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日本を訪問して 2024

2024年。
今年は9月半ばから10月初めにかけておよそ2週間、日本を訪問しました。

振り返ると、去年の10月初めに日本からドイツに戻ってきてすぐ自宅の引越しを余儀なくされ、引越しが済んで生活が正常化したのが今年の2月半ば。

それからいくつかのドイツ国内外の出張や仕事の予定で慌ただしい日々を過ごし、あっという間に9月の長期休暇の時期になってしまったように感じています。

今回は、日本へのフライト予定日の間際になってもオフィスや自宅で仕事や家事などに追われ、旅の支度をしながら日本への出発を心待ちにする余裕がありませんでした。搭乗日の朝に自宅最寄りの店に行き、日本の知人に渡すお土産を用意して自宅に戻りパッキングを済ませてすぐに空港へ向かう有様でした。

フランクフルトから成田までの飛行時間は意外と短く12時間。機内ではそれなりに快適に過ごせましたが、それでも12時間のフライトは身体にこたえますね。成田到着後、その日はどこにも移動せず空港近くのホテルに宿泊して静養することにしました。

翌日から一週間の旅程で東京・神戸・名古屋と移動し、何人かの人々と会って色々な話ができました。今回の日本訪問も、先の例に漏れず一つの場所に2〜3日間滞在しては移動の繰り返しで、また9月とはいえ日中は(ドイツに比べると格段に)暑かったこともあり、思いの外疲れを感じることが多い旅でした。このため、移動した直後は滞在先のホテルで静養の時間を取り、体力の回復に努めることにしました。

僕は一年に一度の日本訪問の際の楽しみの一つとして、日本滞在中にはドイツでは味わえない和食を楽しむことにしています。以前は、日本を訪問する機会があると真っ先に日本料理や和食を楽しむ機会を設け、思う存分日本の食事を堪能したものですが、今回はそうした食事に対する熱意が不思議なほど湧いて来ることがありませんでした。

しかしながら、どんな料理店でも日本独特の素晴らしいサービスを提供していて、料理の種類に依らず十分に食事を楽しむことができました。僕は、以前と比べて食事に対する関心の度合いが低くなってしまったのかも知れません。その反面、今回の日本訪問では、日本のおもてなしや素晴らしいサービスに改めて驚かされることが多かったように思います。

東京の滞在中では、書籍を扱うお店が軒を連ねる神田神保町を主に散策し、かねてより欲しかったいくつかの本を入手しました。神保町を散策して印象的だったのは、(僕のような)日本国外からの旅行客の方々が書店を巡り本を手に取っている姿に何度も遭遇したことです。神保町では、例えば書店とカフェ・書店とホテル・書店と雑貨店が合わさったコンビネーション形態の店舗をいくつか見つけました。神保町は本を目当てにしている方々だけでなく、散策目的の旅行客の方々も十分に楽しめるようなスポットになっていて、僕も神保町の散策を十分に楽しみました。

神保町の古書店散策はおすすめです

僕は好きな街がいくつかあり、日本の神戸はそのお気に入りの街の一つです。神戸は海岸線と山が近くとても美しい風景を楽しめます。また、長い歴史を持つ国際的に開かれた港湾都市であることから、日本の都市でありながら欧州の雰囲気を感じられる場所がそこかしこにあります。僕が神戸に親しみを感じるのはそうした独特な雰囲気(異国情緒と言えるでしょう)のためかも知れません。そうであっても神戸には日本独特の文化に基づいた魅力が多く、欧州の雰囲気と日本の文化の両方を楽しめる稀有な都市だと思います。僕は神戸を訪問すると、いつも必ず新開地にある寄席、神戸喜楽館を訪問し落語を楽しむことにしています。

新開地 神戸喜楽館にて

また、神戸にはとても素晴らしい料理と雰囲気を提供する日本料理店や寿司店・割烹や料亭があり、美味しい日本酒を飲みながらこれまた美味しい日本食を楽しむ機会が豊富にあります。神戸から少し足を伸ばせば六甲山、そして歴史的な温泉街である有馬温泉もあり、特に日本国外からの旅行者は、神戸だけでも日本の魅力を存分に楽しめると思います。ちなみに、僕の好きな街の一つにイタリアのトリエステがあるのですが、トリエステも神戸と同様、アドリア海に面した港町で、海岸と山が近く、坂の多い街です。またその地政学的な特徴から、長い歴史と豊富な文化背景を持っており、トリエステと神戸はとてもよく似た街のように僕には見えます。

神戸ハーバーランドからの眺め

神戸を後にして向かったのは名古屋。主に知人を訪ねに訪問しました。名古屋は東京ほど規模が大きくなくコンパクトで、それでいて全ての都市インフラが揃っており、また日本の東西のほぼ中心に位置していることから交通や移動も便利です。名古屋駅で新幹線を下車して駅の外に出ると、駅ビルの大きさに驚かされます。駅ビルにはデパートや専門店・飲食店などが軒を連ねており、駅ビルの中だけでも買い物や食事ができてとても良いですね。

名古屋駅の駅ビル外観

 名古屋を後にして日本の在所に向かい、そこで数日間、在所での家事(庭の手入れや掃除など)をしながら静養して長旅の疲れを癒し、再び成田空港からドイツに戻ってきました。


日本では、他の世界の観光地の例に漏れずover tourisumの問題が発生しているという話を聞いていましたが、果たして僕も今回、このover tourisum問題を身をもって経験することになりました。

名古屋から東京へ新幹線で移動する際、僕は大型スーツケースを運んでいたため、大型荷物専用の座席を予約する必要があり、駅の窓口で新幹線チケットと座席の予約を済ませました。時間の都合で、のぞみではなくてひかりを予約して名古屋から東京に移動することになりました。

移動日は平日。しかも時間は午前中で、このため新幹線は混雑していないだろうと考えていたのですが、僕の想像とは裏腹に、新幹線ひかり号の指定席はほぼ満席。しかの乗客の大半は(僕と同じように)大きなスーツケースを運んでいる日本国外からの観光客と思しき人々。大型荷物置きスペースはすでにいっぱいで、スーツケースを置くのに苦労しました。

また(これはドイツではよくあるのですが)僕の予約席に日本国外からの観光客と思しき人が座っており、その方と話をしてチケットを見せて席を確保しました。その方は3人掛けの真ん中の席を予約していたようですが、僕の予約した窓際の席に座っていました。きっと車窓風景を楽しみたかったのでしょう。

新幹線は大型荷物を持った日本国外からの人々でほぼ満席。これにはちょっと驚きました。over tourisumの影響でしょう。きっと終着駅の東京までこんな感じなんだろうなと想像していたのですが、途中の小田原駅でほぼ全ての乗客が一斉に下車しました。きっとパッケージツアーか何かの参加者の団体だったんでしょうね。

日本国外からの観光客は、観光客専用の新幹線チケット(japan railpass)を使って新幹線で日本国内を移動している人が多いのでしょう。このチケット、こだまとひかりには乗れるのですがのぞみに乗るには追加料金が必要だったと記憶しています。このため、今回のように新幹線ひかりは国外からの観光客で混み合っていたのかなと想像しています。

新幹線での混雑を避けたい場合には、のぞみに乗車するのが良さそうです。


日本滞在中、様々な日本の風景や様子を見て考えることがいくつかありました。また別の機会に投稿しようと思います。