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#198 ヘバーデン結節でお悩みの方へ

皆さん、ヘバーデン結節という
言葉は知っておられますか?

キルト作家でタレントのキャシー中島さんが以前、テレビ番組などのメディアで
20年以上痛みと付き合ってきたと
おっしゃっておりまして、
そこで耳にされた方もいらっしゃるのでは
ないかと思います。

ある統計によりますと、
ヘバーデン結節は日本の人口約1億2千万人に対して
3千万人の推定患者がいるとも言われております。

また40~50代で30%、60~70代で約70%の女性に
発症するとも言われております。

ヘバーデン結節は、
指の第1関節(DIP関節)が変形し、
曲がってしまう変形性関節症の一種の
ことをいいます。

第1関節の背側の中央付近に
2つのコブ(結節)ができるのが特徴で、
痛みを伴うこともあります。

一般に40歳代以降の女性に多く発生します。

手の疾患における変形性関節症の部類で
最も罹患数が多く、特に日本人の発症率が
高い病気となっています。

ヘバーデン結節はほとんどが両側性で、
多発性(複数指)であったりします。

ヘバーデン結節は、
これまでの医学的研究をもってしても
未だに明確な原因が特定されておりません。

ですが、次のような要因が考えられています。
・加齢:年齢とともに関節の軟骨が摩耗し、骨同士が直接接触することで炎症や骨棘(骨の隆起)が形成される
・指先の過度な使用:裁縫や編み物、ピアノ演奏、スポーツなど、指先を細かく使う作業や重い荷物を運ぶ仕事、関節に受けた外傷などが原因となる可能性がある
・女性ホルモンの変調:更年期をきっかけにエストロゲンが急激に減少することで、指の関節を包む膜(滑膜)がダメージを受けやすくなる可能性がある
・遺伝的要因:家族歴がある場合は、体質のタイプなどが似ていることも考慮して、注意しておく必要がある

加えて、遺伝や環境といったさまざまな要素が
複合的に組み合わさって発症するとも
考えられております。

ただ、遺伝性と明確に言えるほどの
エビデンス(証明)はなかったりするのですが、
これまでに母娘間あるいは姉妹間などの
家族の中でヘバーデン結節に
なっておられることがあるのも事実ではあります。

ヘバーデン結節の症状には、
以下のようなものが挙げられます。
・指の第1関節(DIP関節)が変形し、曲がったり、赤く腫れたり、熱感がある
・第1関節の背側の中央に2つのコブ(結節)ができる
・関節の曲がりにくさが出てくる
・痛みを伴い、日常生活に支障が出ることもある
・物をつまむ動作が痛む
・何もしていないのに痛い
・夜寝ているときに痛い
・指のこわばりを感じたり、強く握ることが困難になる
・安静時でも痛みを感じる
・第1関節の近くに水ぶくれのような透き通ったでっぱりができる(ミューカスシスト)
・爪が変形し凸凹になる

指のこわばりが出てきてしまうため、
関節リウマチを疑う方もいらっしゃいます。

関節リウマチは主に手首や手指のMP関節(指の付け根の関節)に痛みなどが出やすいため
痛みの出る部分が違いますが
専門的な判断をしていただくことを推奨します。

へバーデン結節の治療法では、
保存療法・薬物療法・手術療法の概ね
3種類の方法から検討がなされていきます。

保存療法では、
テーピングやサポーター、
外固定(金属のリング等)によって
関節を固定(安定)させたり、
アイシングなどが行われることが
一般的となっています。

薬物療法は、関節内へのステロイド注射が
用いられます。

保存療法で痛みが改善しない場合や、
変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は、手術を検討することになってしまいます。

手術になってしまった場合は、
関節固定術や関節形成術(コブ結節の切除)
といった処置が検討されます。

私が今までヘバーデン結節で
悩まれておられた方を思い出しますと、
指先をたくさん使うお仕事をされている
女性の方が多かった印象です。

主婦の方でヘバーデン結節に悩まれていた方ですと
掃除などで指先に力を込めてしまう
身体の使い方をしておられる場合が
とても多かったです。

指先に力を込めてしまう方は、
自然と筆圧が強かったりします。

指先に力を込めてしまうと、
一番力のストレスをもらってしまう箇所が
ヘバーデン結節で痛みが出てしまう
指の第1関節(DIP関節)になります。

身体の使い方は工夫ができたり、
見直すことができますので
指先に力が入りやすい方は、
ご自身の身体と改めて向き合って
いただけますと幸いです。