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夏休みの図書館

今年も早や8月半ばの夏休み真っ只中。日本では、そろそろお盆が始まって、帰省客で新幹線や高速道路が混み合う時期でしょう。

ドイツでも今は夏休みシーズン。特に子供のいる家庭では、学校の夏休みに合わせて3〜4週間程の休暇を取り、あちこちに旅行に行くケースが多いようです。

一方、我が家は世間の夏休みシーズンの浮かれ騒ぎとは裏腹にいつも通りの生活。これは、家族持ちの職場の同僚たちがこの時期に休暇を取ることが多いため、彼らの代理として仕事をすることにしているため。僕は例年、少し時期をずらして9月に長期休暇を取ることにしています。

閑話休題。

僕が10代の頃の夏休みの思い出って何だろう?そんなことをふと考えました。特別なイベントも、これと言って非日常的な経験もなかったように思います。

高校生の頃、夏休みだというのに学校からは山のように課題や宿題が出され、夏休み明けの試験はこの課題の中から問題を出題するからしっかりやってこい!と教員たちから言われて、あぁいやだなぁと思いながら毎日課題をこなす夏休みだったように覚えています。

夏だから暑い。冷房を効かせて自宅で勉強するのも気が引けるし、自宅ではあまり課題に身が入らない。色々な誘惑の元が自宅にはあって。。。

そうだ、街の図書館の自習室(読書室)に行って勉強しよう。図書館なら冷房が効いているし、静かだし、誘惑の元になるものもないし、気分転換にもなるし。

自宅から自転車で30分程の街の図書館に到着するともう汗だくで、読書室に入る前に図書閲覧コーナーで一息ついて、読書室へ向かいます。

考えることは皆同じで、夏休み中の図書館の読書室はほぼ満席。中学生・高校生が仲良しと隣り合う席に座るとひとりでにおしゃべりが始まり、静粛に!な読書室が騒がしくなってしまう。このため、読書室に入室する際は座席番号札を図書館員から受け取り、その番号の席に座るというルールになっていました。

どこに座るかはさておき、隣や正面に座る人が誰か?というのがちょっとドキドキすることで、学校の席替えの時に感じるドキドキの小さいのを毎回体験する感じ。

中学から別々の学校に進学した友人とたまたま隣り合わせや向かいに座ることもあって、ヒソヒソ声で遠慮がちに「久しぶり!」「元気にしてた?」とか挨拶したりして。

別の高校に進学した元同級生が僕の隣の席に座り、「よかった、今日はLucasの隣で嬉しい!」と言われた時にはなんだかとってもドキドキしたりして。

図書館の中には食事を摂れる場所がないため、ランチの時間には皆んな図書館の屋根付き駐輪場でお弁当を広げたり、近くの定食屋さんへ行ったりしておしゃべりしながらランチを食べていました。

普段、他所の学校の生徒とおしゃべりする機会というのは意外となくて、この図書館でのちょっとしたおしゃべり時間が良い交流の機会だったように思います。

おかげさまで夏休みの課題も他所の学校の生徒との交流も捗り、夏休み明けの試験も文化祭もことなきを得て何とか乗り切ったように記憶しています。

夏休みの街の図書館。

今でも夏休みの時期になると、ふと思い出すことがあります。

今でもあの図書館のあの読書室は、ちょっと効きすぎの冷房の中、ちょっとドキドキしながら勉強するティーンエイジャーたちでいっぱいなのかな。