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金属なのに液体?不思議な元素『ガリウム』

金属と聞くと、「硬い」「冷たい」「固体」というイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、手のひらの温度で溶けてしまう金属が存在するのをご存じですか?
それが「ガリウム(Gallium)」という不思議な元素です。

1. ガリウムってどんな金属?

ガリウムは周期表で「元素番号31」に位置する金属で、融点(溶ける温度)は約29.8℃と非常に低いのが特徴です。
つまり、手のひらに乗せるだけで溶けてしまうのです!

しかし、沸点(気化する温度)は2204℃と非常に高いため、液体になっても簡単には蒸発しません。
この特性が、さまざまな技術分野で役立っています。

2. ガリウムの特徴と性質

手のひらで溶ける → 29.8℃で溶けるため、触れるだけで液体になる
超高温でも気化しにくい → 2204℃にならないと蒸発しない
鉄やアルミを侵食する → アルミに付着すると強度を失い、崩壊することも

特に最後の性質は驚きで、アルミニウムを破壊する能力があります。
ガリウムを塗ったアルミ缶を少し放置すると、ボロボロになってしまうのです!

3. ガリウムの活用分野

ガリウムの特性を活かし、以下のような分野で利用されています。

半導体・LED

ガリウムは電子機器に欠かせない素材です。
「ガリウム砒素(GaAs)」という化合物は、スマホやWi-Fi機器に使われています。

また、青色LEDの発明で有名な「窒化ガリウム(GaN)」も、明るいLEDや次世代パワー半導体として活躍中です。

医療分野

放射性ガリウムを使った「ガリウムスキャン」という検査方法があり、がんの診断などに利用されています。

宇宙開発

ガリウムを使った太陽電池は、宇宙空間でも高効率で発電できるため、人工衛星に搭載されています。

4. まとめ


ガリウムは手のひらの温度で溶ける金属!
アルミニウムを破壊する特殊な性質を持つ!
半導体やLED、医療・宇宙開発で幅広く活用されている!

金属なのに液体になる、驚きの性質を持つガリウム。
これからの技術発展にも欠かせない、未来の材料と言えるかもしれません。

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