愛知県の離島 佐久島 探訪記
大都会名古屋から30kmほどのところに、おもしろい島があります。
今回の舞台は愛知県では珍しい有人離島、佐久島です。
もっとも、大半の方はどんな場所か見当もつかないはずなので少し補足を。
佐久島は三河湾の中央に座する自然豊かな島です。面積はディズニーランド3個ぶんくらい。人口は200人にも満たず、漁業や観光業が基幹産業になります。
佐久島行きの船は西尾市の一色港から出ており、西尾駅から船の時間にあわせてバスもあります。島までは約20分かかり、料金は片道830円でした。
船は西港→東港の順に島の2箇所に泊まりますが、今回は西港で下船することにしました。
レンタサイクルもありますが、島内には斜面や未舗装路が多かったので、隅々までまわりたい場合には微妙かも。
こういうものが日本の伝統的な漁村の姿なのかもしれません。
訪問は2月下旬の平日ということもあり、お店はほとんど営業していませんでした。お昼は「Cafe OLEGALE」さんにお邪魔しました。
この佐久島、他の離島の例にもれず高齢化や人口減少という問題を抱えています。それらの対策としてアートを活用した観光振興に力を入れており、島のあちこちに数十のアート作品が点在しています。
こうした取り組みは地域おこしの先進的事例として評価されているようで、この日もそれが目的と思しき大学生ぐらいの若者が島を訪れていました。(無論わたしもその1人)
この島の特徴であり良さだと思うのが、観光地化していないことです。観光客向けに開発された島というのは全国に多数存在します。確かに、佐久島でも来訪者を増やす取り組みは行われているわけですが、それでも村の人々の会話など、普通の暮らしが垣間見やすいと思います。
世間一般の人が憧れるようなものや施設はありませんが、ゆったりとした時間が流れ、いつまでも滞在したくなる素敵な島です。文字や画像では伝えきれないその魅力は、読者の方々にもぜひ島を訪れて体感していただきたいと思います。
また、この島には弘法信仰(三河に多い)などからなる独自のナラティヴが息づいているのを感じました。旅をする際には「郷に入っては郷に従え」ではないですが、各地の歴史や文化的な文脈を傷つけないように注意したいですね。
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