカタカナが使用されています。日本語における漢字の読み方は主にこの仮名文字によって表されていることは、改めて説明するまでも無いことでしょう。
中国においてはピンインと呼ばれる発音記号によって漢字の発音を表記します。ピンインはラテン文字によって表されます。
台湾においては注音符號と呼ばれる発音記号によって漢字の読み方を表します。注音符號はそのはじめの四つの音から俗に「ボポモフォ」とも呼ばれます。注音符號は下の画像のように(漢字から派生した)オリジナルの文字によって表されます。
漢字から派生した表音文字である点などから日本語のひらがなと少し似ている部分もありますが(形だけ見るとひらがなと似ている字もいくつかありますね)、ひらがなは文中において漢字と混じりあって使われる一方、注音符號は基本的に純粋に漢字の発音記号として用いられます。
たとえば、「日本」という漢字は日本語においては「にほん」と読みますが、中国語では当然中国語での漢字の読み方によって発音されます。それを中国ではピンインを用いて「rì běn」と表し、台湾においては注音符號を用いて「ㄖˋ ㄅㄣˇ」と表記します(ピンイン・注音符號にそれぞれついている”ˋ”,”ˇ”などの記号は中国語の声調を表します)。
注音符號は全く新しい文字を一から覚える必要があり、ラテン文字を使っているピンインと比べると少しとっつきにくいと思われるかもしれません。しかし台湾人は子供の頃から注音符號を学んでおり、台湾でのパソコンやスマホの入力の際には注音符號がデフォルトとなっています。
中国語を勉強した外国人は多くの場合ピンインで発音を覚えているので、台湾人以外で注音符號を読める人は割と珍しく、注音符號が読めればきっと台湾人に驚かれるでしょう。
「ㄅㄆㄇㄈ」とスマホで打つと予測変換に「不怕麻煩」と出てきます。「厄介事を恐れるな!」というメッセージでしょうか。ぜひ皆さんも注音符號を覚えてみてください