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#74 グロインペイン症候群の怖さとは

スポーツ選手、特にサッカー選手や
ラグビー選手の中に
鼠径部周辺に不定愁訴や痛みを
訴える方が多くみられます。

サッカー選手では、
中村俊輔さんや中田英寿さん、
長谷部誠選手など名前を列挙しましたら
いとまがないほど多くのサッカー選手が
悩みを抱えているのが現状でございます。

多くの選手が悩まれている状態を
グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
といいます。

グロインペイン症候群とは、
サッカーなどのスポーツを中心に、
鼠径部周辺には多様な原因で
発生する各種の痛みがあり、
本当の原因を特定しにくいため
このような名前になっています。

鑑別障害には、
・恥骨結合炎
・大腿内転筋付着部炎
・大腿直筋炎
・腹直筋付着部炎
・腸腰筋炎
・鼠径ヘルニア(スポーツヘルニア)
などが挙げられたりします。

グロインペイン症候群になりやすい
メカニズムとしましては、
足関節の捻挫、下肢の筋肉の肉離れや
打撲、マルアライメント、
筋バランスの不均衡などの
何らかの原因によって、
体幹から股関節周辺の
可動性、安定性、協調性が
上手くいかなくなり、
その状態のままプレーをし続けることで、
痛みや不定愁訴、機能障害、
可動域制限などの症状が出てしまい、
慢性化してしまいます。

一旦、慢性してしまうとなかなか
快方に向かわないのが
この病態の厄介なところになります。

あまりにも快方に向かわない場合は、
競技生活の断念や引退を
余儀なくされることもあります。

ここで見逃してはいけない点として
挙げさせていただくことは
足関節の状態です。

今まで幾人ものグロインペイン症候群に
悩まされている方を
施術させていただきましたが
共通する点として
足関節の緩さがありました。

足関節の緩さは、
多くの方が経験される捻挫が主な要因で、
女性の方では関節弛緩性で元々緩い場合、
近年では運動不足などによる
足関節に関わる筋肉の
機能不全も要因に挙げられます。

足関節の土台が不安定になることにより
股関節周囲の筋肉や軟部組織に
継続的な負荷がかかってしまい、
慢性的な症状が続いてしまう
可能性が考えられます。

股関節周囲へのアプローチはもちろんのこと
足関節を中心とした下肢の
可動性、安定性、協調性への
アプローチがグロインペイン症候群を
快方に向かわせる要因となります。

足関節の安定性には
クロスサポートメカニズムが
大切になります。

クロスサポートメカニズムについては
こちらを参照していただけると幸いです。